タイにもあります切り干し大根。日本で切り干し大根と言えば、煮物系の料理が多いのでは? 特に魚の煮汁で作ったりしますよね。ところが、タイでは卵と一緒に炒めることが多いのです。初めて食べた時は「こんな食べ方もあるのだなあ〜」と驚いたものです。甘めの醤油系の味付けなのです。日本の切り干し大根は大根を切ってから干しますが、タイでは塩を振ってしっかり丸干しした後に砂糖水に漬けて甘味を足すのです。そして、細切りや輪切りにして料理に使うのが一般的。塩っぱい味のままの丸干し大根をタイ語でチャイポー・ケム (ไชโป๊วเค็ม) と、甘味を足したものはチャイポー・ワーン (ไชโป๊วหวาน) と言います。ケム (เค็ม) とは「塩っぱい」、ワーン (หวาน) とは「甘い」の意味。チャイポー (ไชโป๊ว) とは「塩漬け干し大根」のことで、潮州語の菜脯 (caibou) の発音らしい。
以下の写真は、細切りのチャイポー・ワーンを使ったチャイポーパットカイ (ไชโป๊ผัดไข่) の様子です。
どうでしょう? 日本の切り干し大根に見えますよね。歯ごたえも日本の切り干し大根に違いかもしれません。パットカイ (ผัดไข่) とは「卵を使った炒めもの」を表します。パット (ผัด) は「炒める」、カイ (ไข่) は「卵」の意味。故に、チャイポーパットカイとは「チャイポーと卵の炒めもの」を指します。
お薦めが輪切りのチャイポー・ワーンを使ったスタイル。今でこそ日本のたくあんを扱うスーパーマーケットもありますが、以前はタイであの食感を味わうことができませんでした。たくあんの食感に近いものが体験できるのですよ。55555 ...
チャイポーパットカイは、ぶっかけ飯屋やカオトム屋台にあります。カオトム (ข้าวต้ม) とは「お粥や雑炊」のことですが、チャイポーパットカイは定番のおかずの一つです。中華系の味付けで辛味が全くありません。
作り方は至って簡単 ...
丸干しや細切りのチャイポー・ワーンは、スーパーマーケットでも売っています。フライパンに油を入れ、ニンニクのみじん切りなどを炒め、食べやすい大きさに切ったチャイポー・ワーンと卵を炒め、ナンプラーや醤油などのお好みの調味料で味を整えれば完成。使うチャイポー・ワーン自体に味があるので味見しながら調整しましょう。なお、タイのスタイルは甘めに味付けします。そうそう、細く切った麺状のチャイポー・ワーンをチャイポーワーンセン (ไชโป๊วหวานเส้น) やチャイポーセン (ไชโป๊เส้น) と呼ぶこともあります。セン (เส้น) とは「麺」のことですね。自分で作ってみるのもおもしろいでしょう。是非、挑戦してみてください。
以下、チャイポーセンを使ったウィチット ムクラ シェフのチャイポーパットカイの作り方の動画です。参考まで ...
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=TvG2LqzZbW8
こぼれ話
潮州系の料理に干し大根入りの卵焼き「菜脯蛋」なる料理があるのですが、めんどくさがり屋のタイ人気質から今のスタイルのチャイポーパットカイになったのかな? 55555 ...
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