最近、見かける機会が増えた新しいスタイルのカイピンソンクルア (ไข่ปิ้งทรงเครื่อง) 屋台を紹介します。ピンを省略してカイソンクルアン (ไข่ทรงเครื่อง) とも言います。カイ (ไข่) は「卵」、ピン (ปิ้ง) は「焼く/炙る」、料理に使う場合のソンクルアン (ทรงเครื่อง) とは「綺麗に盛り付けた/美味しく味付けた」のようなイメージの意味だろうか? 読んでいただくと分かりますが、カイピンソンクルアも焼いて仕上げるため広義ではカイピン (ไข่ปิ้ง) なのでしょう。卵焼きではなくて「焼いた卵」のことなのです。ちなみに、卵焼きはカイチャオです。
まずは ...
ちょっとビックリしますが、殻付きの生卵を炭火で炙る調理方法があるのです。天秤棒で七輪を担いで売り歩いている光景は今でも健在です。このスタイルが本当のカイピンなのでしょう。
以下の写真も天秤棒で売り歩いているカイピンの様子なのですが、ピンクの卵はアヒルの卵のピータン、バナナの葉に包まれているのはカオニャオピンですね。
次に ...
以下の写真が、街中で売っている従来スタイルのカイピンソンクルアの様子。これも見た目に驚きますよね。殻付きの卵が串に刺してあるのですから 55555 ...
更に、驚くことにこの卵には黄身がないのです。ゆで卵ではないのですよ。種を明かせば、生卵の先端に小さな穴を開け、中身をすべて取り出してから下味を付けて撹拌した卵液を作ります。その卵液を空になった卵の殻に詰め直すのです。中の卵液が溢れないようにぐい呑などを利用して縦た状態で蒸すのです。蒸し上がった卵に串を刺して炭火で炙る流れで作るのです。最後の工程で焼きますが、実際には蒸し卵の料理だったのですね。文末に作り方の動画の URL を付けますので参考にしてください。
さてさて ...
最近、見かける機会が増えた新しいスタイルのカイピンソンクルアには、卵の殻が無いのです。従来の殻付きのカイピンソンクルアから、剥きにくい殻を剥く手間が解消されたのです。革命ですね。想像ですが、シリコン製の卵型のような容器を使って蒸すのでしょうね。
以下の写真がタレの様子。このタレは、シーフード料理に付いてくるナムチムシーフード系のようです。
試しに購入。プラコップに入れてもらえます。「タレを入れるか?」と聞かれたので、「はい」と答えました。1本 卵3個で 25バーツ也。
テイクアウトしたカイピンソンクルアをお皿に移した様子。
従来の殻付きのカイピンソンクルアと同じでプリッとした食感、焼きの強い部分は硬めの仕上がり。ところで、このナムチムシーフード系のタレより醤油の方が美味しいのでは? 好みがあるとは思いますが ...
焼き卵と言うより、蒸し卵料理のカイピンソンクルア、まだ食べたことが無い方、一度挑戦してみてください。
カイピンソンクルアの作り方の動画、参考まで ...
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=cHHOo5Xk37M
こぼれ話
タイのピータンは、タイ語でカイイアオマー (ไข่เยี่ยวม้า) と言います。アヒルの卵は白色なのですが、何故かピンク色が多いのです。かつて、ピータンを作る過程でアルカリ性の石灰であるプーンデーン (ปูนแดง) を用いていたかららしい。このプーンデーンが赤いのです。今は食用着色料で色付けしています。ピンク色以外にも緑色や黄色などいろいろな色のピータンもあります。
スーパーマーケットの卵コーナーに置いてあると思います。初めて見た方はビックリするでしょうね。
ピータンは中華の食材。そのため中華系の料理に分類されるカオトム(お粥/雑炊)で食べる方が多いらしい。