最近流行りの小さなパイナップル サパロットプーレーとは?

サッパロットプーレー タイの果物

パイナップルはタイ語でサパロット (สับปะรด) と言い、カットして袋詰めスタイルのポンラマーイ屋台の定番の一つ。ポンラマーイ (ผลไม้) とは「果物」のこと。栽培品種もたくさんあり、タイ国内で広く栽培されています。有名産地名の付いたパイナップルもあるのです。一般的にポンラマーイ屋台では、パイナップルの皮を剥き目を取って、縦半分または4分の1などにカットしてガラス張りの保冷ボックスに入れてあったり、既にカットして袋詰めされている状態が多いので、相当パイナップルに詳しい方でないと品種/産地は分からないでしょう。と言うより一般人は気にしていないのが正解。 55555 ... なお、一般的な傾向として同じ時間帯に同じ場所にいる屋台なら収穫時期にあった美味しい品種/産地のフルーツを提供してくれると思いますよ。

ポンラマーイ屋台
ポンラマーイ屋台

ところで、素人でも分かる品種があるのです。それはバンコクでも最近よく見かけるようになったサパロットプーレー (สับปะรดภูแล) なる品種。その果実は、握りこぶし程のサイズで皮を剥き目を取るとマグカップにスッポリ収まるくらい小さいので、丸い状態のまま売っていることが一般的なのです。

マグカップにスッポリ収まるサパロットプーレー
マグカップにスッポリ収まるサパロットプーレー

芯まで食べれるので手に持ってそのまま齧り付くことができるスタイルで売っていることも ...

手に持ってそのまま齧り付くこともできるサパロットプーレー
手に持ってそのまま齧り付くこともできるサパロットプーレー

以下の写真は、街中の屋台や屋台フェスで売られているサパロットプーレーの様子。丸い状態のままで3〜5個の袋詰めで売られていることが多いでしょう。サパロットプーレーのみを売っている専門性の高い屋台がほとんどかな? サパロットプーレーを丸い状態で保冷ボックスに入れているポンラマーイ屋台を見かけたことがあるような/ないような? 記憶が定かではないですね。想像ですがキロ単価が高いのでポンラマーイ屋台では扱い難いのかも ... 他にも美味しいパイナップルはあるし ...

屋台で売られているサパロットプーレー
屋台で売られているサパロットプーレー
屋台フェスで売られているサパロットプーレー
屋台フェスで売られているサパロットプーレー

以下の写真は、専門屋台の皮付きのサパロットプーレーの様子。皮を剥く前のストック。ところで、バンコクの街中で皮付きのままのパイナップルを売っている果物屋台は少ないと思いますよ。何故って、パイナップルの皮を剥いて目を取る面倒な作業をせずとも、ポンラマーイ屋台で直ぐに食べれる適量分を簡単に買えるからでしょう。スイカのように半分残しは難しいし、自宅でゴミを出さずに済むし ...

皮付きのサパロットプーレーの様子
皮付きのサパロットプーレーの様子

サパロットプーレーの出生の話 ...
プーケットや南部地方で栽培されているサパロットプーケット (สับปะรดภูเก็ต) なる若干小ぶりな品種があるのですが、チェンライ県のナンレー地区に持ち込んで栽培を始めたところ、ナンレー地区の気候風土のためなのか、小さく美味しいパイナップルが誕生したのです。この偶然の産物がサパロットプーレー。プーケットとナンレーの両方の地名からプーレーと命名したとのこと。以前からナンレー地区は、サパロットナンレー (สับปะรดนางแล) なる人気のある品種のパイナップルの栽培が盛んだったのですが、現在では、そのほとんどが姿を消し、サパロットプーレーに切り替わっているらしい?
遠い昔のこと。嫁の田舎(北部地方)の道路でパイナップルのトラック売りの風景を思い出します。大きなサイズと小さなサイズのパイナップルの両方を売っていたのですが、多くの方は大きいサイズのパイナップルを買っていた記憶。多分、大きいサイズはサパロットナンレー。小さいサイズはサパロットプーレーだったのでしょう。この時が、私が小さなパイナップルを初めて見た時だと思います。あまりにも小さいので「食べるところがあるのかよ」と半分小バカに。55555 ... 今では、人気が出て生産量が増えバンコクでもよく見かけるようになったのです。

以下の写真は、街中の屋台で買ったサパロットプーレー。3個で 50バーツ也。

屋台で買ったサパロットプーレー
屋台で買ったサパロットプーレー

唐辛子、砂糖、塩の入ったプリックグルア (พริกเกลือ) が付いてきます。なお、丸かじりは難しいので現実的にはカットして食べるようになりますよ。55555 ...

サパロットプーレーにもプリックグルアが付いてきます
サパロットプーレーにもプリックグルアが付いてきます

さて、サパロットプーレーお味ですが ...
最近のバンコクのポンラマーイ屋台で売っている生食用のパイナップルは、以前にも増して甘くジューシーな品種が多いのですが、それと比べると、甘さとジューシーさでは残念かな。なお、多少の酸味を感じます。タイ人は多少の酸味を好む方もいるので、好みの分かれるところですね。小さくて可愛いので写真映えは最高でしょう。
多分、タイにはご当地パイナップルがたくさんあるので、まだ食べたことのないタイの方もたくさんいると思いますよ。バンコクはタイ国内中の美味しい果物が集まる大都会。チェンライに行かずともサパロットプーレーが食べれます。見つけたら、是非挑戦してみてください。

こぼれ話
タイには GI (Geographical Indication) 制度なるものがあります。農業および農産加工品をはじめタイ全国の名産や特産など、その土地で育まれた地域ブランドの価値を保護する制度です。製品/生産品の品質が保証された地域ブランドですね。パイナップルにも、今回紹介したサパロットプーレーをはじめ、サパロットシーラチャー (สับปะรดศรีราชา)、サパロットプーケット (สับปะรดภูเก็ต)、サパロットトラートシートーン (สัปปะรดตราดสีทอง) などがあります。
興味のある方は、タイ国政府観光庁 (TAT) 「amazing THAILAND」の以下の URL を参照のこと。タイの各地域の GI 認定のパイナップルも分かりますよ。
https://www.thailandtravel.or.jp/gi-product/

以下の写真は、GI 認定のラーチャブリーのサパロットバンカー (สับปะรดบ้านคา) なる品種。下に写っているソムオー (ส้มโอ) と比べれば、この品種も小さいパイナップルであることが分かると思います。サパロットバンカーは美味しいですよ。

小さい品種のサパロットバンカー
小さい品種のサパロットバンカー

そうそう、オートーコー市場 (Or Tor Kor Market) のパイナップル専門店なら、いろいろな産地のパイナップルを売っていると思います。

オートーコー市場のパイナップル専門店
オートーコー市場のパイナップル専門店