数あるナムプリックの中で、特に人気のあるナムプリックはナムプリックガピ (น้ำพริกกะปิ) でしょう。ナムプリック (น้ำพริก) とは「唐辛子ベースのつけダレ/ディップ」、ガピ (กะปิ) とは「小エビを塩漬けして発酵させてたペースト状のうま味調味料」のこと。タイでは、生野菜や茹で野菜、カイチャオ(タイ風オムレツ)などなど、いろいろな食材や料理のディップに使われます。
ナムプリックガピは、ガピを使ったナムプリックです。作り手によりレシピに違いがあるようですが、ニンニクと唐辛子、ガピをクロック(調理器具の石臼)で潰し、マナーオの搾り汁に混ぜたものがベースになります。ガピ自体に強い塩味があることを考慮の上、パームシュガーやナンプラーで味を調整します。なお、ガピは事前にバナナの葉などで包んでから火で炙ると香りが立ちますね。タマリンドジュース (ナム・マカーム・ピアック:น้ำมะขามเปียก) で酸味を調整したり、砕いた乾燥エビを加えたりすることも ... 器に盛り付けて、丸い小さな緑色のスズメ茄子 (マクアプワン:มะเขือพวง) や小さな唐辛子 (プリックキーヌー:พริกขี้หนู) を浮かべて完成。
作り方から分かるように、ナムプリックガピとは、ガピの風味/うま味/塩味を活かし、辛味、酸味、多少の甘味を加えたナムプリックです。ナムプリックガピの茶色系の色はガピの色、そして美味しさは使うガピの質にも関係しそう。品質の良いガピは値段が高いのですよ。
以下の写真は、我が家にあるガピの様子。
ナムプリックガピは、タラート(ローカルマーケット)や街中のおかず屋台などで、ビニール袋に入れて売っていることが多いですね。
以下の写真は、おかず屋台の生野菜の袋詰めとナムプリックガピの袋詰めの様子。ナムプリックガピは、袋に入っている量などで違いがあるとは思いますが、バンコクなら 20 〜 30バーツ程度だろうか?
以下の写真もおかず屋台の様子。カイチャオ・チャオム (ไข่เจียวชะอม) やプラートゥー・トート (ปลาทูทอด) を売っているとナムプリックガピを置いてあることがあります。どちらも、ナムプリックガピの定番の食材です。右上に写っているプラ容器がナムプリックガピですね。
以下の写真は、ナムプリックガピで食べるキュウリの様子。我が家の嫁はキュウリが大好きなのです。55555 ...
そうそう、もち米(カオニャオ)にナムプリックガピを付けて食べることも普通のこと。立派なおかずなのです。例えるなら、醤油や味噌の(焼き)おにぎりと同じ感覚でしょう。以下の写真ではフォークを使ってますが、一般的にカオニャオは、食べやすい大きさに指先を使って揉みながら丸めて食べるのがタイスタイルなのです。
初めての方には、相当に癖のあるつけダレと感じるかもしれませんね。たぶん、ガピのニオイなか? しか〜し、食べ慣れると美味しくなるものです。癖になります。55555 ...
追記:
最近見つけてハマっているのが、セブンイレブンで売っているパーウェン (ป้าแว่น) ブランドのナムプリックガピ。29バーツ、オススメします。
ガピに興味のある方は、以下を参考に。
こぼれ話
タイには、数種類のナムプリックと多くの種類の茹で野菜や生野菜を売っている店があるのです。自分の好きなナムプリックと野菜を選べるスタイルですね。もちろん、ナムプリックガピがあります。野菜以外にもカイチャオ・チャオムやプラートゥー・トートなどナムプリックに良く合う食材も売っていることが多いですよ。