トムカーガイ (ต้มข่าไก่) のトム (ต้ม) は「煮る」、カー (ข่า) はタイ生姜の「ガランガル」、ガイ (ไก่) は「鶏肉」のこと。以下の写真がタイ生姜のカーですが、普通の生姜と比べ辛味が無く、色が白くて硬い特徴があります。トムカーガイのスープには、このスライスしたカーがふんだんに使われるのです。
さて、トムカーガイは、トムヤムクンと並んでタイを代表するスープ料理の一つです。エビの代わりに鶏肉を使うのですが、中に入れる香味野菜やキノコを入れる所はトムヤムクンのスープと同じです。入れる香味野菜とは、ガランガル、コブミカンの葉、レモングラス、ノコギリコリアンダーなど。そして、トムヤムクンと同じく酸味はマナーオの絞り汁、辛味は生の唐辛子を使います。大きな違いはトムカーガイのスープにはココナッツミルクを加えることでしょう。
一般的にトムヤムクンのスープより辛味と酸味がマイルドでココナッツミルクのまろやかさが絶妙な美味しいスープです。トムカーガイは、非常に人気のあるスープです。タイ料理レストランやおかず屋台/ぶっかけ飯屋にありますので、是非、お試しください。なお、スープをご飯にかけて食べるのがタイスタイル。
トムカーガイは自分で作ろう!
私の作り方を紹介してみますので参考にしてください。入れたい食材とその分量は、お好みで調整してください。
スープの素は Lobo ブランドの Tom Ka Paste を2袋と Ampawa ブランドの PET のココナッツミルク 500ml を1本を使います。
以下の写真が、 Lobo ブランドの Tom Ka Paste です。このリンクをクリックすると、トムカーガイの作り方の動画が見れますよ。参考まで。。。
両方ともスーパーマーケットで売っています。さらに水が4カップ(約 800ml)。これで合計で 1300ml のスープになりますよね。Lobo の Tom Ka Paste に書いてある説明分量とは多少違いますが、スープですので最後に味を調整すれば良いと考えてください。ちなみに、私が気にかけることは、開封したココナッツミルクは全て使い切ること。使い切らずに残したココナッツミルクを冷蔵庫に入れて保存することを良しとしないのです。冷やすとココナッツミルクの脂肪分が分離するのです。
スープに入れる具材は、
鶏むね肉 (อกไก่):500g 程度
ヒラタケ (เห็ดนางรม):1パック
なお、私はフクロタケが好きなのですが、今回はヒラタケを採用。ヒラタケの方が、スープとの絡みが良いと思います。鶏肉とヒラタケは、食べやすい大きさにカットしておきます。ところで、タラートだと鶏むね肉は1羽単位で売っています。だいたい1羽分で400〜500g 程度だと思います。早朝のタラートの方が、スーパーマーケットより新鮮で安いかもしれませんよ。
スープ用の香味野菜系は、
カー (ข่า):茎が3〜4本出ている塊
バイマックルー (ใบมะกรูด):10枚以上
タックライ (ตะไคร้):3本
パクチーファラン (ผักชีฝรั่ง):3株
プリック (พริก):10本程度
マナーオ (มะนาว):大1個(絞り汁)
カーはタイ生姜の「ガランガル」 、バイマックルーは「コブミカンの葉」、タックライは「レモングラス」、パクチーファランは「ノコギリコリアンダー」、プリックは「唐辛子」のことです。
以下の写真の中でレモングラス、コブミカンの葉、タイ生姜の3種が赤い輪ゴムでとめられているのが分かりますか?これは1回分のトムヤムスープ用のセットなのですが、多くの八百屋では常に用意してあるものです。トムカースープとトムヤムスープは、同じ香味野菜を使いますのでこのセットが使えます。
なお、このセットだけではタイ生姜が足りないので、別に茎が3〜4本出ているひと塊を用意し、すべて使用します。カーのスープなので使い惜しみは無用。
さてさて ...
コブミカンの葉は枝付きの状態です。トゲがあるので注意しましょう。綺麗な葉ばかりではありません。使えそうなところだけをすべて使用します。彩りも兼ねてコブミカンの葉の一部をトッピング用に千切りにします。もし、食べるつもりがあるなら全部を千切りにします。私は柑橘系の香りが好きなのでたくさん入れます。パクチーファランは、適当なサイズ(3cm程度)にカット。
タイ生姜とレモングラスも食べるつもりがあるなら薄くスライスしてください。タイ生姜は食べても美味しいですよ。なお、私はスープの中にあるレモングラスも柔らかいなら食べますよ。
唐辛子ですが、青は火を入れると時間の経過でくすんだ色に変色しますが、赤は変色しません。赤でも青でも好きな分量をお使いください。多少、多目に入れて途中の味見で辛そうなら唐辛子を引き上げることも可能です。ところで、生の唐辛子ですが冷凍保存が可能です。我が家の冷凍庫には相当数の唐辛子のストックがあります。
鍋にココナッツミルクの半分程度と Tom Ka Paste を2袋を入れて温めながら撹拌、鶏肉を入れて適度に煮始めます。そこに水4カップを加えパクチーファランとマナーオ以外の材料を入れ、鶏肉とひらたけに火が通るまで煮ていきます。一度沸騰したら中火程度の火加減で良いと思います。具材が煮えたと思ったら、パクチーファランと残り半分のココナッツミルクを加えて、スープ全体が均一になるようにかき混ぜます。味見をして、塩味やココナッツミルク感が濃いと感じるなら水を足してください。味の微調整はナンプラーや砂糖で行います。例えば、ナンプラー大さじ1〜2、砂糖小さじ1程度の追加でも味に締りが出ると思います。マナーオはお好みでどうぞ。マナーオは鍋に入れるのではなく盛り付けた器に入れるのもありですよ。
なお、辛味、酸味、そして甘味を味わうスープであることはトムヤムスープと変わりが無いと思いますので、ある程度の辛味、酸味は必須と思います。器に盛り付けで完成です。
もしお気に入りのトムカーガイができたなら、トムカーガイのスープかけご飯を是非お試しください。私は大好きです!! 55555 ...
食べ切れない場合は、冷蔵庫で保管し、温め直してください。前述したように冷蔵庫で保管するとココナッツミルクの脂肪分が固まるとは思いますが ...
そうそう、残り半分のココナッツミルクを入れるとスープ全体に広がる白い色が面白いですね。作り手の些細な喜びです。55555 ... ところで、メーカー品のココナッツミルクは殺菌済みですので、多少温めれば良いと思いますが、タラートの搾りたてのココナッツミルクは殺菌さてれいません。しっかり火入れ殺菌する必要があります。その場合は2度に分けず、最初から全量のココナッツミルクを使って調理した方が良いかもしれませんね。
こぼれ話
その他にも美味しいココナッツミルクのスープには、トムヤムクンナムコンがあります。ココナッツミルクが好きな方は参考まで。