タイには、たくさんの種類のクイッティオがありますが、イエンタフォー (เย็นตาโฟ) とは、スープに紅腐乳から作った赤いソースを加えたクイッティオ。イエンタフォーの特徴は、紅腐乳の赤い色のスープだけではなく、肉や魚のすり身団子、がんも系の揚げ団子がたくさん入っていること。さらに、豚の血をゼリー状に固めたルアットムー (เลือดหมู)、ワンタンの皮を油で揚げたギアオトート (เกี๊ยวทอด) 、空芯菜、イカなども入っている具だくさんのクイッティオなのです。
街中には普通のクイッティオ屋台がたくさんありますが、イエンタフォーのメニューがあるとは限りません。なお、イエンタフォー屋台には普通のクイッティオのメニューがあります。イエンタフォー屋台の場合、イエンタフォー以外のクイッティオを注文してもイエンタフォーのように具だくさんのクイッティオが出てくる屋台が多いと思います。嬉しいことですね。なお、イエンタフォーの具は店により違いがあるので悪しからず ...
クイッティオ (ก๋วยเตี๋ยว) には、極細麺のセンミー (เส้นหมี่)、細麺のセンレック (เส้นเล็ก)、太麺のセンヤイ (เส้นใหญ่) がありますが、一般的にイエンタフォーには、太麺のセンヤイを注文する方が多いのではと思います。タイのラーメンであるバミー (บะหมี่) や春雨のウンセン (วุ้นเส้น) もあったりしますので、注文時に麺種を指定するのがタイスタイル。
以下の写真はイエンタフォー屋台の赤いイエンタフォーソース。このソースを麺スープと混ぜたり、上からかけるとイエンタフォーのクイッティオになるのですよ。
細麺のセンレック派の私もイエンタフォーの場合には、何故かセンヤイが多いですね。最初は白いセンヤイが時間の経過で段々と赤く色づいてきます。55555 ...
以下の写真は、テイクアウトしたイエンタフォー。汁ありのクイッティオでもテイクアウトできるのがタイ。日本では、ちょっと考えられませんよね。55555 ...
以下の写真は、不思議な食感のある具。分かり難いですが「イカ」なのです。何故なのかイエンタフォーには「イカ」が入るのが定番。乾燥しているスルメを重曹液に浸して、戻した「イカ」なのです。プラームック・グロープ (ปลาหมึกกรอบ) と言います。プラームック (ปลาหมึก) は「イカ」のこと、グロープ (กรอบ) とは「カリカリ/コリコリ」の食感のこと。
以下の写真が、タラート（ローカルマーケット）で売っているプラームック・グロープの様子。
以下の写真は、イエンタフォー・ヘーン。ヘーン (แห้ง) とは「乾いた」の意味で「汁なし」のこと。イエンタフォーソースが直接かかっていますので、ダイレクトにソースの味が伝わります。
なお、しっかりしている店なら、麺スープを別に用意してくれますので、麺スープを足したり、テーブルの上の調味料で味を調整してみてください。辛さへの耐性がタイ人なみの私は今まで辛いと感じたイエンタフォーは無いのですが、辛味が苦手な方にはイエンタフォー・ヘーンは厳しいかもですね。
さて、イエンタフォーソースですが ...
まず、紅腐乳とは、豆腐を紅麹で発酵させた中国由来の調味料。タイ語で、タウフーイー (เต้าหู้ยี้)、正確に言うならタウフーイー・デーン (เต้าหู้ยี้แดง) と言います。デーン (แดง) とは、紅麹の「赤色」の意味。
以下の写真は、スーパーマーケットで見つけたタウフーイー・デーン。漢字で「紅腐乳」と書いてあります。
イエンタフォーソースは一般的に、紅腐乳、ニンニク、唐辛子、砂糖、お酢などをミキサーにかけて、調味料で味を整えて作ります。紅腐乳の豆腐が入るのでとろみがあります。店ごとに独自のレシピがあると想像できますが、ソースの色も赤色が強いものからピンク色まで、甘味と辛味、酸味にも相当な違いがありますよ。
「汁あり」の場合、麺スープとイエンタフォーソースのハーモニー感が重要です。もし、あなた好みの味のイエンタフォーに出会えたら、虜になる可能性があるクイッティオですよ。美味しいイエンタフォーに出会えると良いですね。
ところで ...
以下の写真は、ママー (MAMA：มาม่า) ブランドのイエンタフォー味のインスタントラーメン。やはり「イカ」がいますね。この写真は、トムヤムクンなどで使われるモーファーイ (หม้อไฟ) なる火鍋にイエンタフォーが入っています。これだけいろいろな具材が入っていれば鍋ですよね。そう、イエンタフォーの鍋料理があるのです。イエンタフォー・モーファーイ (เย็นตาโฟหม้อไฟ) と言います。参考まで ...
このイエンタフォー味のラーメンのスープは、結構辛いですね。ちなみに、トムヤム味はもっと辛いのです。
こぼれ話
今では、イエンタフォーソースは幾つかのメーカーから発売されています。タイ語で「ソース・イエンタフォー (ซอสเย็นตาโฟ)」と言います。英語で「Yentafo Sauce」と書かれれいる商品も多いですね。
以下の写真は、Lobo ブランドのイエンタフォーソースです。辛味は少ないタイプですので、クイッティオ以外の料理に使うこともできます。簡単にイエンタフォーの風味と辛味を加えることができますね。スーパーマーケットでも買うことができます。参考まで。。。
そうそう、イエンタフォーソースを使ったパッタイもあるのですよ。パッタイ・イエンタフォー (ผัดไทยเย็นตาโฟ) ですね。パッタイ麺や豆腐がイエンタフォーソースで赤く色づいています。
