タイの赤いエシャロットは、ホームデーン (หอมแดง) と言います。タイの食文化おいて独特な風味や香り付けのためには、無くてはならない食材の一つでしょう。東北部や北部地域で盛んに栽培されているようです。近隣諸国への輸出もしているとのことで、タイでは重要な農産物の一つ。特にシーサケート県産が有名でホームデーンシーサケート (หอมแดงศรีสะเกษ) なる GI 認定を取得しているようです。GI 認定に興味のある方はサパロットプーレーを参照願います。
生のホームデーンは、レッドカレーやグリーンカレーなどの風味/味のベースとなるカレーペーストには必ず使われる食材。ナムプリックパオやナムプリックオーンのようなナムプリックもしかり。さらには、ラープムーやヤムプラードゥックフーのようなヤム料理にも使われます。
以下の写真は、ナムプリックを作るときの食材を売っていると思われる屋台の様子。ホームデーンやニンニク、唐辛子は一度焼いてから使うことが多いのですよ。
また、スライスしたホームデーンをカリカリなるまで揚げたホームデーンジアオ (หอมแดงเจียว) があります。ジアオ (เจียว) とは「炒める」の意味。ホームジアオ (หอมเจียว) でも通じます。このホームデーンジアオも生牡蠣やカオモックガイ、カノムモーゲンなどの料理やお菓子のトッピングに使われます。香ばしさがプラスされて美味しいですね。
生のホームデーンは、タラートの八百屋やスーパーマーケットの野菜コーナーで簡単に見つけることができます。葉を束ねた状態の一束売り、袋売り、量り売りなど様々です。
ホームデーンジアオもいろいろなメーカーから発売されています。多少の塩味が付いていることが多いと思います。スーパーマーケットで売っていますよ。料理のアクセントにも使えます。
以下の写真は、ホームデーンの皮を剥いた様子とスライスした様子。皮が剥いにくい時は、水に浸してみてください。皮がふやけて剥きやすくなりますよ。
以下の写真は、最近よく用意する我が家のナムチムジェオのスライスしたホームデーンの様子。我が家の嫁はタマネギよりホームデーンが好きとのことで、ホームデーンを使うようにしています。なお、ホームデーンありきのタイ人には、タマネギでは納得いかない方が多いと想像できますよね。
以下、タイ公共放送 (Thai PBS) のホームデーンの収穫から出荷までの作業の様子が分かる動画。参考まで ...
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=bwfj_tJL5H4
こぼれ話
タマネギは、タイ語でホームヤイ (หอมใหญ่) やホームフアヤイ (หอมหัวใหญ่) と言います。赤タマネギはホームケーク (หอมแขก) やホームフアヤイシーデーン (หอมหัวใหญ่สีแดง) と呼ばれています。なお、ケーク (แขก) は「インド」、シーデーン (สีแดง) は「赤色」の意味。だから、ホームケークは「インド種のタマネギ」のこと。ホームデーンより安いかな?
洋食系のレストランやパブ系のサラダには、この赤タマネギが使われることが多いですよ。赤タマネギは、ホームデーンより刺激臭が弱く、甘味が強いですね。
以下の写真は、種類の違うタマネギの様子。なお、左上はホームデーン。参考まで ...