カオニャオタット (ข้าวเหนียวตัด) なるお菓子。カオニャオ (ข้าวเหนียว) は「もち米」、タット(ตัด) は「切る」の意味。でも ... 何故「切るもち米」なのだろう?
ほんのり甘いカオニャオの上に塩っけのある白いココナッツミルクのクリーム、さらに甘い金色のトーンヨート (ทองหยอด) や黒豆のトッピングなどが乗っています。甘い、しょっぱいのバランスが何とも言えない不思議感のあるお菓子がカオニャオタットです。初めて食べる方には、ココナッツミルクのクリームのしょっぱい味に戸惑いがありますが、甘いトッピングがそのしょっぱさを上手に和ましてくれるのです。タイにもこんな遊び心のあるお菓子があるのだと感じることができる絶品のタイ菓子です。
カオニャオタットの作り方は ...
まず、大きめのバットに洗ったもち米を砂糖入りのココナッツミルクで浸して一度蒸します。土台となるカオニャオがほぼ出来上がります。その蒸されたカオニャオの上に、ココナッツミルクと米粉、砂糖、塩を混ぜ合わせた生地を流し入れて再度蒸し上げます。これで、白いココナッツミルクのクリームが乗っているカオニャオになるのです。そして、甘い金色のトーンヨートや黒豆などのトッピングを乗せて完成です。その後、バットの中のカオニャオタットをスケッパーなどを使って切り分けるのです。この切り分け作業があるのでカオニャオタットなのかもしれません。
なお、カオニャオにパンダンの葉 (バイトゥーイ:ใบเตย) の搾り汁で色付けすれば緑色のカオニャオタットバイトゥーイになります。チョウマメ (アンチャン:อัญชัน) の花の搾り汁で色付けすれば青色のカオニャオタットアンチャンになります。緑/白、青/白のコントラストが面白い。カオニャオタットは蒸して作りますので、ガラスの器 (コップ)で作ればオシャレなデザートになると思いますよね。もしかしたら、既にあるのかな?
非常に面白いお菓子 カオニャオタット、是非お試しあれ!
ところで、ココナッツミルクのクリームをガティナーヌアン (กะทิหน้านวล) と言います。ガティ (กะทิ) とは「ココナッツミルク」、ナーヌアン (หน้านวล) とは「クリーム状/メレンゲ状」のこと。だから、カオニャオタットは、カオニャオナーヌアン (ข้าวเหนียวหน้านวล) とも呼ばれています。なお、ナーヌアンの硬さや塩加減は作り手によって違いがあります。以下の写真のカオニャオタットは、硬めのナーヌアンで黒豆がカオニャオ側に入っているスタイル。