ソムタムプーパラー (ส้มตำปูปลาร้า)、ソムタム (ส้มตำ) にもいろいろな種類がありますが、タイ人に人気のあるソムタムです。
ソムタムプーパラー
ソムタムプーパラーのプー (ปู) とはカニ、このカニは塩水やナンプラーに漬け込んだカニ。
ソムタムプーパラーのパラー (ปลาร้า) とはイサーン料理で一般的に使う魚醤。魚を塩で発酵させて作った魚醤の上澄み液だけの透明感のあるものがナンプラー (น้ำปลา)、上澄み液だけでなく発酵した魚自体も混ざった濁りのあるものがナムパラー (น้ำปลาร้า) です。
ソムタムプーパラーとは、ナムパラーとカニを使ったソムタムです。ちなみに、ナムパラーを使ったソムタムの総称は、ソムタムパラー (ส้มตำปลาร้า) と言います。
ソムタムプーパラーの1皿には1〜2匹のカニが入ります。カニにも幾つかの種類(後述)がありますが、どの種類のカニが使われるのかは作り手次第でしょう。カニの身は甘味があって美味しいので食べる強者もいますが、一般的には食べません。衛生面/安全面からの不安の声もありますが、基本的に食べるのが面倒くさいのですね。だから、カニのエキスや香りがお汁の中に溶け込む程度なのです。
なお、ソムタムプーパラーは、一般的にけっこう辛いソムタムです。
ソムタムの話
ソムタムは作り手/作り方で相当な味の違いがあります。たぶん、ソムタムタイ (ส้มตำไทย) = タムタイ (ตำไทย) のように、ナンプラーしか使わない「ナンプラー系のソムタム」と、ナムパラーのみ、または、ナンプラーとナムパラーの両方を使う「ナムパラー系のソムタム」に分類できると思います。ナムパラーの方がコクや深みがあると思いますがニオイも独特なので、ナムパラーが苦手なタイ人がいるのです。しかし、ナムパラーの美味しさに魅了されるとナンプラーだけのソムタムには物足りなさを感じるのです。だから、ソムタムパラーのファンが多いのでしょう。
なお、ソムタムに入れる具材は何でもありなのですね。いろいろな野菜。カニ、エビなどのシーフード、豚肉や鶏肉、ソーセージ、フルーツなどなど。そして盛り付け方もいろいろ。日本語で表現するなら〇〇入りの青パパイヤのサラダとなるのです。例えば、高級レストランには大きなエビが乗っている高価なソムタムもあるのです。
特別な具材を使ったソムタムでなければ、ソムタムを提供する屋台は街中に溢れています。以下の写真のようなソムタムを作るためのクロックがあればソムタムが作くれます。
さらに大衆食堂から高級レストランまで多くの場所でソムタムを食べることがでます。もちろん味の好みが分かれるところですが、その中には私も含めタイ人がマズイと感るソムタムもけっこうあるのです。レストランもしかりです。 美味しくないソムタムほど最低なタイ料理はありませんね。例えば、味の素がふんだんに使われていたり、甘すぎたり、しょっぱすぎたり、辛すぎたりと。。 私も美味しいと感じるソムタムのお店は数える程しかありません。基本的に美味しいと感じるのは、庶民の行く大衆食堂のソムタムプーパラーなのです。ただし、辛いのが苦手な方はまず無理です。ソムタムプーパラーは基本的に相当辛いのです。タイ人も「ハァハァ」「ヒィヒィ」言いながら食べるのです。辛さの強烈なパンチを浴びて喜びを感じているのですよ。アホですよね 55555 ...
ところで、タイの子供も辛い料理は食べれません。タイの文化として、辛いものが食べれようになること、それは大人への階段を登ることなのです。周りの大人が美味しい美味しいと言って食べているので、最初は無理して食べていたけれど、いつの間にか病みつきになるのです。さらには「辛くないと美味しくない」とのたまうようになるのです。
辛味の中にある旨味を感じるには辛味に対する経験や耐性が必要かもしれませんよ。辛口のカレーライスと同じでしょう。ソムタム、特にナムパラー系のソムタムプーパラーとは、そのような料理です。
そうそう、タイの女性はソムタムパーティーが大好きで、美味しいソムタムを食べに行こうと誘い合うのです。我が家に嫁の友人・知人が集まると、誰かが必ずソムタムの具材を持ってきます。そして、ソムタムを作り始めるのですよ。55555 ...
ソムタムを作るための陶器製のクロックをタイ語でクロックディンパオ (ครกดินเผา) と言います。高価な物ではありませんが、我が家にも9インチのクロックディンパオがあるのです。
辛味の少ない、少し甘味のあるソムタムが好きと言う方、たぶんそれは青パパイヤの千切りが美味しいと感じているのです。そのような方は、自分の好きなドレッシングで食べた方がさらに美味しいはずです。貴方好みの味のソムタム作りに挑戦してみるのも面白いと思いますよ。。。
ナムパラー(イサーン地方の魚醤)
イサーン地方で使う魚醤と言えば、ナンプラーラー (น้ำปลาร้า) です。プラーラーの発音は「パラー」に非常に近いので、ナンパラーまたはナムパラーと言います。ナン (น้ำ) とは水のこと、発音はナーム。だから、ナムプラーやナムパラーの方が発音が近いのです。魚を塩で発酵させて作った魚醤の上澄み液だけの透明感のあるものがナンプラー、上澄み液だけでなく発酵した魚自体も混ざった濁りのあるものがナムパラーです。本来のイサーン地方のナムパラーは、プラーチョン (ปลาช่อน) などの川の魚を使っているはずですが、海の魚を使ったナムパラーもあるようです。今ではナンプラーと同じようにいろいろなメーカーからナムパラーが出ています。以下の写真はスーパーマーケットのナムパラーの棚の様子です。
以下の写真は、人気のあるメーブンラム (Maeboonlam:แม่บุญล้ำ) ブランドのナムパラー、タラートやコンビニでも簡単に見つけることができます。ナムパラーを使ったことが無い方は、このブランドの赤色キャップのナムパラーから始めてみると良いかもしれませんね。
メーブンラムの Web サイトの URL:https://www.phetdamfoods.com/en/
この Web サイトには、ナムパラーの製造ラインの様子やレシピ動画もありますの参考まで ...
ナムパラーはナンプラーと同じように、カイチャオ、炒めものなど、いろいろな料理に使えます。ナムパラーのチャーハンも美味しいですよ。
ソムタムプーパラーのプー(カニ)
ソムタムプーパラーに使われる小さなカニは、プーナー (ปูนา) と呼ばれる田んぼにいる淡水のカニ、プーサメー (ปูแสม)、プーペン (ปูแป้น) と呼ばれるマングローブの林や海岸にいる汽水のカニが多いらしい。綺麗に洗った生のカニを塩水やナンプラーに浸けて処理したカニは、プーケム (ปูเค็ม)、プードーン (ปูดอง) などと呼ばれます。正確に言えばカニの名前を入れてプーナー・ドーンやプーサメー・ドーンと言います。韓国のカンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)のようなものですね。
なお、本格的なプー・ドーンを食べたいなら専門店で買うとか専門レストランで食べることができます。例えば、ヤム・プーペン (ยำปูแป้น)、プーペン・ドーンのサラダです。
プーナーの養殖風景とプーナー・ドーンの DenverThaiTV の動画です。参考まで ...
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=hKGOuXfHmTY
こぼれ話
以下の写真は、ワタリガニのナンプラー浸けです。カニの卵がメインなので、プーカイドーン・ナンプラー (ปูไข่ดองน้ำปลา) と呼ばれています。カイ (ไข่) とは卵の意味。
とうもろこしのソムタムのタムカオポート (ตำข้าวโพด)、生エビのソムタムのソムタムクンソット (ส้มตำกุ้งสด) は、以下を参考に願います。