私の好きな料理の一つであるガークムーパットプリックキン (กากหมูผัดพริกขิง) を紹介します。ガークムーパットプリックキンとは「カリカリに揚げた豚の脂身のレッドカレー炒め」です。ガークムー (กากหมู) とは「豚の脂身をカリカリになるまで油で揚げたもの」、パットプリックキン (ผัดพริกขิง) とは「レッドカレーペーストを使った甘くて辛さ控えめな炒めもの」の総称です。レッドカレーペーストを使った炒めものには、パットプリックゲーン (น้ำพริกแกง) と言う料理もあるのですが、こちらは一般的に塩っけのある辛い料理です。
ガークムーとは、豚皮の下にある硬い脂身からラードを作る過程の副産物とも言えるのです。脂身のほどんどはラードになり残った固形物がガークムー。ガークムーのガーク (กาก) とは「残りカス」のような意味だったのです。
ちなみに、薄く小さくスライスした豚皮が付いた状態での調理なら残った固形物はムーグラジョック (หมูกระจก)。グラジョック (กระจก) とは「ガラス」の意味。自身のラードで揚がった豚皮の歯ごたえからグラジョックと命名されたとか? そして、長く大きな豚皮が付いた状態での調理なら残った固形物はケープムー (แคบหมู) です。 ケープムーは大きな塊が一般的。なお、ガークムーとムーグラジョックの線引きは、下処理や脂身の残り具合などで怪しい場合もありますね。
ガークムーは、街中のムートート屋台で見つけることができます。ムートート (หมูทอด) とは「細切りの豚肉に醤油やナンムラーベースの下味を付けて、油で揚げた豚肉料理」の総称です。以下の写真がムートート屋台のガークムーの様子。
以下の写真は、ムートート屋台で買ったカオニャオとガークムーの組み合わせ。ガークムーのカリカリ/サクサクとした食感が何とも言えませんよ。
さてさて ...
このガークムーをレッドカレーペースト (ナムプリックゲーン・ペット:น้ำพริกแกงเผ็ด) で炒め、パームシュガーとナンプラーなどで味を整えて完成。コブミカンの葉 (バイマックルー:ใบมะกรูด) の細切りを入れることが多いようです。
ガークムーパットプリックキンは、おかず屋台で売ってます。しっとり感の中にあるカリカリ/サクサクの食感が何とも言えません。是非お試しください。
なお、ムーグラジョック・パットプリックキン、ケープムー・パットプリックキンもあります。
もう一つのレッドカレーペーストを使った炒めものパットプリックゲーンに興味のある方は、以下を参照のこと。