緑豆の「あんこ」を作る 奮闘記

緑豆のあんこ タイのお菓子

タイのあんこと言えば黄色い緑豆のあんこ。以前からこの黄色い緑豆のあんこを日本式で作りたいと思っていたのだが、やっとその機会ができたので挑戦することにした。備忘録として、書き留めておくことに ...
緑豆 (トゥアキアオ:ถั่วเขียว) は皮付きのままだと緑色だが、皮を剥くと綺麗な黄色 (金色) になる。金色の豆なのでトゥアトーン (ถั่วทอง) とも呼ばれる。
まず、基本的なタイ式の緑豆のあんこの作り方は、蒸した皮無し緑豆をすり潰した生地にココナッツミルクと砂糖を合わせ、かき混ぜながら好みの硬さまで煮詰めて作るのである。蒸す代わりに煮るのもありだ。すり潰し方は裏ごしが基本だと思うが、乳鉢やすり鉢を使う場合も多いようだ。今ではフードプロセッサーやミキサーもあるだろう。
一方、日本式のあんこの作り方は、煮上げた豆に砂糖を加え、煮詰めて作ると思う。当然、ココナッツミルクは入らない。

さて、緑豆のあんこの材料である皮無しの緑豆はスーパーマーケットや通販で買える。タイでは Raitip (ไร่ทิพย์) ブランドが有名だと思う。以前はスーパーマーケットの Tops の陳列棚にも、それなりのスペースで多くの種類の豆類があったのだが、時代の流れだろうが、今やそのスペースは洋菓子の材料類の陳列スペースに取って代わられた。Tops では Raitip ブランドの豆類は排除され、代わりに Tops ブランドの豆類が置いてある。

タイの皮剥き緑豆
緑豆あんこの材料 Tops ブランドの皮剥き緑豆 300g

それでは、日本式で黄色い緑豆のあんこを作ることに ...
今回使った材料は Tops ブランドの皮剥き緑豆。
 緑豆:300g
 グラニュー糖:150g
 塩:2つまみ程度
なお、タイには日本のカップ印の白砂糖のような上白糖は無いのである。今回は、黄色を大事にしたいのでグラニュー糖を選択。

皮剥き緑豆を3度水洗い。
ひたひたの水に2時間以上浸す。
一晩浸すことがベストである。後ほどの作業である豆を潰す時間が短縮できる。

水に浸した緑豆
2時間浸した緑豆
水に浸した緑豆
一晩浸した緑豆

鍋に移し豆が浸る以上の水を入れて火にかける。
沸騰したら中火に落とし、まずは 20分を目安に煮ることにする。
豆が指で簡単に潰れることを目標とする。
アクがでるので綺麗に取り除く。

緑豆を茹でる
アクがでるので綺麗に取り除くこと

途中で豆が顔を出さないように、煮汁が足りないなら差水する。
10分程の経過で豆の硬さ具合を確認したところ、すでに柔らかい個体もあり。
焦げ付きを恐れ、かき混ぜてみたところ、煮崩れが始まっている様子。
目標の硬さにするため、かつ多目の煮汁をひたひた程度まで飛ばすため煮詰め続ける。
都合、25分ほど煮詰めたと思う。
ここで、砂糖を3度に分けて入れる。さらに塩も入れる。
焦げ付きに注意しながらヘラで豆を潰しながら撹拌し適度な硬さまで煮詰める。
(豆のサイズが小さいので当初から粒が残っても良いと割り切っていた)
残っている水分量や火加減にもよるが 20分以上の撹拌作業が必要かもしれない。

緑豆を茹でる
適度な硬さまで煮詰めた緑豆

煮詰めた豆を冷ます。
冷めたら、練り直して綺麗な黄色い緑豆のあんこの完成。
後に気付いたこと。冷蔵庫に入れるとあんこ全体が固くなるのだが、その状態の粒をレンゲの腹やヘラなどで潰すとさらに良いと感じた。

思った通り、緑豆のあんこは、豆の皮が無いかつ粒サイズが小さいので焦げ付きにさえ注意すれば簡単に作れることが確認できた。出来栄えは満足、残った粒の食感も面白い。裏ごしすれば、なめらかな舌ざわりのあんこも可能である。さらに、クチナシやサフランを使えばもっと鮮やかな黄色になるとも思う。

緑豆の「黄色いあんこ」
緑豆あんこのあんパン

ところで、タイ式のあんこのようにココナッツミルクを加え、ココナッツの風味と脂肪分をプラスすることも可能であるが、ココナッツミルクにはしっかり火入れすることが肝要である。
なお、タイ式の緑豆のあんこはトゥアクワン (ถั่วกวน) と言うだが、そのトゥアクワンをそのまま使ったお菓子がカノムトゥアクワン (ขนมถั่วกวน) である。使うココナッツミルクの量とあんこの硬さ(水分や脂肪分の割合)で風味も食感も色目も違うものになる。長期保存を考えるならココナッツミルクの代わりに食用油を使う方法もあるらしい???
ちなにみ、私が好きなカノムトゥアクワンは芋ようかんのような食感のものなのだ。

嫁は金時豆のあんこより緑豆のあんこが好きだと言うのである。慣れ親しんだ緑豆の風味から来るものなのだろうか?? 私は金時豆のあんこの方が美味しいと感じたのだが ...