ヤムネーム (ยำแหนม) とカオトート (ข้าวทอด) の2つが融合した料理、ヤムネームカオトート (ยำแหนมข้าวทอด) を紹介します。ヤムネームのヤム (ยำ) は「和える/サラダ」、ネーム (แหนม) は「ひき肉で作った酸味のある発酵ソーセージ」のこと。ヤムネームとは「ネームを使ったタイ風のサラダ」です。カオトートのカオ (ข้าว) は「ご飯」、トート (ทอด) は「油で揚げる」の意味で、カオトートとは「油で揚げたおにぎり」のことなのですよ。
まず、ヤムネームの一般的な作り方は、豚のネーム (แหนม) を食べやすい大きさにカットしたり潰したりして、お好みの香味野菜と生唐辛子や乾燥唐辛子、マナーオの絞り汁、ナンプラーで溶いて砂糖を加えた辛味、酸味、塩味、甘味のあるドレッシングで和えて作ります。
次に、カオトートの一般的な作り方は、普通に炊いた白いご飯にレッドカレーペーストと刻んだコブミカンの葉、さらに細かく削ったココナッツの果肉や豚のひき肉を混ぜ、ナンプラーなどで味を調整しておにぎりにします。その後、おにぎりを水溶き天ぷら粉にくぐらせて油で揚げて作ります。カオトートとは「おにぎりの天ぷら」または「おにぎりのフリッター」と言えなくもないでしょう。外はカリカリ、中はふんわりに仕上げるのです。ちなみに、水溶き天ぷら粉を付けて油で揚げる調理法をタイ語でチュップペントート (ชุบแป้งทอด) と言います。
さてさて ...
ヤムネームカオトートの作り方は、ヤムネームを作る過程でカオトートを潰して混ぜるのですが、一般的には中までカリカリに揚げたカオトートを用い、パクチーやトンホーム (ต้นหอม) などの香味野菜、茹でた豚の皮の千切り、生姜の千切り、ピーナッツを入れたヤムに仕上げます。以下の写真は、ヤムネームカオトート屋台の様子。注文が入ると、必要な材料をボールの中に入れて調理を始めるスタイルです。
以下の写真のボール状の物がカオトート。このカオトートがあれば、ヤムネームカオトート屋台と判断できます。
以下の写真が、テイクアウトしたヤムネームカオトートと皿に盛り付けた様子。自宅にあったキュウリを添えています。
ヤムネームカオトートをそのまま食べたり、ご飯のおかずで食べたりするのも OK ですが、レタス、白菜、キャベツなどの生野菜で巻いたり上に乗せたりして食べるのもあり。
以下の写真は、屋台で付けてもらった枝付きのチャプルー (ชะพลู) の様子。チャプルーは、和名を「這胡椒:ハイゴショウ」と言うらしい。チャプルーの葉は、タイ語でバイチャプルー (ใบชะพลู) と言います。バイ (ใบ) とは「葉」のこと。枝からバイチャプルーを外し、綺麗に水洗いして使います。なお、バイチャプルーを使う料理には、ミヤンカム (เมี่ยงคำ) やミヤンプラートゥー (เมี่ยงปลาทู) があります。
以下の写真は、バイチャプルーの上にヤムネームカオトートを乗せた様子。キュウリとキャベツも ...
以下の写真、バイチャプルーの下に見える黒ゴマの正体は、自宅にあったカオケープ (ข้าวแคบ) と言う北部地方のライスペーパー。ライスペーパー巻きで食べるのもありでしょう。カオケープは機会があったら紹介します。
ヤムネームカオトート、これが実に旨いのですよ。ネームムーと豚の皮、そしてピーナッツの食感、さらにカオトートのカリカリ感と風味、甘い、辛い、塩っぱい、酸っぱいのタイ料理の4大要素と相まって素晴らしいハーモニーを奏でるのです。なお、ヤムネームカオトートは、ヤムネームクルック (ยำแหนมคลุก) やネームクルック (แหนมคลุก) と呼ぶこともあります。
ビールーのお供にも最高です。もし、ヤムネームカオトート屋台を見つけたら、是非挑戦してみてください。
以下の動画は、ウィチット ムクラ シェフが作るヤムネームカオトートの動画。なお、ヤムネームとカオトートを別にして盛り付けています。参考まで ...