カオモックガイ (ข้าวหมกไก่) とは、南アジアのイスラム教徒の間で生まれたとされるビリヤニを源流とするチキンビリヤニのこと。サフランやターメリックを始め多くのスパイスを使った鶏肉の炊き込みご飯です。なお、多くのタイ人は、イスラム教徒の料理との認識だと思います。実際にカオモックガイの屋台では、イスラム教徒が使うヒジャブと呼ばれる頭に被る布を付けている女性が働いていることが多いのですよ。
カオモックガイは、イスラム教徒の多いタイ南部地方の料理なのですが、バンコクでもフードフェスや街中の屋台で見つけることができます。
以下の写真は、茹でた鶏肉と炊き込みご飯をディスプレイしているカオモックガイ屋台の様子。フードフェスやテントの中の屋台村で見かけることができます。
以下の写真は、街中のカオモックガイ屋台の様子。大きな鍋に入っていることが多いようです。
以下の写真が屋台のテイクアウト用にパック詰めされたカオモックガイの様子。鶏肉は茹でタイプと唐揚げタイプの２種類を用意している場合も多いですよ。なお、唐揚げタイプはカオモックガイトート (ข้าวหมกไก่ทอด) と言います。カオマンガイトートと同じですね。
油で揚げたタイの赤いエシャロットのホームデーン (หอมแดง) や干しエビを添え、カオモックガイ用の甘酸っぱいタレをかけていただきます。
以下の写真がテイクアウトした茹でタイプとお皿に盛り付けした様子。
緑色系のタレが付いていますが、店によっては赤色系のタレの場合もあります。このタレをナムチムカオモックガイ (น้ำจิ้มข้าวหมกไก่) と言います。緑色系はミントやパクチーの色、赤色系は辛味の少ない赤唐辛子の色です。
カオモックガイは、タレも含めて辛くない料理です。中華系の鶏の炊き込みご飯であるカオマンガイと食べ比べてみるのも面白いでしょう。カオモックガイ屋台を見つけたら、挑戦してみてください。
そうそう、カオモックガイはハラールマークのあるハラールレストランのメニューにもあると思います。なお、インド料理としてのビリヤニは、インド料理レストランのメニューにあります。バンコクにはインド系タイ人が多いので、インド料理のレストランもたくさんあるのです。
こぼれ話
カオモックガイの昔ながらの作り方の流れは ...
まず、大きめに切った鶏肉をターメリック、クミン、シナモン、コショウ、塩、生姜、ニンニク、サワーミルク、唐辛子、コリアンダーシード、カルダモン、クローブなどのスパイスで作ったタレに漬け込んでおきます。そして、少々の塩や香り付けのスパイスで軽く下茹でをしたタイ米を別に用意します。
次に、炊き込み用の鍋にタレに漬け込んでおいた鶏肉を鍋底に敷き詰め、別に用意したタイ米をその鶏肉を覆い隠すように重ね入れます。その後、サフラン水と食用油を加えて炊き込みご飯を作る流れです。興味のある方は、文末に昔ながらの作り方の動画をリンクしているので参照願います。
カオモックガイ (ข้าวหมกไก่) のカオ (ข้าว) とは「米」、モック (หมก) とは「覆い隠す」、ガイ (ไก่) とは「鶏」の意味。昔ながらの作り方は、タレに漬け込んだ鶏肉を下茹でしたタイ米で覆い隠すようにして炊き込みご飯を作るので、カオモックガイと呼ばれているのかな？？ なお、作り手のレシピ次第では、スープで炊き込んで作る方法もあることは容易に想像できることです。
以下、タイ公共放送 (Thai PBS) の昔ながらのカオモックガイの作り方の動画。参考まで ...
YouTube ：https://www.youtube.com/watch?v=RwoHv3_OIY0
