路上の屋台で見かけるバナナの葉で包まれている棒状の物体。初めて見る方は「これは何だろう?」と思うはず。大きなお盆やトレーの上に積み重ねられている光景をよく目にします。これはムーヨー (หมูยอ) と言う「豚肉のすり身を蒸して作ったソーセージ」なのです。常温で3〜4日、冷蔵庫で 20 〜 30日は大丈夫らしい??
以下の写真の手前に見える四角にパッキングされている白い物もムーヨーです。
ムーヨーの伝統的な作り方は、コショウやその他の調味料で下味を付けて下処理した豚肉のすり身を腸詰めではなく、代わりにバナナの葉を使って棒状に包み蒸して作るのです。黒コショウを効かせたタイプが多いと思いますが、豚の皮の細切りを練り込んだタイプもあります。その他にも唐辛子やキノコなどを練り込んたタイプもあるようです。コショウの風味の強さや味付け、さらに太さや長さは作り手/メーカーで違いがあります。もちろん価格も ...
なお、スーパーマーケットにもいろいろなメーカーのムーヨーがあります。バナナの葉を使っていないので見た目は完全にソーセージ。冷蔵棚に並べてあるし、衛生面の安心感があるかもしれませんね。
以下の写真は揚げ物系のおかず屋台の様子ですが、油で揚げたムーヨートート (หมูยอทอด) が並んでいることも。トート (ทอด) は「油で揚げる」の意味。太いムーヨーを使うことが多いですね。人気のある調理法です。揚げかまぼこのような感じかな?
以下の写真も揚げ物系の屋台ですが、揚げていないムーヨーも売っています。プレートには、ムーヨーソットプリックタイダム (หมูยอสดพริกไทยดำ) と書いてあります。ソット(สด) とは食べ物の場合「新鮮な/生の/フレッシュ」の意味なのですが、この場合は、調理していない状態を意味するのでしょう。プリックタイダム (พริกไทยดำ) とは「黒コショウ」の意味。だから、黒コショウ入りのムーヨーです。
ムーヨートートは、そのまま、または好みのタレをかけてご飯のおかずに ...
さてさて ...
以下の写真は、とある朝市のムーヨー屋台の様子。ムーヨーウボンライペン (หมูยออุบลไร้แป้ง) と書いてあります。ウボンとは、ムーヨーで有名な「ウボンラーチャターニー県」のこと。ご当地名産品のような感じで使っているのでしょう? ライペンとは「つなぎ粉は使っていない」の意味。カットしてあって中が確認できるし、美味しそうなので買うことに ...
ちなみに、以下の写真がスーパーマーケットで売っているウボンラーチャターニー県の ป.อุบล (Poh Ubon) ブランドのムーヨー。なお、取り扱いのないスーパーマーケットもあります。緑色は「黒コショウ」、ピンク色は「豚の皮」のムーヨーです。参考まで ...
以下の写真が朝市で買ったムーヨーの様子。伝統的な作り方は、豚肉のすり身を直接バナナの葉で巻くのですが、プラシートで包んでからバナナの葉で巻いてありますね。作り手次第とは思いますが、このスタイルの方が衛生的でしょう。
バナナの葉で何重にも巻かれている様子が分かると思います。
ムーヨーは、既に火が入っているのでそのまま食べることができますが、特に冷蔵庫に入れて冷たくなっている場合には、食べやすい大きさにカットした後、湯通しすると良いと言われています。ムーヨーの中の脂肪分が柔らかくなるので口当たりが良くなるのですね。お好みでしょうが ...
同胞諸君、ソーセージのようにいろいろな料理の食材/調理方法でムーヨーを活用するのも面白いですよ。なお、冷凍保存も可能です。
そうそう、ビールのつまみとしてそのまま食べることを考えた時、スーパーマーケットの陳列棚には、もう一つのソーセージのネームがありますよね。さて、貴方はどっち派?
ところで、この豚肉の練り物系の食材ですが、タイには似たようなものがあります。それはルークチン。ボール状にして茹でればルークチン、棒状にして蒸せばムーヨーと言えなくもないでしょう。作り手/作り方次第ですが食感は近いし、食材としての使い方も似ているかもしれませんね。焼いたり揚げたり、ヤムにしたりスープに入れたりと ... 一般的な傾向として、ルークチンは薄味、ムーヨーはしっかり味が付いていると思います。
こぼれ話
一本だけ残った朝市で買ったムーヨー。ムーヨーのヤムでも作ろうかな? ヤム (ยำ) とは「和える/サラダ」の意味。ヤムも人気のある調理法ですね。
ムーヨーの量が足りないのでスーパーマーケットで ส.ขอนแก่น (Sor Khonkaen) ブランドのムーヨー (150g) を買うことに ... こちらも、つなぎ粉は使っていないようです。
緑色の部分には「AUTHENTIC VIETNAMESE SAUSAGE」の文字。「本物のベトナムソーセージ」の意味ですよね。そうなんですよ。ムーヨーは、ベトナムソーセージのチャールア (Chả lụa) が源流なのです。
以下の写真は、それぞれをカットして並べた様子。バナナの葉を外すと大分小さいですね。どちらも黒コショウタイプなのですが、色も味も違います。スーパーマーケットで買った方は味が濃いですね。
以下の写真が完成したヤムムーヨー (ยำหมูยอ) の様子。今回はスーパーマーケットで買ったタマリンドソースのナムチムジェオをベースに、生唐辛子とマナーオの絞り汁などを加えて味を調整して作ってみました。ほんの少しウンセンも入れています。ウンセン (วุ้นเส้น) とは「春雨」のこと。美味しくできましたよ。参考まで。。。