トムカーガイ (ต้มข่าไก่) のトム (ต้ม) は「煮る」、カー (ข่า) はタイ生姜の「ガランガル」、ガイ (ไก่) は「鶏肉」のこと。トムカーガイは、トムヤムクンと並んでタイを代表するスープ料理であり、作り方が非常に似ている料理でもあるのです。
キノコを入れること、使う香味野菜もトムヤムクンと同じ。酸味はマナーオの絞り汁、辛味は生の唐辛子を使うことも同じ。使う香味野菜とは、ガランガル、コブミカンの葉、レモングラス、ノコギリコリアンダーなど。
しからば、トムヤムクンとの違いは ... エビではなく鶏肉を使うこと、ガランガルを多目に入れること、スープにココナッツミルクを加えることでしょう。そして、トムヤムクンはおかずと言うよりスープの感覚ですが、トムカーガイは使う鶏肉の部位により豪華な鶏肉料理やご飯のおかずにもなりえます。ご飯のおかずとして他の具材を入れたり、味付けを工夫したりとバラエティーも豊富なのです。
以下の写真は、おかず屋台のトムカーガイの様子。鶏の血豆腐が入っていることが多いかもしれません。使っている鶏肉の部位は鶏の足「もみじ」、ティンガイ (ตีนไก่) と言います。
そうそう、トムカーガイはココナッツミルクの白い色のスープなのですが、作り手によりナムプリックパオ (น้ำพริกเผา) やナムマンプリック (น้ำมันพริก) の唐辛子油を加えることもあり、赤い油が浮いているスタイルもあります。使うキノコや鶏肉の部位の違い、トマトを入れたりで多少見た目に違いがあります。
以下の写真がカーですが、普通の生姜と比べ辛味が無く色が白くて硬い特徴があります。トムカーガイには、このスライスしたカーがふんだんに使われるのです。
一般的にトムヤムクンより辛味と酸味がマイルドでココナッツミルクのまろやかさが絶妙な美味しいスープです。ココナッツミルクを加えたトムヤムスープとも言えるのです。トムカーガイは、非常に人気があり、おかず屋台にもタイ料理レストランにもあるメニューです。トムヤムクンより美味しいと感じるかもしれませんよ。是非、お試しください。
ところで、ココナッツミルクやエバミルクを加えたトムヤムクンもあるのですよ。トムヤムクンナムコンと言います。参考まで ...
トムカーガイは自分で作ろう!
私の作り方を紹介してみますので参考にしてください。入れたい食材とその分量は、お好みで調整願います。
スープの素は Lobo ブランドの「Tom Ka Paste」を2袋と Ampawa ブランドの PET のココナッツミルク 500ml を1本を使います。両方ともスーパーマーケットで売っています。さらに水が4カップ(約 800ml)。これで合計で 1300ml のスープになりますよね。Lobo の「Tom Ka Paste」に書いてある説明分量とは多少違いますが、スープですので最後に味を調整すれば良いと考えてください。
以下の写真が、 Lobo ブランドの「Tom Ka Paste」です。このリンクをクリックすると、トムカーガイの作り方の動画が見れますよ。参考まで ...
スープに入れる具材は、
鶏むね肉 (อกไก่):500g 程度
ヒラタケ (เห็ดนางรม):1パック
今回はヒラタケを採用。ヒラタケの方がスープとの絡みが良いと思います。鶏肉とヒラタケは、食べやすい大きさにカットしておきます。ところで、タラートだと鶏むね肉は1羽単位で売っています。早朝のタラートの方が、スーパーマーケットより新鮮で安いかもしれませんよ。
スープ用の香味野菜系は、
カー (ข่า):茎が3〜4本出ている塊
バイマックルー (ใบมะกรูด):10枚以上
タックライ (ตะไคร้):3本
パクチーファラン (ผักชีฝรั่ง):3株
プリック (พริก):10本程度
マナーオ (มะนาว):大1個(絞り汁)
カーはタイ生姜の「ガランガル」 、バイマックルーは「コブミカンの葉」、タックライは「レモングラス」、パクチーファランは「ノコギリコリアンダー」、プリックは「唐辛子」のことです。
以下の写真の中でレモングラス、コブミカンの葉、タイ生姜の3種が赤い輪ゴムでとめられているのが分かりますか?これは1回分のトムヤムスープ用のセットなのですが、多くの八百屋では常に用意してあるものです。トムカースープとトムヤムスープは、同じ香味野菜を使いますのでこのセットが使えます。
左から、マナーオ、トムヤムスープ用のセット、パクチーファラン
なお、このセットだけではカーが足りないので、別に茎が3〜4本出ているひと塊を用意し、すべて使用します。カーのスープなので使い惜しみは無用。以下の写真が用意したスープ用の香味野菜。
さてさて ...
バイマックルーは枝付きの状態です。トゲがあるので注意しましょう。綺麗な葉ばかりではありません。使えそうなところだけをすべて使用します。彩りも兼ねて一部をトッピング用に千切りにします。もし、食べるつもりがあるなら全部を千切りにします。私は柑橘系の香りが好きなのでたくさん入れます。パクチーファランは、3cm程度の長さにカット。
カーとタックライを食べるつもりがあるなら薄くスライスしてください。カーは食べても美味しいですよ。なお、私はスープの中にあるタックライも柔らかいなら食べますよ。
唐辛子ですが、青は火を入れると時間の経過でくすんだ色に変色しますが、赤は変色しません。赤でも青でも好きな分量をお使いください。多少、多目に入れて途中の味見で辛そうなら唐辛子を引き上げることも可能です。
鍋にココナッツミルクの半分程度と「Tom Ka Paste」を2袋を入れて温めながら撹拌、鶏肉を入れて適度に煮始めます。そこに水4カップを加えパクチーファランとマナーオ以外の材料を入れ、鶏肉とひらたけに火が通るまで煮ていきます。一度沸騰したら中火程度の火加減で良いと思います。具材が煮えたと思ったら、パクチーファランと残り半分のココナッツミルクを加えて、スープ全体が均一になるようにかき混ぜます。味見をして、塩味やココナッツミルク感が濃いと感じるなら水を足してください。「Tom Ka Paste」には基本的な味が付いていますが、微調整はナンプラーと砂糖で行います。例えば、ナンプラー大さじ1〜2、砂糖小さじ1程度の追加でも味に締りが出ると思います。マナーオはお好みでどうぞ。マナーオは鍋に入れるのではなく盛り付けた器に入れるのもありですよ。
なお、辛味と酸味を味わうスープであることはトムヤムスープと変わりが無いと思いますので、ある程度の辛味、酸味は必須と思います。器に盛り付けで完成です。
もしお気に入りのトムカーガイができたなら、トムカーガイのスープかけご飯を是非お試しください。私は大好きです。食べ切れない場合は、冷蔵庫で保管し温め直してください。