ルークチン (ลูกชิ้น) とは、一般的に「豚肉のすり身のつくね団子」のことなのですが、魚肉のすり身を使ったルークチンもあります。ルークチンプラー (ลูกชิ้นปลา) と言います。プラー (ปลา) とは「魚」のこと。すり身の生地をいろいろな形に成形後に茹でて作ります。タイの「蒲鉾」ですね。このルークチンプラーを油で揚げるとルークチンプラートート (ลูกชิ้นปลาทอด) です。トート (ทอด) とは「油で揚げる」こと。ルークチンプラートートとは、タイの「揚げ天/揚げ蒲鉾」のこと。
街中で見かけるルークチンプラートート屋台では、丸いボール状やサイコロ状、さらに棒状もありますが、ラグビーボールのような形のルークチンプラーを使っていることが多いようです。ラグビーボールの形をしているのでルークチンプラーラグビー (ลูกชิ้นปลารักบี้) と呼ばれています。
ルークチンプラーは、既に茹でてあるので多少の揚げ色がつけば良いのですが、最近は二度揚げしたり、長時間揚げ続けたりして表面がカリカリになるまで揚げるスタイルもあります。ルークチンプラーラブート (ลูกชิ้นปลาระเบิด) と呼ばれています。ラブート (ระเบิด) とは「爆発する/爆弾」の意味。カリカリになるまで揚げ続けると、ボンと弾けて表面に破裂した跡が入ることからの喩えのようです。
甘い、辛い、酸っぱい味の組み合わせの「つけダレ」を付けて食べるのですが、作り手により味に違いがあります。スイートチリソース系の辛味が弱いモノから、辛味に耐性のない方には辛くて耐えられないモノまであります。一般的には、酸味のあるタマリンドソース (ナムマカームピアック:น้ำมะขามเปียก) を使ったナムチムマカームピアック (น้ำจิ้มมะขามเปียก) 系の辛いつけダレが多いかもしれませんね。豚肉のすり身のルークチン屋台と同じと考えてください。ナムチム (น้ำจิ้ม) とは「つけダレ」のことです。
軽く揚げたルークチンプラートートとカリカリになるまで揚げたルークチンプラーラブートは好みが分かれるところでね。そのため。両方を用意している屋台もあります。まだ、食べたことがない方、一度、挑戦してみてください。
ルークチンプラー(蒲鉾)の話
屋台によっては、自身が使っているルークチンプラーを店先に並べていることがあります。油で揚げる前の茹で蒲鉾を袋詰めして販売しているのですよ。火が通っているのでそのままでも食べれるし、いろいろな料理に使うのもありでしょう。
なお、スーパーマーケットには、いろいろな種類のルークチンプラーが売っています。日本と同じように形違いや練り込む具材違いなどで幾つかのスタイルがあります。タイの蒲鉾を食べ比べてみるのも面白いですよ。
そうそう、ルークチンプラーラグビーは、麺料理のクイッティアオ (ก๋วยเตี๋ยว) の具材にも使われています。豚肉のすり身のルークチンは丸いボール状なので見た目で判別が可能です。スタイル違いのルークチンプラーを盛り合わにしたクイッティアもあります。クイッティアルークチンプラー (ก๋วยเตี๋ยวลูกชิ้นปลา) と言います。味や食感の違いが楽しめます。クイッティアルークチンプラーの専門店もあるのですよ。
以下の写真がクイッティアルークチンプラーの様子。揚げていないルークチンプラーラグビーや丸いボール状の揚げ天、棒状の揚げ天のスライスなどが入っています。棒状の揚げ天もよく見るスタイルで、プラーセントート (ปลาเส้นทอด) と言います。
以下は、クイッティアルークチンプラー専門店の自家製ルークチンプラーの作り方の動画。参考まで。
YouTube (DenverThaiTV):https://www.youtube.com/watch?v=pADsadxFVBk
こぼれ話
タイには、レッドカレーペーストを練り込んだ「辛いさつま揚げ」もあります。トートマンプラー (ทอดมันปลาก) と言います。興味のある方は、以下も読んでみてください。