タイには、ホイワーン (หอยหวาน) と言う高級食材に分類される貝があります。ホイ (หอย) は「貝」の総称、ワーン (หวาน) は「甘い」の意味。ホイワーンとは「甘い貝」の意味のバイ貝系の巻き貝です。
とあるレストランでのこと。嫁がホイワーンを注文。テーブルに運ばれてきたのが焼きスタイルのホイワーン。タイでは「赤貝」は茹でスタイル「ムール貝」は蒸しスタイルが多いので、私は勝手に茹でスタイルまたは蒸しスタイルと思っていたので、嫌な予感!
案の定、私は「硬い、美味しくない、焼き過ぎでしょう。」と ... タイの焼きスタイルとは、一般的に2枚組の網で挟んでの両面からの炭火焼きなのです。この手の小さい貝を一つずつ頃合いを見ながら上手に焼くのが難しいので、茹でた方が美味しいに決まっているが私の主張。日本でもバイ貝やシッタカ貝なら塩茹でや味噌汁が多いのでは?そこで、メニューを確認したら「GRILLED AREOLA BABYLON」の文字。あらら〜
以下の写真に写っている定番のナムチムシーフード (น้ำจิ้มซีฟู้ด) と呼ばれる緑色のつけダレで食べるのですが、そして ... 貝の姿/形に注目してください。
ちょっと、ここで ...
以下の写真は、true系列の情報サイト trueID のフード欄の「เช็คให้ชัวร์ หอยหวาน กับ หอยหมาก ต่างกันยังไง ? (ホイワーンとホイマークの違いは何ですか?)」のタイトル記事からの写真。
なお、記事に興味のある方は、翻訳機能を使ってお読みください。
Web site URL: https://food.trueid.net/detail/KVR5q8KkmyRE
書いてある内容は ...
ホイワーン (หอยหวาน) とホイマーク (หอยหมาก)と言う貝があるのだが、我々が食べているホイワーンは本物のホイワーンなの?の趣旨に沿って2種の貝の違いを説明しているのです。
実際に「ホイワーン:หอยหวาน」で Web検索するとホイマークをホイワーンとして扱っている内容やその2種は違う貝の旨を比較する内容がヒットすることが分かります。さらに通販サイトに至っては、ホイマークをホイワーンとして販売している実情がわかります。そして、街中のレストランが提供するホイワーンもしかり。嫁が注文したホイワーンはホイマークだったのです。
ザックリですが、ホイワーンの価格はホイマークの2倍以上。ホイワーンの身は白く柔らかく甘味があり、それに対してホイマークの身は黒っぽく硬く甘味が少ないのです。さらに言えば、ホイワーンの数は年々減少しており、既に庶民には手が届かない食材になっているのですよ。
以下の写真は、スーパーマーケットの Tops のホイマーク。さすがにホイマーク (หอยหมาก) と表示しています。キロあたり250バーツなので、決して安い食材ではないのですよ。
さてさて ...
茹でたホイマークならこれがタイのバイ貝なんだぁ〜と感じることができるでしょう。不味いわけではありません。ただし、風味や美味しさは日本のバイ貝やシッタカ貝の方が上だと思います。牡蠣しかり、ワタリガニしかり、日本産に限ります。ホイワーンと表示されているかもしれないホイマーク。茹でスタイルや蒸しスタイルなら挑戦してみてください。なお、茹でた「赤貝」ホイクレーン・ルアックや香草蒸しの「ムール貝」ホイマレーンプー・オップと食べ比べるのも面白いかも ...
当然、本物のホイワーンに出会えると良いですね。
注意:この記事で使っている貝の写真はホイマークです。
本物のホイワーンの写真は、true系列の情報サイト trueID で確認願います。非常に分かり易い写真を載せていますよ。
こぼれ話
以下の写真は、ホイコーン (หอยโข่ง) なる茹でた巻き貝を売っている屋台。ホイコーンは、淡水の巻き貝であるリンゴガイ(Apple Snail) の仲間だと思います。多分、養殖モノでしょう。
タイにも数種類の淡水の巻き貝が生息していますが、田んぼで見つかることが多いのですね。そのため、それらの巻き貝は一般的な総称として「田んぼの貝」を意味するホイナー (หอยนา) と呼ばれています。ナー (นา) とは「田んぼ」のこと。最近、ホイナーの需要が高まり養殖場も増えているようです。特に、日本のジャンボタニシの仲間のホイチューリー (หอยเชอรี่) と呼ばれている大型の巻貝の養殖は盛んに行われているようですよ。なお、タイでも外来種とのこと。ホイナーは、剥き身にしていろいろな料理にしたり、イサーン地方ではソムタムに入れたりも。街中のサザエの串焼きのような貝はホイナーかも。そして、ホイコーンは、ホイチューリーより身が柔らかくて甘いとのことで、キロ単価も高いようです。