日本の夏の和風ゼリーの代表格と言えば、水ようかん。他にもいろいろな和風ゼリーはありますが ... そして、タイらしいゼリーの代表格と言えば、ココナッツミルクやココナッツジュース、パンダンの葉の搾り汁を使ったウンガティバイトゥーイ (วุ้นกะทิใบเตย) でしょう。ウン (วุ้น) は「ゼリー」、ガティ (กะทิ) は「ココナッツミルク」、バイトゥーイ (ใบเตย) は「パンダンの葉」のこと。タイの昔ならがのゼリーなのです。バンコクでもいろいろな場所に朝市が立ちますが、多分、ウンガティバイトゥーイの屋台が見つかるはずです。それなりに人気のあるデザートなのですよ。
以下の写真は古典的なスタイルの2層スタイル。白い部分はココナッツミルクのゼリー、緑の部分はパンダンの葉の搾り汁で色付けしてあるゼリーなのです。
なお、作り手の独自の工夫を凝らしたスタイルが面白いですね。幾つか紹介してみます。
さて、ココナッツミルクとパンダンの葉の絞り汁は、タイのデザート作りにおいて代表的な材料であることは言うまでもありません。白と緑のコントラスト、ココナッツミルクとパンダンの風味の融合、さらに、多くのデザートで見て取れますが、白いココナッツミルクに若干の塩味を加えたとろみのあるソースを上からかけるスタイルは、見た目と味にコントラストを与えるタイのデザートの王道でしょう。例えば、人気のデザート、カノムトゥアイがそうですね。このカノムトゥアイをゼリーに仕立てたのがウンガティバイトゥーイとも言えるのかも ... 甘さの中にココナッツミルクの風味と若干の塩味を感じ取れるタイのデザートらしいゼリーなのです。
以下の写真は、ココナッツジュースで作ったゼリー。タイ語でウンマプラーオ (วุ้นมะพร้าว) と言います。このウンマプラーオも昔ならがのスタイルのゼリー。涼しげで上品さを感じます。緑色の若い椰子の実から取れるジュースがココナッツジュース。透明なジュースです。タイ語でナームマプラーオ (น้ำมะพร้าว) と言います。なお、時々ココナッツの殻を器にした巨大ウンマプラーオを見かけることがあります。
以下の写真は、見た目の楽しさがないからだと思いますが、滅多に見ない白いココナッツミルクだけのゼリー。100%のウンガティ。このスタイルも甘くて美味しいですよ。
ところで ...
パンダンの葉の搾り汁の変わりにチョウマメ (アンチャン:อัญชัน) の花の搾り汁を使えば青色になります。いろいろなデザートに採用されている着色手法です。ウンガティアンチャン (วุ้นกะทิอัญชัน) と言います。なお、着色料を使ったいろいろな色のウンガティもあります。最近はシリコン製の可愛らしいお菓子用の型を使ったウンガティをよく見かけます。タイにもいろいろな形のシリコン型があるので、その形も色使いもサイズも様々。さらには、滅多にお目にかかれないとは思いますが、以下の写真のように創作的な巨大ウンガティまでもが登場。55555 ...
最近のバンコクでは、若い世代の作る工夫を凝らしたウンガティやウンマプラーオが溢れています。タイの伝統的なデザートとのフュージョンもあり、非常に面白いですよ。
例えば、以下の写真は、サリム・ナムガティ (ซ่าหริ่มน้ำกะทิ) とのフュージョン。
以下の写真は、幾層にも重ねたカノムチャンとのフュージョン。色違いの縞模様が面白いですね。
以下の写真は、抹茶とココアパウダーを使ったウンガティ。
なお、タイ人の作るゼリーには、ココナッツミルクまたはココナッツジュースを使うことが不文律のように感じていたのですが、最近はカロリー上の懸念からだろうか? 牛乳を使うタイプもありますね。冷たく冷やしたタイのゼリー、一度お試しあれ!
こぼれ話
凝固剤のゼリーパウダーをタイ語でポンウン (ผงวุ้น) と言います。いろいろなメーカーのゼリーパウダーがありますが、基本的にアガー系。中にはフルーツ風味やココナッツ風味のゼリーパウダーもあるのですよ。
Lobo ブランドには、マンゴー風味やドリアン風味、他にもいろいろな風味のゼリーパウダーがあります。スーパーマーケットで売っています。以下は Lobo のゼリーパウダーの URL です。興味のある方、参考まで ...
https://www.lobo.co.th/ja/category/7/lobo/ผงปรุงอาหารหวาน-dessert-powder