カオクルックガピ(ちらし寿司のようなチャーハン)
カオクルックガピ (ข้าวคลุกกะปิ) のカオ (ข้าว) は「ご飯」、クルック (คลุก) は「混ぜる」の意味。ガピ (กะปิ) とは、小エビを塩漬けして発酵させてたペースト状のタイを代表するうま味調味料「シュリンプペースト」のことです。カオクルックガピは、ガピで炒めたご飯(ガピチャーハン)と用意してあるいろいろなトッピングをちらし寿司のように混ぜ合わせながら食べるからカオクルックガピと呼ばれているのでしょう。一般的なチャーハンのように具材とご飯を一緒に炒めないのですね。チャーハンって、こんな食べ方もあるのだと思わせる料理です。(ガピについては後述)
カオクルックガピの食べ方ですが ...
決して、最初から全てのトッピングを混ぜ合わせる必要はありません。味変しながら食べてください。食べたくないものは食べなくても良いのです。なお、カオクルックガピのトッピングはお店により全く違うものと思ってください。
以下の写真はガピチャーハンの様子。ご飯が茶色いのはガピの色です。
以下の写真は、フードフェスで注文したカオクルックガピの様子。
以下の写真は、珍しいカオクルックガピのお弁当の様子。豚肉の甘煮のムーワーン (หมูหวาน) 付き。
そうそう、カオクルックガピの代表的なトッピングの一つにムーワーンがあります。タイでは人気のある豚肉料理です。
カオクルックガピは、街中の屋台やフードコートなどでもそれほど多く見かける料理ではないかもしれませんね。そのためか、フードフェスやイベント的な屋台村にカオクルックガピ屋台があると結構な人気になります。貴方も美味しいカオクルックガピに出会えますように!!
ところで、家にあるキュウリやレタスの千切りなどをトッピングにして自分でカオクルックガピを作ってみるのも面白いですね。ウィチット ムクラ シェフが作る動画を参考に。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=oNxv6Z7yXJ4
タイ語ですが見れば大体理解できます。ポイントは、油の温度が高いとガビが飛び跳ねますので、弱火の油で匂い立つまでしっかりガピに火を通すことです。ご飯を入れてからは火加減も含めて普通にチャーハンを作る要領です。
そうそう、最初から具材を入れてガピで炒めたチャーハンもありですよ。カオパットガピ (ข้าวผัดกะปิ) です。我が家でも時々作りますが、もちろん美味しいですよ。なお、ガピ自体に塩気がありますので、塩加減のバランスを気にしてください。
ガピって何?(シュリンプペースト)
ガピ (กะปิ) とは、小エビを塩漬けして発酵させてたペースト状のうま味調味料です。エビの独特な香りと塩味があるタイ料理では重要な役割を果たしている調味料のひとつです。タイの東部地方や南部地方の料理に良く使われる傾向があるようです。何故?海があるからです。(55555 ...) ガピは、淡水の小エビからも作れるようですが、良質な小エビがたくさん取れるのはやはり海でしょう。我が家の嫁は、海の無い北部地方の出身なのでガピの知識があまり無いのです。
タイの東部地方や南部地方の沿岸部なら、手前味噌のように家内制手工業的なガビがたくさんあるはずですね。しかも美味しくて安いはず。バンコクにも専門店がありますが、フードフェスがあると、数種類のガピが器に山盛りにして量り売りも。日本の味噌の量り売りと同じような光景です。産地や作り手などで値段の違いがあります。ちょっと敷居が高いけど、チャレンジしてみるのも面白いかな?
以下の写真は、量り売りで買ったガピの様子。
ガピはスーパーマーケットでも買えますが、タラートにある干しエビを扱っている店なら、産地違いのガピを置いているかもしれませんね。もちろん、通販でも買えますが、いろいろなメーカーのガピがあります。高級品はスーパーマーケットで扱っているガピよりだいぶ値段が高いと思います。
上の写真の右側のピンク色のガピは、エビをすり潰していないタイプのガピなのです。
以下の写真は、エビをすり潰しているタイプの一般的なガピです。タラートで買ったちょっと値段の高いガピです。
ちなみに、このガピと唐辛子で作ったタイ料理の代表的なつけダレが、ナムプリックガピ (น้ำพริกกะปิ) です。
ところで、バンコクには「バーンカピ (บางกะปิ)」と言う地区がありますが、地区名の由来の一つに「かつて、この地域には小さなエビがたくさんいたので、人々はガピを作っていたらしい」があるとのこと。
こぼれ話
下の写真は、スーパーマーケットで買った帆船ブランドのガピラヨーン (ตราเรือใบ กะปิระยอง) です。おろしたてに近い状態です。
この商品、初めて買った時はに悩みました。何故かと言えば、一番上に油 (ロウ状)の硬い層、二番目に小麦粉のようなもを固めた層、その下に紙、そして本体のガピの構造になっていたのです。必ず使い始める前に、紙とその上の層の部分は綺麗に取り除いてください。以下の写真は以前の作業時に取り除いた部分の様子です。参考まで ...