バンコクの街中の至るところにあるのがムーピン屋台でしょう。ムーピン (หมูปิ้ง) とは「タイの豚の串焼き」です。ムー (หมู) は「豚」、ピン (ปิ้ง) は「焼く」の意味。タイを代表するストリートフードの一つです。朝の通勤/通学の時間帯に合わせて営業する屋台もあります。なお、事前に用意してあるストックを売り切ったら店じまい。
スライスした豚肉に漬けダレで下味を付けた後に串打ち、炭火で焼いて完成。味付けは屋台により違いがあります。甘めが強い/弱い、ココナッツミルクの有り/無し、カレー粉の有り/無しなどなど ... 作り手のレシピ次第でしょう。日本の焼き鳥のタレがお店によって味が違うのと同じです。バンコクのムーピンの味付けは、多少甘めでココナッツミルク入り、カレー粉入りが多いように感じます。なお、ココナッツミルクとカレー粉が強いとムーサテに近い風味になります。ところで、我が家の嫁の田舎の北部地方のムーピンは、ココナッツミルクもカレー粉も使わないので日本の焼き鳥の味に近いですね。タイの北部地方の料理の多くは、ココナッツミルクは使わないのです。
以下の写真のムーピンは、ココナッツミルクもカレー粉も少な目のムーピンです。ボリュームも標準サイズ。
以下の写真は、ムーピンの豚の脂身の様子。この脂身が甘くて非常に美味しいのです。スライスした豚肉に混ぜて硬い脂身を1〜2つほど串に刺すのです。焼き鳥のねぎまのように。この脂身こそがムーピンの醍醐味なのですが、脂身を刺してない残念なムーピンもあります。
屋台では必ずカオニャオも売っています。ムーピンには、やはりカオニャオでしょう。以下の写真のように黒もち米のカオニャオを置いている屋台もありますが、一般的には白いカオニャオです。
ムーピンもカオニャオもビニール袋に入れ、さらに手さげ袋に入れてもらえます。ビニール袋入りのカオニャオは手で揉んで棒状にするとカオニャオが袋から剥がれ食べやすくなりますよ。
それほど多くはないと思いますがイサーン色の強い屋台では、ナムチムジェオ (น้ำจิ้มแจ่ว) やジェオボン (แจ่วบอง) などの甘辛ダレ、激辛ダレ、ペースト状の唐辛子など2〜3種類のつけダレを用意していることがあります。イサーン料理のガイヤーンやコームーヤーンなどの肉料理に付いているつけダレのことです。一般的にムーピンを入れたポリ袋に希望のつけダレも入れてくれます。日本の焼き鳥に七味、山椒や練り辛子など付けて食べるのと同じ理屈ですね。
以下の写真は、近所のムーピン屋台でテイクアウトしたムーピンとカオニャオ。値上げでシステムが変わりました。ムーピン5本セットで 30バーツ、5本未満だと1本 7バーツです。カオニャオの量が多くなって 10バーツ。かつては、1本5バーツ、カオニャオの量が少ないけど5バーツだったのですよ。トホホ ...
最近のバンコクでは、ムーピン1本7バーツ 〜 10 バーツ。1本5バーツの屋台もたまにあるけれど明らかに肉が小さいです。カオニャオも屋台により量と価格が違いますが、一袋分で5バーツ 〜 10 バーツ。やっぱり焼けた肉汁やタレの香りには、ついつい誘われてしまいます。当然、ムーピンは焼き立てが最高でしょ!!
こぼれ話
ところで、メニューにムーピンがあるレストランもありますよ。粉末唐辛子が乗っているムーピンもあったりして ... 以下の写真はイサーン料理系レストランのムーピンの様子。
そうそう、タイの串焼きスタイルの焼き鳥は、ガイヤーンデーン (ไก่ย่างแดง) と言います。何故か?赤い色をしている焼き鳥なのです。
最近のこと。ナムトック味のムーピン屋台も現れました。