マックルー (มะกรูด) とは東南アジア原産の柑橘類植物の一種。果実の表面にたくさんのシワがあり、瘤(こぶ)がたくさんあるように見えるので和名は「コブミカン」。その果実の皮と葉には柑橘系の強い香りがあり果汁には強い酸味もあります。タイ料理の材料としてよく使われます。果皮はカレーペーストに練り込まれことが多く、葉はトムヤムクン、トムカーガイ、チムチュム、カボチャの煮物のゲーンファクトーンなどのスープや煮込み料理の風味付け、さらに塩焼き魚の香り付けや臭み消しにも使われます。なお、コブミカンの葉はバイマックルー (ใบมะกรูด) と言います。バイ (ใบ) は「葉」のこと。

さて、バイマックルーはタラートの八百屋やスーパーマーケットで簡単に見つけることができます。なお、レモングラスのタックライ (ตะไคร้)、ガランガルのカー (ข่า)、そしてバイマックルーの3種がセットで売られていることも多いですね。トムヤムクンを始めタイを代表するスープには必須バーブなのでセット売り。このセットは八百屋やスーパーマーケットでは常に用意してあるものなのですよ。




ところで、売られているバイマックルーには緑色が濃くて硬い古い葉と緑色が薄くて柔らかい若い葉があります。古い葉の方が香りが強いですね。そのため、料理に応じて使い分けるのもあり。好みにもよりますが、香りを楽しむトムヤム系のスープには古い葉を、葉も食べるような煮込み料理には若い葉が良いのかもしれません。

なお、バイマックルーは生食も可能なので千切りにしていろいろな料理に合わせるのもあり。彩りにも使えます。安い食材なのでいろいろと工夫して利用してみてください。バイマックルーの風味があるだけでタイ料理ぽくなりますよね。
以下の写真は、我が家にストックしているバイマックルーの様子と我が家で作ったチムチュムの煮えた具材の上にバイマックルーの千切りを合わせた様子。参考まで ...


こぼれ話
酸味は、コブミカンの果汁にあるのです。コブミカンの酸味を利用した代表的な料理にゲーンテーポー (แกงเทโพ) があります。空芯菜と豚肉をレッドカレーペーストとココナッツミルクを使って煮込んだ酸味のあるスープ。コブミカンの果実をカットしてまるごと使うので、酸味と風味が楽しめます。ゲーンテーポーは、おかず屋台やぶっかけ飯屋にあります。

なお、コブミカンの独特の香りは果皮にあるので、果皮を綺麗に剥いてから搾れば、マナーオのように使えるとの話もあり。