クイッティアオルア (ก๋วยเตี๋ยวเรือ) のクイッティアオ (ก๋วยเตี๋ยว) は「米粉の麺」、ルア (เรือ) は「舟」の意味です。ちなみに、クイッティアオは「粿条」の潮州語の発音が訛っているのですね。運河に浮かぶ舟の中で作る小さな器に入れたクイッティアオが名前の由来。「舟のクイッティアオ」ですね。店先に小舟や舟形のオブジェを置いてある専門店も多いですよ。
クイッティアオルアの器には3〜4口で食べ終わる量のクイッティアオと少ないスープしか入っていないのです。その空いた器を積み上げることがクイッティアオルアの醍醐味。タイのわんこそばですね。
クイッティアオルアは、麺の種類、肉の種類、スープの種類の組み合わせで注文します。
麺の種類は、細麺のセンレック (เส้นเล็ก)、極細麺のセンミー (เส้นหมี่)、太麺のセンヤイ (เส้นใหญ่) があります。
肉の種類は、牛肉 (ヌア:เนื้อ) と豚肉 (ムー:หมู) があります。
スープの種類は、店によってトムヤム (ต้มยำ) やイエンタフォー (เย็นตาโฟ) のスープもありますが、基本は、ナムトック (น้ำตก) のスープです。ナムトックのスープとは、いろいろな香辛料と豚の血が入る辛味と酸味のある醤油ベースの濃い目のスープです。
例えば、センレック・ムー・ナムトックのように注文します。順番は気にしなくても通じます。なお、一般的にナムトックのスープには、センレックまたはセンミーを合わせる方が多いのではと思います。どこの店にもメニューがあるので、基本的にはその中から選びましょう。ナムトックやトムヤムのスープは基本的に辛いので、苦手な方は辛味少なめとか唐辛子抜きの注文も可能です。タイの子供だって辛い物は食べれませんので ...
ところで、クイッティアオルアは、ナムトックのスープが基本なのは何故でしょう。考案者は海南人のようで海南粉(牛肉粉)を参考にしたのだろうと言われています。薄くスライスした牛肉の鮮度を保つために氷を使っていたのです。当然、牛肉の血が混じった水が流れ落ちることに。その血汁を容器に受けてスープに入れることで、スープが美味しくなるのです。だから、ナムトック (น้ำตก) と呼ばれることになったとか。ナム (น้ำ) は「水」、トック (ตก) は「落ちる」の意味。今は豚の血を直接スープに入れるスタイルに変わっていますが、名前はそのままなのです。そして、普通のクイッティアオは豚肉なのですが、クイッティアオルアには牛肉が使われているのです。実際に牛肉を指定する方が多いのですよ。
器には少しばかりの野菜と肉団子が入っています。肉団子は、タイ語でルークチン (ลูกชิ้น) と言います。テーブルには、砂糖、唐辛子、唐辛子のお酢などの調味料が置いてあります。自分で味を調整するのがタイのスタイルです。トッピングに豚皮揚げやワンタンの皮揚げがあります。豚皮揚げはオススメします。豚皮揚げは、タイ語でケープムー (แคบหมู) と言います。ワンタンの皮揚げは、タイ語でギアオトード (เกี๊ยวทอด) と言います。どちらも天かすや天ぷらのような役割ですね。
この日の最初の注文は、豚肉のセンレック・ムー・ナムトックを5つ、牛肉のセンレック・ヌア・ナムトックを5つ注文。とにかく、直ぐに食べ終わる量なので、まとめて注文して置くことをオススメします。多分、女性でも5つは食べれると思います。スープも少ないので、1つ目を食べ終えて残ったスープを次の器に移しながら食べていくのもありですよ。食べ終えた器は重ねていきましょう。トッピングの値段も同じですので、積み上げた器の数で料金が分かります。
冒頭に書きましたが、クイッティアオルアの醍醐味はわんこそば感です。積み上げた空いた器の数に面白みがあります。当然のように恐ろしい強者もいます。強者の写真が貼ってある店もあります。機会があれば、是非、貴方も挑戦してみてください。
さてさて ...
バンコクにはクイッティアオルアの店が並ぶ有名なエリアが BTS アヌサワリー駅の近くにあります。アヌサワリーは、正しくはアヌサーワリー・チャイサモーラプーム (อนุสาวรีย์ชัยสมรภูมิ : Victory Monument) と言います。そこに有名店が2軒あります。「パ ヤク ボート ヌードル ショップ:ร้านก๋วยเตี๋ยวเรือป๋ายักษ์」と「バーン クイッティアオルア トーン:บ้านก๋วยเตี๋ยวเรือทอง」です。メニューが分かりやすく、エアコンがあるので、初心者の方にもオススメします。店への行き方は後述します。
この2店はライバル関係のお店で、それぞれにファンがいるのだろうと思います。どちらも羨ましいほどお客がいます。我が家の嫁は「バーン クイッティアオルア トーン」派です。アヌサーワリー界隈には、この2つ以外にもクイッティアオルアが食べれるお店がたくさんあります。嫁の友人は、この2つ以外の店のファンのようです。
以下の写真が両店のメニューですが、価格はアップする可能性があることを考慮願います。私がタイに住み始めた十数年前は、どちらの店も1杯 10バーツ、何度かの値上げがあり今では 16バーツ。常に値上げも一緒なのですよ。
以下の写真は参考までに「バーン クイッティアオルア トーン」のクイッティアオルアです。
「パ ヤク ボート ヌードル ショップ」と比べて、甘味が強めで辛味が弱めかもしれません。
BTS での行き方
BTS アヌサワリー駅はビクトリーモニュメント側の改札から出ると、そのままスカイウォークが続きます。ビクトリーモニュメントが左手に見える程まで歩くと右手に Victory Hub のビルがあります。スカイウォークから Victory Hub に入ります。スカイウォークと3階フロアが連結しています。3階フロアを入り口から奥に向かって進むとエスカレーターがあります。1階まで降ります。1階フロアを大通りからみて奥に向かって進みます。左手に出口がありますのでビルの外に出ます。その後、右手に道なりに沿って進みコンクリートの橋がある道へ入るように右折します。その橋を渡れば目的のエリア。
この橋を渡れば有名店が2軒あります。向かって右側が「パ ヤク ボート ヌードル ショップ」、向かって左側が「バーン クイッティアオルア トーン」です。
以下に、お店のグーグルマップの URL を書いてみます。お店の情報も見れますので参考にしてください。
Victory Hub (スカイウォークとは3階フロアが連結)
グーグルマップ:https://goo.gl/maps/EeCPRxRHoAm57UNdA
バーン クイッティアオルア トーン (บ้านก๋วยเตี๋ยวเรือทอง)
グーグルマップ: https://goo.gl/maps/uaTrQCCfKL9DH9BH9
パ ヤク ボート ヌードル ショップ (ร้านก๋วยเตี๋ยวเรือป๋ายักษ์)
グーグルマップ:https://goo.gl/maps/eYn8djTfmgZBUpNT7