タイのお菓子 カノムクイチャイ(ニラだけではないぞ!)

カノムクイチャイ タイのお菓子

カノムクイチャイ (ขนมกุยช่าย) のカノム (ขนม) は「お菓子」、クイチャイ (กุยช่าย) は「ニラ」なので直訳すると「ニラのお菓子」です。この「ニラのお菓子」の由来は、中華の「韭菜粿」のような「ニラ饅頭」が源流だからですね。カノムクイチャイは、タピオカ粉と米粉などを捏ねて生地を作り、その生地で「ニラ」や他の具材を包んで饅頭状にした後に、または生地に具材を練り込み形成した後に蒸して作ります。そのため、生地にはモチモチの食感があります。その後、油で揚げたり、焼いたりするスタイルもあります。このようなお菓子の総称をカノムクイチャイと呼ぶのです。

カノムクイチャイ
カノムクイチャイ(韭菜粿)
カノムクイチャイ ニラがたくさん入っている様子
ニラがたくさん入っているニラ饅頭です

以下の写真は、饅頭スタイルのカノムクイチャイ。街中で大きな鍋に入れて売っている店を良く見かけます。白緑色は「ニラ」、白黄色は「タケノコ」、ピンク色は着色している「クズイモ(葛芋)」、白茶色は「タロイモ」です。生地は透明感のある白色なので、中の具材の色が透けているのです。

カノムクイチャイ
街中で大きな鍋に入れて売っているカノムクイチャイ

この店のカノムクイチャイは、直径6〜7cm程度のサイズで、どの具材でも値段は同じ。サイズや値段は店によって異なります。3つで 20バーツなので、3つ購入した様子。

カノムクイチャイ
購入したカノムクイチャイの様子(つけダレ付き)

以下の写真は「タケノコ」「クズイモ」の具のカノムクイチャイの様子。ところで、カノムクイチャイ同士がくっつかないのは、表面に食用油が塗ってあるからです。ちなみに、クズイモは、タイ語でマンゲーオ (มันแกว) と言います。

カノムクイチャイ
カノムクイチャイの「タケノコ」「クズイモ」の具の様子

以下の写真は「タケノコ」のカノムクイチャイを割った様子。美味しいのでオススメです。

「タケノコ」のカノムクイチャイを割った様子
「タケノコ」のカノムクイチャイを割った様子

以下の写真は、別な店の一口サイズの団子スタイルのカノムクイチャイ。緑色は「ニラ」、オレンジ色は「ニンジン」、茶色は「タロイモ」です。

カノムクイチャイ
一口サイズの団子スタイルのカノムクイチャイ

店側の決めた個数をパック詰めにして売っているのが一般的。タレと楊枝や竹串が付いてきます。

カノムクイチャイ
パック詰めされたカノムクイチャイ

以下の写真は「タロイモ」のカノムクイチャイ。

カノムクイチャイ
「タロイモ」のカノムクイチャイ

以下の写真も一口サイズのカノムクイチャイなのですよ。鼓型とでも言えばよいのだろうか? 具を生地で包んで丸く丸めた後に、親指と薬指で挟むように手のひらに乗せて人差し指と中指で握ることで形を作っていると思うのだが、、たぶん ...

鼓型のカノムクイチャイ(蒸す前の状態)
鼓型のカノムクイチャイ(蒸す前の状態)

以下の写真は、生地に具材を練り込んだスタイルのカノムクイチャイ。大きな平バットに生地を流し入れてから蒸し上げ、小さく切り分けるのです。このスタイルの場合は、その後に油で揚げたり、焼いたりするタイプもあります。

カノムクイチャイ
生地に具材を練り込んだスタイルのカノムクイチャイ

以下の写真のような変わり種のカノムクイチャイを売っている店も。何とナント ... 干しエビの具なのですよ。ここまで来ると「ニラ饅頭」とは言えないでしょう 55555 ...

カノムクイチャイ
干しエビを練り込んだスタイルのカノムクイチャイ

街中の屋台でよく売られているのが、小さく切り分けたカノムクイチャイを油で揚げたタイプ。中の具材は「ニラ」の店が多いですね。カノムクイチャイ・トート (ขนมกุยช่ายทอด) とも呼ばれています。トート (ทอด) は「油で揚げる」意味。タレと楊枝や竹串が付いてきます。外はカリカリ、中はモチモチの食感が楽しめます。

カノムクイチャイ
カノムクイチャイ・トート

以下の写真は、カノムクイチャイのナムチム (น้ำจิ้ม) です。つけダレをタイ語でナムチムと言います。作り手のレシピ次第で味が違いますが、甘い黒醤油のシーユーダム (ซีอิ้วดำ)、お酢、砂糖がベースで、普通の醤油や塩などで味を調整します。その多くは甘酸っぱい醤油味です。タイでは、黒醤油や黒酢を使ったナムチムは中華系の料理に使うこと多いですよ。以下の写真には唐辛子が入っていますが、唐辛子が入ってないナムチムもあります。子供など辛いのが苦手な方を考慮しているのかな?

カノムクイチャイ ナムチム
カノムクイチャイのナムチム(唐辛子入り)

カノムクイチャイは、基本的にどの具材でも甘味のある味付けです。大きなサイズの饅頭スタイル以外なら、歩きながらでも食べることができるので、小腹が空いた時などには重宝します。その点を考えるなら、カノム(お菓子)ですね。なお、大きなサイズの饅頭スタイルのカノムクイチャイは、ご飯のおかずにもなりますよ。ただし、つけダレは、甘くない酢醤油+ラー油などの方が良いかもしれませんね。街中で見かけたら、挑戦してみてください。美味しいですよ。

こぼれ話
例えば、ヤワラー(バンコクのチャイナタウン)のような中華系コミュニティーでは、ピンク色のカノムクイチャイも一緒に売っている店を見かけます。アントークアイ (อั่งถ่อก้วย) と言うらしい。中華潮州系の「红桃粿」が源流のようで、「红桃粿」の発音からタイ語表記でアントークアイになったようです??
生地をピンク色に着色してから餡を包んだ後、押し型に入れて成形してから蒸すのです。餡は「ニラ」が多いようですが、「タケノコ」などの他の餡もあるとのこと。

ピンク色のカノムクイチャイ
ピンク色のカノムクイチャイ