ロートチョンナムガティ (ลอดช่องน้ำกะทิ) は、タイの伝統的なデザートの一つです。ロートチョン (ลอดช่อง) とは「米粉と緑色のパンダンの葉の搾り汁で作られた麺の一種」、ナムガティ (น้ำกะทิ) とは「パームシュガーで甘味を付けたココナッツミルク」のこと。
ロート (ลอด) は「くぐり抜ける」、チョン (ช่อง) は「穴」の意味。米粉ベースの生地を5mm 程度の穴のあいた容器/調理器具の穴を通して作るからロートチョン (ลอดช่อง) なのでしょう。クイッティアオ(米粉の麺)の一種とも言えそうですね。
ロートチョンの作り方ですが ... 作り手によっては、米粉以外にタオヤイモム粉 (ペンタオヤイモム:แป้งท้าวยายม่อม)、またはタピオカ粉や緑豆粉を入れたりするようです。パンダンの葉の搾り汁を混ぜたゆるい生地を弱火でゆっくりとろみが出るまで火入れをしてからロートチョンして冷水に垂れ流して作ります。作り手によって太さや長さ、使う粉の配合率で食感や透明感に違いがあるようです。
そうそう、ロートチョンがナムガティへ溶け出さないようにナムプーンサイを生地に混ぜるテクニックがあるらしい。ナムプーンサイとは、アルカリ性の石灰水です。
緑色はパンダンの葉の絞り汁、黄色はカボチャのペースト、白色はミルクで色付けしてあるかも。いろいろな色のロートチョンがありますが、食用の着色料を使う場合もあるようです。なお、色付けしないとクイッティアオのような色のロートチョンに仕上がります。
他にも、こねた生地を押し出しながらロートチョンして茹で上げる方法があるようです。なお、短いうどんのようなの形状なら、ロートチョンせずにシート状の生地を麺切りの要領でカットしてから茹で上げたタイプだと思います。
以下の写真は、ココナッツミルク系のデザート屋台の様子。ロートチョンとサリム (ซ่าหริ่ม) を並べて売っていることも多いですね。
テイクアウトは、ロートチョンとナムガティを別々に袋詰。冷蔵庫に入れて置くと袋の中のナムガティは二層に分離し、さらに何やら固形物が ... 固形物はココナッツミルクの脂肪分が固まってしまっただけなので気にしない。袋のまま良く振って混ぜれば問題なし。器にロートチョンを入れ、ナムガティを注いでロートチョンナムガティの完成です。氷を入れて冷たくするもあり。
以下の写真は、黒もち米のトッピング入りのロートチョンナムガティ。黒もち米は、カオニャオダム (ข้าวเหนียวดำ) と言います。タイでは、ナムガティ系のデザートにもち米を入れる場合がよくあります。小腹が空いた時には重宝するトッピングです。例えば、カオニャオ・トゥアダムもその一つ。その他にもいろいろなトッピングを入れるのもありでしょう。
以下の写真はプラの容器入りのロートチョンナムガティです。緑色と白色の2色のロートチョン、さらにタイのメロン (テーンタイ:แตงไทย) が入っています。
ところで、好みのトッピングと削った氷をココナッツミルクに入れて食べる冷たいデザートがあります。ルアムミット・ナムガティ (รวมมิตรน้ำกะทิ) と言います。一般的にルアムミット・ナムガティのお店にはトッピングの一つにロートチョンがありますね。ルアムミット・ナムガティに興味がある方は以下も読んでみてください。