マカームポム 強烈な酸味と渋味のフルーツ(天然の喉の薬なのです)

マカームポムのアイキャッチ タイの果物

マカームポム (มะขามป้อม) なるフルーツ。和名は「ユカン:油甘」、英名は「インディアングーズベリー:Indian gooseberry」、「アムラ:Amla」です。英名が示すようにインド産が有名でタイ産より果実が大きいらしい。マカームポムのマカーム (มะขาม) とは「タマリンド」のこと、ポム (ป้อม) とは「丸い」の意味。マカームポムの葉はタマリンドの葉に似ているが果実は丸いので、その見た目からの命名なのだろう。インド、東南アジアに広く分布している植物で、タイでは中部、北部、北東部に多いとのこと。果実は生で食べることができ、天然の喉の薬なのです。

私の喉の調子が良くないので、嫁がカットフルーツ屋台でマカームポムを買ってきました。砂糖に粉唐辛子が入っているプリックグルアも付いています。森の中で採取した野生のマカームポムらしい。

カットフルーツ屋台で買ってきたマカームポム
カットフルーツ屋台で買ってきたマカームポム

マカームポムのサイズは直径 3.5cm程度、果皮は薄緑色で6つに分かれるように白い筋があります。

マカームポムの様子
マカームポムの様子

マカームポムの食べ方は ...
皮付きのまま食べるので綺麗に水洗いします。個体によっては洗っても取れない黒色の付着物や傷もあると思います。気になる方は、食べる時点でナイフで削ぎ落とすように。初めて食べる方は、隣り合った2つの筋に沿って種にあたるまで2本ナイフを入れ、1/6の果肉を剥ぎ取るようにカットしてください。果肉は結構硬いですよ。注意しながら次の筋にナイフを入れ繰り返し6つの果肉をゲット。慣れてきたなら貴方流でカットしてください。

マカームポムをカットした様子
マカームポムをカットした様子

一度にたくさんの果肉を口に入れずに、少しづつカリカリと食べてみてください。カリカリ梅の食感に近く、非常にジューシです。そのお味は … まずは苦味と強烈な酸味を感じます。その後は口の中が強烈な渋味に襲われます。食べ終わると口の中には甘味だけが残り、しばらくの間その甘味が消えないのです。その状態のままで水を飲むと … 何とナント!水が甘い! 不思議なフルーツなのです。

この酸味と渋味の正体は、豊富に含まれているビタミンCとタンニンです。咳や痰、喉の痛みを抑える効果があるとのことで、タイでは古くから喉の薬、風邪薬とされているのです。マカームポムの咳止めシロップの薬もありますよ。なお、北部地方生まれの嫁が言うには「お坊さんが山に修行に入るときに持っていく」とのことで、喉の乾きを和らげる効果もあるのです。

フレッシュなマカームポムは、街中のカットフルーツ屋台や果物屋台、スーパーマーケットでは見つけることが難しいかもしれませんが、ジュース、シロップ漬け、ピクルス、ドライ果実、乾燥粉末のお茶などの加工品がたくさんあります。なお「มะขามป้อม」で検索すると通販で買えるようです。人気のお茶はチャマカームポム (ชามะขามป้อม) と言います。タイに住んでいる同胞諸君、もし見かけることがあったなら、是非この不思議なフルーツに挑戦願います。

果物屋台で見つけたマカームポムの様子
果物屋台で見つけたマカームポムの様子

こぼれ話
マカームポムは、世界で最もビタミンCの含有量が多い果物だと言われています。マカームポムを絞ったジュースには、オレンジを絞ったジュースの 20倍のビタミンCが含まれているらしい? さらにはビタミンEも豊富に含まれているとのこと。このビタミンCとタンニンの抗酸化作用により老化の原因となる活性酸素から体を守る助けになるのでは?と注目されているフルーツなのです。

近年では、カンチャナブリ、ナコーンパトム、ラーチャブリー、チャンタブリー、ピチット、カンペーンペット、ランパーン、チェンマイ、メーホンソン、プレー、ナン、パヤオなど中部、北部の多くの地域で栽培が行われています。近い将来、街中でも簡単に見つけることができるフルーツになるかもしれませんね。以下、タイ公共放送 (Thai PBS) のナコーンラーチャシーマー県のマカームポムの栽培農家の動画。参考まで ...
YouTube :https://www.youtube.com/watch?v=NWzW1ivr84s