見た目がお花のように綺麗な上に材料費が安いので昔はとても人気があり、結婚式や新築祝いなどのお祝い事にも用いられた伝統あるお菓子。カノムドークジョーク (ขนมดอกจอก) と言います。しか〜し、最近では見つけることが難しく、若い世代は知らない方も多いようです。
以下の写真は、偶然にも引き売りのお菓子屋台で見つけたカノムドークジョーク。5個入りで 20バーツ。安いですね。
このカノムドークジョークは、生地が非常に薄く簡単に壊れてしまうタイプ。
以下の写真は、いつもなら扱っていないお菓子屋のカノムドークジョーク。この日に限って売っていたので購入。5個入りで 35バーツ。こちらは、生地に厚みがあるタイプです。
さて、どのようにしたら花が咲いたようなお菓子が作れるのだろう?
専用の金属型が必要なのですが、材料と作り方が分かれば、実は簡単に作れるのですよ。
材料と作り方は、米粉、タピオカ粉、卵、パームシュガーまたはグラニュー糖、ココナツミルクとナムプーンサイなるアルカリ性の石灰水で溶いたゆるいパンケーキのような生地を作り、その生地の中にドークジョークの金属型を浸して型の表面に生地を付けます。金属型ごと揚げ油の中に入れて適度なタイミングで金属型に振動を与えると生地だけが剥がれ落ちるのです。生地に火が通ったら油から取り出し、完全に固まる前にぐい呑のような物を利用して中心を持ち上げると綺麗に花が開きます。作り方の YouTube 動画、参考まで。。。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=J0JvBMDcvMA
材料と作り方が分かれば、味と食感は想像できますよね。生地が薄ければサクサクに揚がりますが簡単に壊れてしまいます。生地が厚ければ、揚げクッキーの食感に近くなります。売り手からすれば簡単に壊れるので扱い難いし、健康志向が高まっている買い手からすれば油っぽいなどの理由からなのか最近は姿を消しているようです。西洋スタイル、日本スタイル、オシャレなお菓子やデザートが溢れているバンコク、タイ人のお菓子やデザートへの意識の変化は驚くものがあります。
そうそう、カノム (ขนม) は「お菓子」、ドークジョーク (ดอกจอก) は、和名をボタンウキクサ (牡丹浮草:Pistia) と言う小さな浮草こと。生地を油で揚げて作る様子が、ドークジョークが水面に浮かんでいる様子に似ていることからのネーミングだろうか??
こぼれ話
ドークジョークの金属型のは、ピムカノムドークジョーク (พิมพ์ขนมดอกจอก) やピムドークジョーク (พิมพ์ดอกจอก) で検索すると Shopee や Lazada の通販で買えます。型の複雑さや大きさにもよりますが 250バーツ前後のようです。このお菓子、小さな子供は喜ぶでしょうね。挑戦してみたい方を応援します。
似たような風味と食感のお菓子にトーンムアンがあります。トーンムアンもタイの伝統的なお菓子ですが、油は使わずにカリカリに焼いたスタイル。今でも人気のあるお菓子です。