タイのもつ煮込みサイムーパロー カオカームー屋台に買いに行こう!

サイムーパローのアイキャッチ タイ料理

タイのもつ煮込みは、シナモンや八角などの中華系のスパイスを使った中華風醤油煮込み。この中華風醤油煮込み料理の総称をタイ語でパロー (พะโล้) と言います。豚もつのパローなので、サイムーパロー (ไส้หมูพะโล้) またはサイパロー (ไส้พะโล้) と呼ばれています。サイ (ไส้) は「腸」、ムー (หมู) は「豚」、だからサイムー (ไส้หมู) は「豚もつ」のこと。サイムーパローが食べたくなったので、カオカームー屋台に買いに行くことに!

まず ...
代表的なパローと言えば、カオカームー (ข้าวขาหมู) ですね。カオ (ข้าว) は「ご飯」の意味。カームー (ขาหมู) とは「豚の足」の意味なのですが、正確には豚の足のパローであるカームーパロー (ขาหมูพะโล้) を指しています。カオカームーとは、カームーパローをご飯と一緒に食べる料理なのです。このカオカームーのレストランや屋台の店先にある大きな鍋の中には、豚の足のカームーパロー、煮卵のカイパロー、そして豚もつのサイムーパローが入っているのですよ。

店先の大きな鍋の中のサイムーパロー様子
店先の大きな鍋の中のサイムーパロー様子

カオカームーの店によってシステムに違いがありますが、カームーパローだけ、カームーパローとサイムーパローとのミックス、サイムーパローだけのような注文ができるのです。ご飯の上にパローを乗せるぶっかけスタイルもあれば、豚の足の部位違いやボリューム違いのパローをメニュー単位に分けてあるスタイルもあります。後者のスタイルならライスは別に注文することになりますね。
以下の写真は、カームーパローとサイムーパローとのミックス、そしてカイパロー付きの注文を準備している様子。

カームーパローとサイムーパロー、カイパローの準備風景
カームーパローとサイムーパロー、カイパローの準備風景

さてさて ...
屋台では、カオカームーのご飯セットのテイクアウトは当然できますが、カームーパローやサイムーパローだけのテイクアウトも可能なのです。たとえ単品メニューが無くても「欲しい」と言えば対応して貰えるのがタイの良い所。商魂たくましい上に、タイでは家族のために料理のテイクアウトは普通のことなのです。屋台にしろ、レストランにしろ、いろいろなテイクアウトのケースを考えているものなのです。カームーパローやサイムーパローならビニール袋にスープもたくさん入れてもらえて一袋分で金額を出すシステムです。一般的には2〜3人分のボリームですが結構いい加減です。最近のバンコクの相場だと、カオカームーのご飯セットが 70バーツ程度だとして、100バーツ程度から対応して貰えると思いますよ。

以下の写真はテクアウトした袋詰めのサイムーパローの様子。100バーツ也。カオカームーには付き物の「タイの高菜の漬物」のパッカードーン、生ニンニク、生唐辛子、そしてナムチムも付けてもらいました。

サイムーパロー
テクアウトした袋詰めのサイムーパローの様子
袋からどんぶりに移し替えたサイムーパローの様子
袋からどんぶりに移し替えたサイムーパローの様子

以下の写真ではよく分からないと思いますが、この屋台のサイムーパローは、大きな腸を意味する「大腸」のサイヤイ (ไส้ใหญ่) がメインで、柔らかい腸を意味する「小腸」のサイオーン (ไส้อ่อน) とのミックス。サイヤイとサイオーンのどちらを使うかは作り手次第。

サイムーパロー
サイムーパロー

以下の写真は、ナムチムカオカームー (น้ำจิ้มข้าวขาหมู) またはナムチムカームー (น้ำจิ้มขาหมู) と呼ばれているディップソース。ナムチム (น้ำจิ้ม) とは「ディップソース」のこと。クロック(調理器具の石臼)で潰した唐辛子とニンニクを酢に溶かし、砂糖、塩で味を調整したソースです。店毎に独自のレシピがあるので、色や風味に違いがあります。色の違いは、赤色唐辛子、青色唐辛子、黄色唐辛子の使う割合の違いからでしょう。

ナムチムカームー(赤唐辛子のみ)
ナムチムカームー(赤唐辛子のみ)
ナムチムカームー(混合唐辛子)
ナムチムカームー(混合唐辛子)

一般的にパローは甘めの中華風醤油煮込み。この「甘い」「塩っぱい」の中華料理に、ナムチムカームーの「辛い」「酸っぱい」をプラスすることで、「甘い」「塩っぱい」「辛い」「酸っぱい」のタイ料理に変身するのですね。日本の醤油味や味噌味のもつ煮込みに七味も美味しいですが、サイムーパローにナムチムカームーも美味しいですよ。トロトロのもつ煮込み、ご飯のおかずはもちろん、ビールのお供にサイムーパロー。同胞諸君、カオカームー屋台に買いに行こう!

こぼれ話
クルアンナイパロー (เครื่องในพะโล้) と言うメニューで、腸以外の部位が入る店があります。クルアンナイ (เครื่องใน) とは「内臓」の総称。「豚の内臓の煮込み」の意味。ただし、店によってクルアンナイパローとサイパローは同じ意味に扱われることもあります。以下の写真は、腸以外の部位が入っているクルアンナイパローです。参考まで ...

腸以外の部位が入っているクルアンナイパロー
腸以外の部位が入っているクルアンナイパロー

ところで、パローとは、潮州語の打滷 (Pah lou) が語源らしい? 鴨や豚バラ肉などを五香粉、醤油、砂糖などを使って弱火で香りが立つまで柔らかく煮ることを意味するとのこと。そして、カオカームーは、潮州の猪脚饭が源流の料理。タイの華人は、潮州系の華人が圧倒的に多いのです。

興味のある方、以下も参考に願います。