バミー (บะหมี่) とは、一般的には「卵麺」に分類される中華麺のこと。中華色の強い店だと、バミーを漢字で「蚕麺」と書いてあることも。バミーは、麺自体を指す以外にも、バミー料理全体の総称としても使われます。なお、バミーには「汁あり」のバミーナーム (บะหมี่น้ำ) と「汁なし」のバミーヘーン (บะหมี่แห้ง) があります。ナーム (น้ำ) とは「水」、ヘーン (แห้ง) とは「乾いた」の意味。
「米粉の麺」のクイッティアオやイエンタフォーやラートナーなどの店でも、麺種のレパートリーの一つにバミーを用意している場合もありますが、今回はバミー屋台/専門店、日本的に言えばラーメン専門店の「汁なし」のバミーヘーンの話です。なお、一般的な傾向として、小さな子供は「バミーナーム」、大人は「バミーヘーン」を注文するのがタイスタイルです。
バミー屋台/専門店のバミーヘーンは、茹でた卵麺を器に入れた後、タイ産の小さなニンニクから作ったニンニク油と薄味のタレをかけ、事前に準備してある他の具材を乗せて完成。なお、ニンニク油とタレを卵麺に絡めてから具材を乗せる店もあります。基本的にムーデーン (หมูแดง) なる叉焼(チャーシュー)が入ります。日本のラーメンに焼豚(チャーシュー)が入るのと同じなのですよ。
さらに、パクチーやパックワントゥン (ผักกวางตุ้ง) と呼ばれる中国野菜の「菜心:Choy Sum」が入る場合が多いですね。ワントゥン (กวางตุ้ง) とは、中国の「広東」のことを指すのですが、広東省から持ち込まれた品種で栽培が始まったので、広東菜と呼ばれるようになったとか??
その他に豚肉入りのワンタンや豚肉の団子がオプションとしてあったり、または、最初から入っている店もあります。ところで、入れる具材は、店により違いがあるので悪しからず。
以下の写真が基本的な具材が入ったバミーヘーンの様子。ニンニク油に入っているニンニクやカオムーデーン、パクチー、広東菜が確認できます。
バミーヘーンを注文すると、スープは別の器で提供されます。豚ガラと大根のあっさり系の澄んだスープが多いですね。お店によっては、豚ガラを入れてもらえる場合も。豚ガラがあると嬉しくなりますよね。バミーナームのスープは、このスープが使われるのです。豚ガラは、タイ語でグラドゥークムー (กระดูกหมู) と言います。グラドゥーク (กระดูก) は「骨」、ムー (หมู) は「豚」のこと。
バミーヘーンの食べ方ですが ...
まずは、ニンニク油とタレが麺と混ざっていないなら、しっかり混ぜる必要があります。たぶん、味は薄めで辛さは全く無いと思います。そこで、テーブルの上にある調味料セットで味を調整。唐辛子、砂糖、唐辛子入りのお酢やナンプラー、お店によっては砕いたピーナッツが用意されています。タイの大人は、唐辛子をタップリ入れ、濃い目の味にする方が多いと思います。そう、辛味の無いバミーヘーンを辛い麺料理に変身させ、そして「バミーは、辛い方が美味しいね」とのたまうのですよ。55555 ...
だから、タイの大人は、バミーナームではなく、バミーヘーンを注文する傾向にあるのです。もし、汁気が足りないと感じたら、スープを少し足してください。
以下の写真が、混ぜ始めの様子。この写真の店は、ムーデーンもバミーも「てんこ盛り」ですが、一般的に、バミーはボリームが無い料理ですので、承知願います。
バミー専門店の場合、豚肉入りのワンタンや豚肉の団子が独立したメニューで用意されていることもあります。ワンタンスープや、人気のあるギアオトートと呼ばれる豚肉入りのワンタンの油揚げも面白いですよ。
ところで、
美味しいバミーヘーンを提供する店が他にもあるのです。それは、叉焼(チャーシュー)の専門店であるカオムーデーン(叉焼飯)のお店。ご飯とバミーの選択ができるのです。一般的にチャーシューの肉タレが麺の上にかけてあります。
以下の写真が、チャーシューが乗った「汁なし」のバミー・ムーデーン (บะหมี่หมูแดง) の様子。なお、カオムーデーンの専門店は、カオナーペット(焼鴨飯)の専門店でもあることが多いので、焼いた鴨肉に変更したり、両方乗せも可能だったり ...
我が家では、バミーは「汁なし」のバミーヘーン、クイッティアオは「汁あり」のクイッティアオナームを注文することが多いと思います。
タイの油そば、バミーヘーンが面白い!
食べたことのない方、是非、バミーヘーンに挑戦してみてください。
こぼれ話
以下の写真は、タイ北部の嫁の田舎にある人気老舗のバミーヘーン。大人が注文すると、写真のような唐辛子と砂糖が入ったバミーヘーンがきます。タイ人にとって、この写真の唐辛子と砂糖の量は、普通のこと。ところで、このバミーヘーンには、ケープムー(豚皮揚げ)が入っています。タイ北部では、いろいろな料理にケープムーが入ります。
汁なしのクイッティアオヘーン、普通は食べることがないのですが、クイッティアオヘーン・ボーラーンだけは特別です。安くて美味しいのです。
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