カイムックとサークー タイのタピオカパールとサゴパールの話

サークー サゴパール タイの食材

タピオカパール入りのミルクティーは、タイ語でチャノム・カイムック (ชานมไข่มุก) と言う。カイムック (ไข่มุก) とは「真珠」のことだが、タピオカパールを真珠に見立てているのである。

かつて、カイムックを茹でたことがあるが、またしてもカイムックに挑戦したい衝動に駆られたのである。カイムック(タピオカパール)を作るためには、球状に固めたタピオカ粉を茹でることが手っ取り早い。タピオカ粉とは、キャッサバ芋 (マン・サンパラン:มันสำปะหลัง) から作った澱粉である。タイ語でペンマン (แป้งมัน) は、この「キャッサバ芋の澱粉」を指すのである。正確にはペンマン・サンパランである。大きな粒のカイムックを作りたいのだが、近所のスーパーマーケットには、小さい粒しか置いていないのでオンラインショップで探してみることに ...

以前に茹でたことのあるカイムック ブランド名:ปลาไทย
以前に茹でたことのあるカイムック ブランド名:ปลาไทย

すると ... 球状のタピオカ粉は「สาคู」(サークー) なる言葉がキーワードであった。google 検索の画像タブを使う方法が有効なのだが「แป้งมัน」(ペンマン) だけでは粉末のタピオカ粉しかヒットしない。「แป้งมัน สาคู」(ペンマン サークー) だと球状のタピオカ粉がヒットするのである。

さて、サークーとはサゴヤシ (Sago Palm) と言うヤシの木のこと。伐採したサゴヤシの樹幹を細かく粉砕した搾り汁からは澱粉が取れるのである。その澱粉の総称もサークーと呼ぶ。なお、水分を含んでいる澱粉を乾燥する作業が必要となる。その作業には振るいながら乾燥する工程があり、その結果として球状の粒になるのだ。粉末状の澱粉と球状の澱粉の両方が採取できる。この澱粉は薄茶色である。球状のサークーの粒は小さく、一般的には大きさも均一ではない。この球状のサークーを茹でたものがサゴパールである。

サゴヤシの自生地はタイの南部地域のみで、かつ伐採できるサゴヤシが成長するま数年かかるらしい。なお、樹齢 9~10年のサゴヤシが最も澱粉が多いらしい。その上、作る手間は大変なのである。そこで代用品としてタピオカ粉を球状に固めたものが生まれたのである。この代用品がタピオカパールなのである。なお、本物のサークーはタイ語で表すならサークーテー (สาคูแท้) である。

サークーと名の付く料理やデザートがあるが本来はサゴヤシの澱粉が使われていたことが想像できる。例えば、サークーピアック (สาคูเปียก) またはサークーガティ (สาคูกะทิ) と言うデザートがあるのだが、球状のサークーを甘いシロップで茹でてココナッツミルクのソースと合わせたデザートである。また、サークーサイムー (สาคูไส้หมู) と言うお菓子もある。

このような背景を知らないタイ人も多く、サークーはタピオカの澱粉と思っているらしい。片栗粉とジャガイモ澱粉の関係に似ているではないか?? 55555 ...

タピオカパールの茹で方のポイント
大きい粒のタピオカパールを茹でるにはそれなりのコツが必要なのである。タピオカパールの中に芯が残らないように茹でることが難しいのだ。
YouTubeで参考になる動画をみつけたので、その方法のポイントを書き留める。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=OA_tSJ_n0X4

この動画で使っているタピオカパールのブランドは、「สาคูเม็ดใหญ่ ตราปลามังกร 480กรัม」である。サークーメットヤイ(สาคูเม็ดใหญ่) は、大粒のサークーのこと。ブランド名:ปลามังกร (ตงจั่น)

  1. 大きめの鍋でたっぷりの沸騰したお湯にタピオカサークーを入れ 15分程茹でる
    時々撹拌することを忘れずに
  2. 鍋の火を止めてそのままの状態で一晩放置
  3. その後、ザルに移しヌメリを綺麗に水洗いする(2回)
  4. 新たに大きめの鍋でたっぷりのお湯で茹で直す
    適度に撹拌しながら 15分程茹でる
  5. その後、鍋の火を止め一時間ほど蒸らせば完成

本来、タピオカパールは透明感のある白色なのだが、茹で湯に着色料を入れることで色付きのタピオカパールに仕上げることもできる。チャノム・カイムックは黒色のカイムックが多いが、それは黒色に着色しているのである。最近は、台湾から輸入している黒く着色済みの乾燥カイムックも売っているらしい。