ココナッツの果肉は、若い時期は透明感があり指で触れると簡単に崩れる程に柔らかく、次第に乳白色のゼリー状、そして白色の硬いゴムのように変化する。この硬くなった果肉を細かく粉砕して搾り取った液体がココナッツミルク。タイ語でガティ (กะทิ) である。ところが、稀に硬く変化しないココナッツがあるだ。自然界ではココナッツ果実 1,000 個に対して 1 ~ 3 個の割合でしかこの現象は発生しないとのこと。この果肉は非常に濃厚で甘みがあり、フワッとした柔らかい食感なので口の中でガティのようになる。この貴重なココナッツをマプラーオガティ (มะพร้าวกะทิ) と呼ぶのだ。マプラーオ (มะพร้าว) とは「ココナッツ」のことで「ココナッツミルクのココナッツ」の意味である。英名は Macapuno (マカプノ) のようだ。
タイでは、今までもマプラーオガティが発生する確率の高い品種を開発している経緯があるのだが、約26年の長い年月を費やした結果、ついに 100パーセントがマプラーオガティになる品種の開発に成功したとのこと。興味のある方は、タイ農務省 (Department of Agriculture) の Web サイトをチェック願う。
URL:https://www.doa.go.th/th/news_release/72392 (2024 年3月28日付)
さてさて ...
デザート屋台でマプラーオガティを見つけ早速購入。以下の写真がデザート屋台のトッピングとして並んでいるマプラーオガティの様子。
以下の写真がテイクアウトしたデザート。タプティムグロープ (ทับทิมกรอบ) またはルアムミット・ナムガティ (รวมมิตรน้ำกะทิ) と呼ばれるデザート。容器の中にはいろいろなトッピングとシロップが入っていて、袋詰めのココナッツミルクが別に付いてくる。このトッピングの中の一つにマプラーオガティがあるのだ。
容器の中に小さな氷とココナッツミルクを入れて準備完了。マプラーオガティは付属のプラスチック製のレンゲでカットできる程に柔らかい。通常の果肉とは全く別モノの食感であり、非常にクリーミーであり、当然ココナッツミルクとの相性はバツグン。
マプラーオガティの食物繊維は、通常のココナッツの果肉の3倍〜4倍。脂肪分は、通常のココナッツの果肉の60%〜50%と低脂肪とのこと。今後の需要が見込まれるとのことで、生産農家も増えることだろう。同胞諸君、マプラーオガティを見つけたら、是非、挑戦してみて欲しい。