タイ料理 ホイトート屋台(牡蠣?のサクサク/カリカリ揚げ)

ホイトート屋台の様子 タイ料理

ホイトート (หอยทอด) のホイ (หอย) は「貝の総称」、トート (ทอด) は「油で揚げる」意味。ホイトートとは、潮州系の牡蠣を使った「蚝烙」が源流になっている料理のようです。蚝烙とは、蚵仔煎 (Oyster Omelette) のこと。牡蠣をもんじゃ焼きのように下味を付けた「ゆるい生地」に入れ、たっぷりの油でフライにした感じの料理です。
タイのホイトートは、小粒の牡蠣やムール貝を使うのですが、牡蠣のホイトートは、ムール貝のホイトートより値段が高いですね。そのため、牡蠣を使ったホイトートは、ホイナーンロム・トート (หอยนางรมทอด) と呼ばれることもあります。ホイナーンロムとは「牡蠣」のこと。ムール貝は、ホイマレーンプー (หอยแมลงภู่) と言います。
以下の写真は、牡蠣を使ったホイトート、ホイナーンロム・トートです。

牡蠣のホイトート
牡蠣のホイトート(ホイナーンロム・トート)

ホイトートのレシピは作り手により違いがあるようです。薄力粉、米粉、タピオカ粉などの澱粉を混ぜ合わせ、水で溶いて醤油やオイスターソースなどで味付けした、もんじゃ焼きの生地と同じようにな「ゆるい生地」を作ります。そこに牡蠣やムール貝を入れ、たくさんの油で揚げるように焼くのですが、途中で焼き生地に生卵を割り入れ、ざっくりと混ぜるのです。焼き加減も生地を鉄板に薄く延ばしたサクサク/カリカリ系から生地を少し厚めにしたふんわり系までありますが、サクサク/カリカリ系が一般的に多いように感じます。油で軽く炒めたモヤシ、または生のモヤシと焼き上がったホイトートをお皿に乗せて完成です。

ホイトートは、街中やフードコートのパッタイの店のメニューにあることが多い料理ですが、ホイトート屋台や専門店もあます。そうそう、シーフードレストランにもホイトートのメニューがあります。牡蠣とムール貝を選択できる店もありますが、庶民的な店やホイトート屋台ならムール貝かな〜?
以下の写真は、庶民的な店のムール貝のホイトート。

ホイトート
庶民的な店のムール貝のホイトート

ホイトートは、一般的に粉コショウやチリソース系の甘い唐辛子ソースを付けて食べます。鶏料理のつけダレであるナムチム・ガイ (น้ำจิ้มไก่) 系やシラチャーソース系などなど、店によりソースの味にも違いがあります。このソースが不味いとホイトートが台無しになることもあるかもしれませんよ。

ホイトートには、チリソース系の甘い唐辛子ソース
ホイトートには、チリソース系の甘い唐辛子ソース

ホイトートは、モヤシと一緒に食べるのが一般的ですね。タップリのつけダレと一緒に召し上がれ!

ムール貝のホイトート
ムール貝のホイトートとモヤシの様子

屋台の場合、大きな丸い鉄板があればホイトートがメニューにあると思いますよ。
以下の写真は、テイクアウト専用のホイトート屋台の様子。テイクアウトなので、モヤシをホイトートで挟んでいます。美味しそうなので早速購入、25バーツ也。単価が安いのでムール貝のホイトートです。

ホイトート屋台の様子
大きな鉄板でホイトートを焼いているホイトート屋台の様子

以下の写真が、テイクアウトしたホイトート。コーティングしてある紙に包んであります。
サクサク/カリカリ系のホイトート。私は、ふんわり系よりサクサク/カリカリ系が美味しいと思いますよ。

ホイトート
テイクアウトしたムール貝のホイトートの様子

私は、ホイトートが大好きなのですが ... いつも思うこと、それはちょっと小奇麗な店で食べるホイトートより、大きな丸い鉄板で焼いた屋台のホイトートの方がダンゼン美味しい! 安いしね。55555 ...

こぼれ話
なお、ふんだんに牡蠣を使い、ふんわり/とろり系に仕上げるとオースワン (ออส่วน) と呼ばれる料理になります。潮州語の「蠔汆」の発音 (oh suang) からの命名のようです。汆とは「煮る」の意味かな?

オースワン
ふんわり/とろり系に仕上げるたオースワン

牡蠣を使ったホイトートをオールア (ออลัวะ) と呼ぶこともあります。潮州語の「蚝烙」の発音 (o lua) からの命名のようです。外はサクサク/カリカリ系で中はふんわり系の焼き加減で、ちょっと高級感のあるイメージがありますが、焼き加減や命名は店次第です。ふんわり/とろり系であれ、サクサク/カリカリ系であれ、広義ではホイトートです。

ところで、タイには揚げ物をの衣をサクサクに仕上げる魔法の水があるのです。サクサク/カリカリ系のホイトートに仕上げるために、魔法の水のナムプーンサイを生地の中に入れているかも?