タイのローストしたスイカの種の話 マレットテンモーオップ

ローストしたスイカの種のアイキャッチ タイのお菓子/デザート

ローストしたスイカの種は、タイ語でマレットテンモーオップ (เมล็ดแตงโมอบ) またはマレットテンモーオップヘーン (เมล็ดแตงโมอบแห้ง) と言います。マレット (เมล็ด) は「種」、テンモー (แตงโม) は「スイカ」、オップ (อบ) は「焼く/蒸し焼き」、ヘーン (แห้ง) は「乾いた」のような意味。さらに、マレットグアイシー (เมล็ดก๊วยจี๊) なる呼び名もあるのです。グアイシー (ก๊วยจี๊) とは、潮州語の瓜子 (gue-zi) の発音がタイ語化したもの。そう、ローストしたスイカの種の起源は中国。タイの食文化は潮州系華人の影響を強く受けているのですね。そうそう、中華菓子の月餅であるカノムピアやカノムワイプラジャン (Moon Cake) にもスイカの種が入っている餡があります。そして、チャイナタウンのヤワラーでは、ローストしたスイカの種が量り売りで売っています。

量り売りのローストしたスイカの種(ヤワラー)
量り売りのローストしたスイカの種(ヤワラー)

ところで、このスイカの種は 1.5cm 〜 2cm の大きさがあり、普通に目にするスイカの種ではありませんね。中国語で打瓜と言う種だけを目的に栽培されるスイカから採れたもので、その種を黒瓜子と言うらしい。打瓜の果肉は美味しくないの食べません。そして、打瓜の最大の生産地は中国なのです。興味のある方は「打瓜」や「黒瓜子」で検索願います。

1.5cm 〜 2cm の大きさがあるローストしたスイカの種
1.5cm 〜 2cm の大きさがあるローストしたスイカの種

さてさて、マレットテンモーオップは、幾つかのメーカーから発売されていてスーパーマーケットやコンビニで売っています。基本は殻付きなので自分で殻を剥いて中身を食べるのですが、最近は殻を剥いたスタイルも発売されています。
以下の写真はよく見かける殻付きのブランド。トラームー (ตรามือ) とM16です。スイカの種を意味するマレットテンモー (เมล็ดแตงโม) と書いてあります。

トラームーの殻付きマレットテンモー
トラームーの殻付きマレットテンモー
M16 の殻付きマレットテンモー
M16 の殻付きマレットテンモー

種の縁の部分を上下にして歯で噛むと殻にヒビが入ります。一度で噛まずに順番に少しずつ縁の噛む位置をずらしていくのがコツ。なお、殻は結構硬いので歯に自身のない方は注意が必要でしょう。スイカの種の殻剥き器があるのでそちらを利用することをオススメします。เครื่องแกะเมล็ดแตงโม または ที่แกะเมล็ดแตงโม で検索すると通販でも買えますよ。種の中身は、白っぽくて非常に薄くアーモンドのスライスのような風味と食感があります。

殻を剥いたスイカの種の中身の様子
殻を剥いたスイカの種の中身の様子

スイカの種は、かつては子供のおやつ。我が家の嫁も子供時代には友達と歯での殻剥き競争をして遊んだ記憶があるらしいが、今の子供は食べたいとは思わないでしょうね。
同胞諸君、まだ食べたことがないなら、一度挑戦してみるのも面白いでしょう。

こぼれ話
タイには、ローストしたカボチャの種もあります。同じウリ科の仲間なので、スイカの種にもカボチャの種と同じように生活習慣病を予防する効果があるとのことですが、私はカボチャの種派。理由は、殻付きのスイカの種は歯が心配な上に殻剥きが面倒。殻を剥いたスイカの種もひまわりの種で有名な Flower Food から発売されてはいますが、打瓜の生産地に不安があるから ...
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ところで、タイにも無しスイカがあるのです。