カオケープ 北部地方のもち米のライスペーパー

カオケープのアイキャッチ タイの食材

ライスペーパーと言えば、ベトナムが有名ですがタイにもあるのですよ。北部地方に伝わるカオケープ (ข้าวแคบ) と言うもち米のライスペーパー。タイの無形文化遺産に登録されているのです。ウッタラディット県のカオケープが特に有名ですが、ターク県やスコータイ県などにもあります。保存食としての知恵から生まれたと考えられているようです。

水で溶いたもち米粉にゴマと少々の塩を入れて生地を作ります。沸騰している鍋の口に薄い布をピーンと張り、その布の上に生地をクレープのように薄くのばし、蓋をして生地を蒸し上げます。カオクリアップパークモーの作り方と同じですね。蒸し上がった生地は太い棒状の道具を使って優しく巻取り、藁などで作った干しすだれの上に並べて天日干しすれば完成。
以下の写真は、カオクリアップパークモーの生地を蒸している様子ですが、カオケープも同じ方法で作ります。

カオクリアップパークモーの生地を蒸している様子
カオクリアップパークモーの生地を蒸している様子

以下の写真は、北部地方のタラートで買った袋詰めのカオケープの様子。

袋詰めのカオケープの様子
袋詰めのカオケープの様子

薄いライスペーパーなので、手が透けて見えます。工場で作った規格通りライスペーパーとは違い、今でも昔ながらの手作りなので、作り手により大きさや厚みに違いがあります。色付けしてあるスタイルもあります。

薄いライスペーパーなので、手が透けて見えます
薄いライスペーパーなので、手が透けて見えます

おやつ感覚で、そのまま食べたり火で炙って食べたりすることが多いようです。我が家の嫁はタイ北部の生まれなので、幼い時には食べていたとのこと。水で戻し柔らかくして食べたりもしたようです。
普通のライスペーパーと同じように、水で戻してから自分の好きな具材を巻いて食べることもできます。なお、ちゃんとした春巻き料理を作る時には、カオケープを蒸し戻してから使うと良いとのこと。

水で戻せば、自分の好きな具材を巻くことも可能
水で戻せば、自分の好きな具材を巻くことも可能

以下の写真は、オーブントースターで焼いたカオケープ。ゴマの香りと優しい塩味、サクサクの食感で実にウマい! 日本の煎餅より美味しいかも?

カオケープ
オーブントースターで焼いたカオケープ

北部地方に行く機会があったら、カオケープを探してみてください。スーパーマーケットで売っている洗練されたライスペーパーとは違い、無形文化遺産の素朴な風味を感じることができるかも?

北部地方のタラートに並ぶカオケープ
北部地方のタラートに並ぶカオケープ

こぼれ話
ベトナムスタイルの米粉のライスペーパーは、タイ語でペンベトナム (แป้งเวียดนาม) とも言いますが、ライスペーパー (ไรซ์เปเปอร์) が一般的でしょう。スーパーマーケットには、いろいろなメーカーのライスペーパーがあります。なお、街中の屋台で売っている生春巻きの多くは、ベトナムスタイルのライスペーパーの皮ではなく、米粉から作るクイッティアオの皮を使っています。