プラートゥー (ปลาทู) と言えば、フライにした首の折れた魚を想像する方が多いと思う。詳しくは、以下を参照願う。
ところが ...
首が折れていない状態でフライにしたプラートゥーもあるのだ。生のプラートゥーを塩締め/塩漬けしてから油で揚げて作るスタイル。当然しょっぱいのでプラートゥーケム (ปลาทูเค็ม) と言う。ケム (เค็ม) とは「しょっぱい」の意味。水分が抜けているため、うま味が凝縮されたプラートゥーなのだ。
生のプラートゥーのエラの部分から綺麗に内蔵を取り除き、塩漬け、または塩水処理をした後に自然乾燥。その後、小麦粉を軽く付け油で揚げて完成の流れ。なお、素揚げもあり。

以下の写真は、とある朝市で売っているプラートゥーケムの様子(中央)。薄切りのホームデーン (หอมแดง) とみじん切りの唐辛子、マーナオ (มะนาว) が付いている。要はマーナオを絞って食べるのだ。なお、左側は茹でたプラートゥー・ヌン。右側はプラートゥー・ヌンを油で揚げたプラートゥー・トートで、屋台よく見かけるのがこのスタイルだろう。

塩加減は作り方次第であることは言うまでもないが、嫁に言わせると「あまりしょっぱくはない」と言う。嫁は海のない北部地方の生まれなのだが、子供時代に食べていたプラートゥーケムはかなり塩味がキツかったらしい。だいぶ昔のことであり北部地方までプラートゥーを運ぶとなると多目に塩を使うのは当然のことだろう。
同胞諸君、機会があれば一度挑戦願う。程よい塩加減の美味しいプラートゥーケムに出会うとハマるかもしれない代物なのだ。

こぼれ話
油で揚げる前のプラートゥーケムを扱っているスーパーマーケットもある。首が折れていれば普通のプラートゥー。首が折れていなければプラートゥーケムだ。自宅で揚げることが苦にならないのであれは、プラートゥーケムに挑戦するもの面白い。最近のタイには立派な大根も増えている。大根おろしとマーナオの組み合わせはどうだろう。