タイのデザート ゲーンブアット・ファクトーン(カボチャのココナッツミルク煮)

ファクトーン・ゲーンブアット タイのお菓子

ゲーンブアット・ファクトーン (ฟักทองแกงบวด) とは、カボチャをココナッツミルクで煮たタイの伝統的なデザートです。ゲーンブアット (แกงบวด) とは、カボチャや芋類、豆類、バナナなどを「甘いココナッツミルクで煮たデザート」の総称、ファクトーン (ฟักทอง) とは「カボチャ」のこと。ちなみに、ゲーンブアットを後ろにしてファクトーン・ゲーンブアットでも OK です。時代の流れなのでしょうが、最近は素朴な昔ながらのデザートを目にする機会がめっきり減っています。

とあるデザート屋台にプラ容器入りの綺麗に並べてあるカボチャのゲーンブアット・ファクトーンを見つけたので、久しぶりに買うことにしました。プラ容器入りだと食べるのが簡単。私は、紫芋のゲーンブアット・マンムアン (แกงบวดมันม่วง) の紫色の美しさが好きなのですが、最もポピュラーなゲーンブアットと言えば、黄色のカボチャのゲーンブアットでしょう。

プラ容器入りのゲーンブアット・ファクトーン
プラ容器入りのゲーンブアット・ファクトーン
ゲーンブアット・ファクトーンの鍋の様子
ゲーンブアット・ファクトーンの鍋の様子

お味の方は想像通り。のほんのり甘いココナッツミルクの風味が口の中に広がります。たまには、素朴な味のデザートも良いものですよ。

ところで ...
ゲーンブアット・ファクトーンの作り方は、小さくカットした生のカボチャをパームシュガーを溶かしたココナッツミルクで柔らかくなるまで煮る、または、小さくカットした生のカボチャを柔らかくなるまで下茹でしてからパームシュガーを溶かしたココナッツミルクと合わせるのどちらかの流れで作るのでしょうね。ただし、タイには面白い調理テクニックが存在するのです。煮る前の小さくカットした生のカボチャをナムプーンサイなる不思議な水に 15 〜 20分程度漬けるのです。なお、漬け終わったカボチャに付いたナムプーンサイは綺麗な水で洗い流す必要があります。ナムプーンサイとは、アルカリ性の石灰水のことなのです。ナムプーンサイに漬けることで切り口が硬くなって煮崩れ防止になるのです。そのため、ココナッツミルクの状態も綺麗に保てる効果もあるのですね。私は、ココナッツミルクと煮崩れしたカボチャの一体感も面白いとは思うのですが ...

カボチャのゲーンブアット・ファクトーンや黒豆のトゥアダム・ゲーンブアット (ถั่วดำแกงบวด) は、デザート屋台やデザートショップで見かけることが多いのですが、最近は他の材料のゲーンブアットを目にする機会が少ないかもしれませんね。黒豆のトゥアダム・ゲーンブアットは、カオニャオ・トゥアダムを参照願います。
ちなみに「甘いココナッツミルク」のことをナムガティ (น้ำกะทิ) と言いますが、このナムガティの中にいろいろなトッピングを入れて楽しむデザートショップがあります。そのようなデザートショップには、茹でたカボチャや豆類などがトッピングとして並んでいることもありますよ。

トッピングが選べるデザートショップ
トッピングが選べるデザートショップ

以下の動画は、ウィチット ムクラ シェフが作るカボチャのゲーンブアット・ファクトーンの動画。参考まで。。

以下の動画は、ウィチット ムクラ シェフが作る紫芋のゲーンブアット・マンムアンの動画。参考まで。。