タイの大衆魚の一つに「ナマズ」がありますね。街中では、炭火で焼いたナマズ、プラードゥックヤーン (ปลาดุกย่าง) を売っている屋台をよく見かけます。
その「ナマズ」を使った代表的なタイ料理にパットペット・プラードゥック (ผัดเผ็ดปลาดุก) があります。パット (ผัด) は「炒める」、ペット (เผ็ด) は「辛い」、プラードゥック (ปลาดุก) は「ナマズ」のことです。日本語にすれば「ナマズのピリ辛炒め」となりそうですが、実際には「炒める」と言うより「煮る」に近いですね。なお「煮付けスタイル」と「揚げ煮スタイル」の2つのタイプがあります。どちらのスタイルの味付けもレッドカレーペースト、プリックゲーン・ペット (พริกแกงเผ็ด) を使うのでペットです。55555 ...
今回紹介するのは「揚げ煮スタイル」です。おかず屋台でもよく見かけるのがこのタイプ。カリカリになるまで油で揚げたナマズをレッドカレーペーストに水を加え、砂糖、ナンプラー、オイスターソースなどで味付けした煮汁で水分がなくなるまで煮絡めて作ります。カリカリになるまで油で揚げるので、パットペット・プラードゥック・グロープ (ผัดเผ็ดปลาดุกกรอบ) と言います。グロープ (กรอบ) とは「カリカリの状態」を意味します。
レシピ次第ですが、甘めの味付けなので、調子に乗って食べていると、その後に、じわじわとボディブローのように辛味が蓄積するのが一般的ですね。さらに、単に筒切りのナマズなので、小骨が悩ましいのです ...
カリカリに油で揚げていますので、細い腹骨ならそのまま食べれるし、ナマズの臭みも感じません。時々、揚げ過ぎでナマズの身が硬い場合がありますが、それが好きな方もいるらしい 55555 ...
辛味が好きなタイ人にとっては、身近な臭みのある川魚でも美味しく食べる料理方法でしょう。
さらに、魚の臭みを消し、うま味をアップする料理方法にパットチャー (ผัดฉ่า) があります。
パットチャーとは ...
香味野菜をふんだんに使った料理/調理方法です。前述と同じようにレッドカレーペーストに水を加え、砂糖、ナンプラー、オイスターソースなどで味付けし、さらにコブミカンの葉 (バイマックル:ใบมะกรูด)、スイートバジル (ホーラパー:โหระพา) やホーリーバジル (ガパオ:กะเพรา)、そして、生胡椒 (プリックタイ・オーン:พริกไทยอ่อน)、生姜の仲間であるオオバンガジュツ (クラチャーイ:กระชาย) を加えた炒めものです。クラチャーイは、生臭さを消すため、魚料理などによく用いられる野菜です。食材は、ナマズに限らず、エビでも鶏肉でも ... 例えば、エビを使えば、パットチャー・クン (ผัดฉ่ากุ้ง) と呼ばれます。
以下の写真の左側がクラチャーイ、右側が同じ生姜の仲間のガランガル。ガランガルは、タイ語でカー (ข่า) と言います。なお、タイには日本の生姜と同じ生姜もあります。タラートの野菜屋で簡単に買えます。
以下の写真がプリックタイ・オーン。これもタラートの野菜屋で簡単に買えます。
パットチャースタイルに近いパットペット・プラードゥック・グロープは、手間をかけた分、美味しい料理になります。日本人ならナマズを綺麗におろして、骨を外した状態から調理するのでしょうが、ここは、タイランド 55555 ...
以下の動画は、ウィチット ムクラ シェフが作るパットペット・プラードゥック・グロープの調理の様子。パットチャースタイルで作っているので、パットチャー・プラードゥック・グロープ (ผัดฉ่าปลาดุกกรอบ) と言い換えることもできそうです。参考まで。。。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=h5TPCtSHVTQ
こぼれ話
「煮付けスタイル」ですが、パットペット・プラードゥック・ソット (ผัดเผ็ดปลาดุกสด) と言います。ソット (สด) とは「生」の意味。生の筒切りのナマズを同じ味付けの少ない煮汁で煮付ける感じで炒めて作ります。もし、おかず屋台で見かけるとしたら、臭みを押さえたパットチャースタイルに近いと思いますよ。
以下の写真は、おかず屋台のパットチャースタイルに近いパットペット・プラードゥック・ソットです。パットチャー・プラードゥック・ソットと呼ぶこともできます。
そうそう、南部地方なら使うバジルは、 ホーラパーやガパオではなくイーラーでしょう。