おかず屋台やぶっかけ飯屋の定番料理に、鶏肉とたっぷりの千切り生姜を使った炒め物があります。ガイパットキン (ไก่ผัดขิง) と言います。ガイ (ไก่) は「鶏肉」、パット (ผัด) は「炒める」、キン (ขิง) は「生姜」のこと。この料理は千切り生姜を使った「姜絲炒」を源流にもつ中華系の炒め物料理です。
作り方は ...
刻んだニンニク、またはクロック(調理器具の石臼)で潰したニンニクと食べやすく切った鶏肉を炒め、たっぷりの千切り生姜と野菜を加え、少々の砂糖と粉胡椒、オイスターソース、醤油、タイの味噌のタオチオ (เต้าเจี้ยว) で味を調整して完成。加える野菜とは、キクラゲ、タマネギ、日本のわけぎに近いトンホーム (ต้นหอม)、彩りまたは辛味足しのために辛味の少ない大きな赤唐辛子など。なお、タオチオとは、大豆を原料にした発酵食品でとろりとしたタイの味噌です。
以下の写真は、タラートの八百屋のタイの生姜の様子。日本の生姜と風味も辛味も変わりません。
以下の写真は、おかず屋台からテイクアウトしたガイパットキンの様子。
初めてこの料理を食べた時の驚きは忘れられません。「辛!... 何だこれは〜」... 唐辛子の辛さではありません。生姜の辛さなのですよ。千切り生姜がたっぷりと使われている料理であることは見れば分かりますが、てっきり水でさらしてあるものとの先入観があったのですが、完全に違ったのです。生姜の風味を感じるなどのレベルではないですよ。なお、生姜の辛味も大人の味。食べ慣れると、時々食べたくなるのです。同胞諸君、機会があったら、おかず屋台/ぶっかけ飯屋のガイパットキンに挑戦してみてください。
こぼれ話
タオチオは、中華系の空芯菜炒めのパットパックブンなどにも使われます。パットパックブンとタオチオについては、以下を参照願います。