ムートートガティアム (หมูทอดกระเทียม) のムー (หมู) は「豚肉」、トート (ทอด) は「揚げる」、ガティアム (กระเทียม) は「ニンニク」の意味。一般的には「豚肉炒めに揚げニンニクを振りかけた料理」。豚肉炒めの味付けは、砂糖、オイスターソース、醤油がベースで唐辛子は使わずコショウを使うので、あまり辛くはありません。なお、揚げニンニクをガティアムジアオ (กระเทียมเจียว) と言います(後述参照)。ぶっかけ飯屋のおかずにもなっていますよ。
この料理をワンプレートご飯にするとカオムートートガティアム (ข้าวหมูทอดกระเทียม)。カオ (ข้าว) とは「ご飯」のことでフードコートにもよくある人気の料理。唐辛子の辛味に耐性のない方には最適でしょう。辛味の欲しい方はナンプラープリック (น้ำปลาพริก) を使うのが一般的。


ところで、ムートートのトートは「揚げる」の意味。実は、もう一つのスタイルがあるのです。豚肉に醤油やナンムラーベースの下味を付けて、油で揚げた豚肉料理をムートート (หมูทอด) と言いますが、このムートートに揚げニンニクを振りかけたスタイル。もしかしたら、このスタイルが本当のムートートガティアムなのかもしれません。実は、豚肉炒めスタイルならムーガティアム (หมูกระเทียม) と呼ぶのが適切かもしれませんがメニュー名は店次第なのです。ただし、ほとんどの店では豚肉炒めのスタイルをムートートガティアムと呼んでいます。
そうそう、ムーガティアムは家庭でもよく作られる料理。家庭で作る場合には、多めのニンニクを使った「ニンニクの豚肉炒め」が多いかも。なお、ガティアムジアオなし。ガティアムジアオを作るのが面倒だからです。今では自分で作らずともいろいろなメーカー品がスーパーマーケットで買えるので利用するのもあり ...
以下の写真は我が家の「ニンニクの豚肉炒め」のムーガティアムの様子。目玉焼き付き、ガティアムジアオなし。

豚肉以外にも鶏肉やエビ、レバーを使った炒めものやフライとガティアムジアオを組み合わせた料理もありますね。作り方は非常に簡単なので機会があれば自分で作るのも面白いでしょう。
以下は、ウィチット ムクラ シェフが作るムートートガティアムの動画です。参考まで ...
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=BHfa9ujHen0&t=1s
ガティアムジアオとは ...
粒の小さなタイ種のニンニクはガティアムタイ (กระเทียมไทย)、粒の大きな中国種のニンニクはガティアムジーン (กระเทียมจีน) と言います。ガティアムタイを皮付きのままクロック(調理用の石臼)で潰して油でカリカリになるように揚げただけの非常にシンプルなものがガティアムジアオ。ジアオ (เจียว) とは「炒める」の意味。タイ料理では良く使われる食材。中華の油蒜酥に相当します。




スーパーマーケットで売っているガティアムジアオを紹介します。袋詰タイプと瓶詰タイプがあります。
以下の写真の右側が袋詰タイプのガティアムジアオで、左側はホームデーンジアオ (หอมแดงเจียว) です。見た目が似ていますが、ホームデーンジアオはライスしたホームデーンをカリカリなるまで揚げたもの。ガティアムジアオと同じくタイ料理では良く使われる食材ですね。

