ルークチュップ (ลูกชุบ) のルーク (ลูก) とは「子供/小さくて丸いも物」、チュップ (ชุบ) とは「浸す/コーティング」の意味です。トゥアクワン (ถั่วกวน) と呼ばれる「緑豆から作った餡」を野菜や果物の形に整え、竹串などに刺して着色、その後に寒天/アガーでコーティングして作ります。寒天で包んだあんこ玉のようなイメージです。小さな餡玉を寒天でコーティングする作業工程から「ルークチュップ」と呼ばれているのでしょう。彩り鮮やかで見た目にも楽しい、可愛らしいあんこ玉です。私の好きなタイ菓子の一つ、甘さ控えめで寒天の食感とのハーモニーがとても面白いのです。
以前はルークチュップ専門の屋台もたくさんあったと思いますが、最近はあまり見かけなくなりました。いろいろなお菓子を扱っている店や屋台の1アイテムとして見かけることが多いですね。ニンジン、カボチャ、ナス、トマト、リンゴ、ションプーなど ... いろいろな形のルークチュップがあり、一つづづ入れた詰め合わせになっている場合もあります。
以下の写真のように、ルークチュップ専門店やフードフェスなどでは、自分の好きなものを選べるスタイルもありますよ。例えば5個 〜 10個でいくらのようなシステムです。なお、味はどれも同じです。
以下の写真もルークチュップ屋台の様子。大、小の大きさ違いのパック詰めも用意してあります。
ところで、以前と比べて最近は手が込んでいて、飾り付けもありオシャレになったルークチュップが増えたと思います。作り手もいろいろと頑張っているのですね。
以下の写真は、最近見かけた変わり種のルークチュップ。頑張り過ぎでは? 55555 ...
日本の餡はあずきの餡が多いですが、タイの餡は緑豆の餡が多いのです。皮を剥いた緑豆 (トゥアキアオ:ถั่วเขียว) を蒸し、すり潰してココナッツミルクと砂糖を合わせ、かき混ぜながら煮詰めて作ります。緑豆の餡だけで作ったお菓子をカノムトゥアクワン (ขนมถั่วกวน) と言います。興味のある方は以下も読んでみてください。
こぼれ話
アユタヤ時代、ポルトガル料理を参考に幾つかの代表的なタイのデザートを創作したとされる女性がいました。タイデザートの女王と呼ばれている日系人のターオ・トーンキープマー (ท้าวทองกีบม้า) です。ルークチュップは、彼女が考案したお菓子の一つらしい。