タイの生もやしとパットトゥアゴークタオフー(豆腐入りもやし炒め)

もやし炒め タイの食材

もやしは、タイ語でトゥアゴーク (ถั่วงอก) と言います。タイのもやしは緑豆系のもやしが一般的。大豆もやしのように豆が付いているもやしは、トゥアゴーク・フアトー (ถั่วงอกหัวโต) と言いますが、値段は高いし、普段目にする機会が非常に少ないもやしです。良く目にするもやしには、黒い豆皮が付いているのでトゥアキアオ・ピウダム (ถั่วเขียวผิวดำ) と呼ばれる黒皮緑豆のもやし。ピウダム (ผิวดำ) とは「肌が黒い」の意味。ブラックマッペです。最近では袋詰めのもやしならスーパーマーケットで見つけることができますが、今でもターラート(ローカルマーケット)では限られた野菜屋や専門店でしか売っていないのですよ。多分、もやしは傷み安く扱いが面倒な上に価格が安いので棲み分けているのでしょう。

以下の写真はターラートの量り売りのもやしの様子。我が家では、タイ語で「クンキロ」1kgの半分、または「ヌンキロ」1kg単位で買う場合が多いです。何しろ安く 25バーツ/kg。バンコク郊外や田舎ならもっと安いのでしょうね。なお、大量に扱う飲食店用のもやしは大きなビニール袋に入れて販売する別ルートがあるようです。

ターラートの量り売りのもやしの様子
ターラートの量り売りのもやしの様子

ターラートのもやしは、扱いが雑なタイスタイル。水洗いしならがハネモノの選別が結構な労力なのです。55555 ... なお、食べきれない分は生のままで冷凍保存をしています。

ターラートで買ったもやし 1kg
ターラートで買ったもやし 1kg
冷凍保存の生もやし
冷凍保存の生もやし

ところで、スーパーマーケットの袋詰めもやしの値段は高く、安くてもターラートの3倍弱、下手をすると6倍ほどの違いがあるのですよ。タイの食文化ではもやしの使い道が限定的な上に、野菜嫌い、かつ自宅料理をしないタイ人も多いのでスーパーマーケットでもやしを買うとは思えませんね。55555 ... 日本人を含む外国人用かも?
以下の写真は、とあるスーパーマーケットのパック詰めのもやしの様子。

スーパーマーケットのパック詰めのもやし
スーパーマーケットのパック詰めのもやし

以下の写真のスーパーマーケットのもやしは、250g入りで18バーツ。

普通のもやし 250g 18バーツ
普通のもやし 250g 18バーツ

以下の写真のスーパーマーケットのもやしには、日本語でもやしと書いてある商品もあり「クリーンな環境で作られている」旨の説明書があるのですが、200g 入りで 30バーツとは如何なものでしょうね。大豆もやしは、200g 入りで 55バーツ。高すぎるでしょう。55555 ...

スーパーマーケットのもやし
(右)普通のもやし 200g 30バーツ
(左)大豆のもやし 200g 55バーツ
(右)普通のもやし 200g 30バーツ
(左)大豆のもやし 200g 55バーツ

ターラートとスーパーマーケットの価格差を見てどうでしょうか? なお、見方を変えると、もやし大好きな日本人との絶対的消費量の差があるとしても、日本のもやしが如何に安いかが分かりますよね。

さてさて ...
タイでもやしは基本的に生食です。私もタイで初めてクイッティオのトッピングとして生もやしを食べさせられて驚いたことを記憶しています。クイッティオ系や汁ありのバミーナームには必ずと言って良いほど、生もやしまたは瞬間湯引きの生もやしが入っています。ただし、汁なしのバミーヘーンには付かないかな? ナーム (น้ำ) とは「水」、ヘーン (แห้ง) とは「乾いた」の意味。

クイッティオ・ナームの生もやし
クイッティオナームの生もやし
バミーの生もやし
バミーナームの生もやし

その他には、生もやしなどが食べ放題のカノムジーン。そして、パッタイの付け合わせ。なお、ホイトートの付け合わせだけは、軽く炒めてあります。もやしは、何故か?小麦粉や米粉を使った麺料理系と一緒に食べるのがタイスタイルなのです。

なお ...
麺料理以外でもやしを使った料理と言えばもやし炒め。タイ語でもやし炒めの総称をパットトゥアゴーク (ผัดถั่วงอกเต้าหู้) と言います。ぶっかけ飯屋の定番の料理でしょう。もやしを使ったタイ料理は、このパットトゥアゴークしか見たことがないかもしれませんね。

ぶっかけ飯屋のパットトゥアゴーク
ぶっかけ飯屋のパットトゥアゴーク

厚揚げや豆腐を入れたもやし炒めのパットトゥアゴーク・タオフー (ผัดถั่วงอกเต้าหู้) のぶっかけ飯屋も多いですね。パット (ผัด) は「炒める」、タオフー (เต้าหู้) は「豆腐」のこと。豚や鶏のひき肉を入れれば、さらに美味しいと思いますが、材料費の関係かな? 最近ではあまり見かけない感じです。

もやし以外に使う野菜は、お決まりのように人参と日本のわけぎのようなトンホーム (ต้นหอม) でしょう。タイで人参を使う料理は珍しいことなですよ。時々、トマトを入れる屋台もありますね。人参やトマトは彩りだろうか? 作り方は至って簡単で日本人のもやし炒めを作る手順と同じです。始めにみじん切りのニンニクと豆腐を炒め、適度な頃合いで野菜類を加えて炒め、醤油、オイスターソースなどの調味料で味を整えて完成。タイ料理的なところが全くありません。55555 ...

パットトゥアゴーク・タオフー
パットトゥアゴーク・タオフー
ぶっかけ飯のパットトゥアゴーク・タオフー
ぶっかけ飯のパットトゥアゴーク・タオフー

もやし炒めは、醤油ベースの味付けで全く辛くない料理です。ぶっかけ飯屋で料理の選択に迷った時にはパットトゥアゴークをどうぞ!

我が家でも冷凍保存の生もやしを使って、豆腐を入れたパットトゥアゴーク・タオフーを作ります。以下の写真は、タイの硬い豆腐半分とニンニクのスライス、豚ひき肉、ニラを使ったパットトゥアゴーク・タオフー。

我が家のパットトゥアゴーク・タオフーの様子
我が家のパットトゥアゴーク・タオフーの様子

同胞諸君、ターラートのもやしは、安いので利用しない手はないですよ。是非、挑戦してみてください。

こぼれ話(タイの硬い豆腐)
以下の写真がタラートで売っているタイの硬い豆腐。水分をしっかり抜いているので硬いのです。タオフー・ケン (เต้าหู้แข็ง) と言います。ケン (แข็ง) は「硬い」の意味。我が家の近所のタラートでは1個 15バーツ。パッタイに入っている豆腐は、この硬い豆腐を黄色く色付けしてあるタイプが多いですね。

タイの硬い豆腐 タオフー・ケン
タイの硬い豆腐 タオフー・ケン

そうそう、タイにはタオフー・ケンを油で揚げて甘めのつけダレを付けて食べるお菓子があります。タオフートートと言います。

最近のスーパーマーケットには、日本と同じスタイルのパック入りの絹ごしや木綿豆腐が所狭しと並んでいます。以前は硬くない豆腐と言えば、チューブ入りの豆腐だったのですよ。スーパーマーケットで売っている日本スタイルの豆腐も美味しいですが、このタオフー・ケンを軽く油で揚げたり、豆腐ステーキなどに利用するのも面白いですよ。一度、お試しあれ!

スーパーマーケットの日本スタイルの豆腐
スーパーマーケットの日本スタイルの豆腐
チューブ入りの豆腐
チューブ入りの豆腐

写真のタオフー・ケンはどうしてこのような形になるのだろう?興味のある方は以下の動画を見てください。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=VklRp8by6MI