タイ料理 パットカナームー(豚肉入りのカイラン菜炒め)

カナームーグロープ タイ料理

タイ飯屋(注文スタイルの大衆食堂)の定番の野菜炒めと言えば、カナームー (คะน้าหมู) でしょう。カナー (คะน้า) とは「カイラン菜=芥藍菜」、ムー (หมู) とは「豚肉」の意味。カナームーとは「豚肉入りのカイラン菜炒め」こと。なお「炒める」の意味のパット (ผัด) を付けてパットカナームー (ผัดคะน้าหมู) とも言います。

中でも人気は「カリカリに揚げた豚の三枚肉」のムーグロープ (หมูกรอบ) を使ったカナームーグロープ。
以下の写真がご飯と一緒盛りのカナームーグロープの様子。タイ飯屋はご飯とおかずが一緒盛りのワンプレートのスタイルなのです。

ご飯と一緒盛りのカナームーグロープの様子
ご飯と一緒盛りのカナームーグロープの様子

なお、時々非常に硬く噛み切れないムーグロープがあるのでご注意あれ。

ムーグロープの様子
ムーグロープの様子

以下の写真は通常の豚肉を使ったカナームー。店によっては、ムーグロープを置いていない場合があります。何故って、ムーグロープを作るには手間がかかるからです。そのため、カナームーグロープはカナームーより値段が高いかもしれませんね。

ご飯と一緒盛りのカナームーの様子
ご飯と一緒盛りのカナームーの様子

カイラン菜は、アブラナ科の野菜でブロッコリーの仲間。根元に近い茎の部分は、ブロッコリーの茎に近いコリっとした食感でほんのりと甘味があります。なお、ブロッコリーの茎と同じように表面の皮の硬い部分は剥いて調理するのですが、時々綺麗に剥いてなくて残念な思いをすることがあるのでご注意あれ。

カナーの様子
炒めたカナーの様子

以下の写真は、ぶっかけ飯屋の肉なしタイプのカイラン菜炒め。参考まで ...

カナー
ぶっかけ飯屋の肉なしのカイラン菜炒め

カナームーは、ニンニク、唐辛子、ナンプラー、オイスターソース、砂糖などで味付けします。店によっては、タオチオ (เต้าเจี้ยว) を使う場合があるかな? 空芯菜炒めのパットパックブンムーサップと同じような味付けの中華風野菜炒めです。なお、一般的に辛い料理ですので、辛味が苦手な方は注文の際に辛味を押さえる旨を伝えた方が良いと思いますよ。トッピングに目玉焼きを付けるのもありでしょう。目玉焼きはタイ語でカイダーオ (ไข่ดาว) と言います。

ところで ...
以下の写真がタラート(ローカルマーケット)の八百屋の カイラン菜の様子。野菜としてのカイラン菜を指す場合には「野菜」を意味するパッ(ク)/パッ (ผัก) を付けてパッカナー (ผักคะน้า) と言えば間違いはないでしょう。タイでは空芯菜と同じようにポピュラーな野菜の一つです。

タラートのカイラン菜(パッカナー)
タラートのカイラン菜(パッカナー)

カイランは漢字で「芥藍/芥蓝」と書きます。この「芥藍/芥蓝」は潮州語で [kah4 na5] と発音するからタイ語でカナーのようですね。タイには潮州系の華人が多いのです。中華系の野菜なので、中華系料理であるラートナーパッシーユーによく使われているのでしょう。

以下の写真は塊のムーグロープの様子。ムーグロープだけでも非常に美味しい豚肉料理ですよ。タラートや朝市の屋台などの専門店なら量り売りで売ってます。この塊のムーグロープを小さくカットして料理に使うのです。

ムーグロープの塊
ムーグロープの塊

こぼれ話
以下の写真は、パットパッルアムミット (ผัดผักรวมมิตร) です。ムーグロープを使い、さらにカイダーオ付き。パット (ผัด) は「炒める」、パッ(ク)/パッ (ผัก) は「野菜」、ルアムミット (รวมมิตร) とは「色々な種類が混ざっている状態/ミックス」の意味。パットパッルアムミットとは「ミックス野菜炒め」のこと。

パットパッルアムミット 目玉焼き(カイダーオ)付き
パットパッルアムミット 目玉焼き(カイダーオ)付き

味付けは、カナームーと同じで一般的に辛い料理です。店や日によって使う野菜が違うので承知願います。ホーラパ-やガパオが入ることも ... ガパオが入ると香りが良いですね。ちなみに、パットガパオの味付けのベースも同じなのですよ。タイ飯屋のメニューにあるはずなので、挑戦してみてください。

ムーグロープのパットパッルアムミット
ムーグロープのパットパッルアムミット

そうそう、パットカナームーグロープの「カナー」を「カネーン」なる野菜に変えたパットカネーンムーグロープなる野菜炒めがあるのです。私はパットカネーンムーグロープの方が好きですね。興味のある方は ...