パッションフルーツをタイ語でサワロット (เสาวรส) またはカトックロック・ファラン (กะทกรกฝรั่ง) と言います。カトックロック (กะทกรก) とは、和名トケイソウ(時計草)のことで、ファラン (ฝรั่ง) とは「西洋の」を意味する言葉。よって、カトックロック・ファランとは「海外から持ち込まれたトケイソウ」と解釈できます。パッションフルーツは、トケイソウの仲間なのです。その名が示すように、1955年頃のこと、北部地域で試験的に栽培するためにパッションフルーツを輸入したらしい。その後、王室のロイヤルプロジェクト (Royal Project Foundation クロンガーンルアン:โครงการหลวง) に指定され、タイでも良質なパッションフルーツが生産できるようになったのです。なお、このロイヤルプロジェクトの管理下にあるパッションフルーツは、クロンガーンルアン・サワロット (โครงการหลวงเสาวรส) と呼ばれているのです。
さてさて、
街中の果物屋台やスーパーマーケットには紫色の生食用のサワロットが並ぶ季節になりました。たぶん年明けの1月頃までかな?? 基本的にサワロットは酸っぱい果物のため、その多くはジュースなどの加工用になるのです。幾つかの品種があるのですが、生食用のサワロットは甘味がある紫色の品種です。
サワロットは、購入後すぐに食べても良いのですが、追熟すると甘みが増すのです。表面にシワが出てきたら食べ頃で、酸味が和らぎ甘みも強くなるのです。
以下の写真は食べ頃になったサワロットのパック詰めの様子。シワが出てきたサワロットは商品価値が下がるので一般的に値段も安くなっていますよ。
サワロットを真ん中から2つにカットし、種のまわりのゼリー状のものをスプーンですくって食べます。種も食べることができます。種の歯ごたえはシャキシャキ感があり面白いですよ。
ところで ...
甘味があるといっても酸っぱいですよ。実際のところは、ジュースにするのが一般的でしょうね。レモネードのように砂糖やシロップを入れて水で割って ... そうそう、搾りたてのパッションフルーツジュースを扱うジュース屋台も多くなりました。パッションフルーツのジュースは、ナームサワロット (น้ำเสาวรส) と言います。
以下の写真は、ジュース屋台やスムージー屋台のパッションフルーツの様子。
ジュース屋台のナームサワロットは、作り手のレシピ次第で甘さや水の割合が違いますし、量も価格も違います。バンコクなら 30バーツ 〜 40バーツ程度が多いかな? もちろん、果汁100%ではないのですよ。果汁100%では水分も少なく酸っぱ過ぎて美味しいと思えるジュースにはならないのです。果物の状態で買って自分で作れば、自分好みのジュースが作れるのですね。はちみつやヨーグルトと合わせるのも面白いでしょう。
なお、以下の写真は果汁/果肉100%のナームサワロット。このジュースは近所のスーパーマーケットで見つけたもの。多分、追熟してシワが入ったサワロットの果肉をすくい取って、そのままボトル詰めした感じですね。55555 ... ジュース屋台のジュースとは全く感じが違いますよね。このボトル詰めの果肉をミキサーにかけたり、ザルの目などを利用してゼリー状の部分を粉砕して水で溶かすことで美味しいパッションフルーツのジュースになるのです。
以下の写真もスーパーマーケットの果汁/果肉100%のナームサワロット。
以下の写真はドイカム (ดอยคำ) ブランドの果汁50%のパッションフルーツのジュース。スーパーマーケットやコンビニにあるパッションフルーツのジュースは、このブランドでしょう。ドイカムは、ロイヤルプロジェクトのブランドなのですよ。
パッションフルーツは、βカロテンが豊富でビタミンCやカリウムなど美容と健康に良い成分がバランスよく含まれているとのことでタイでも人気がありますよ。パッションフルーツのジュースを見つけたら、是非、挑戦してみてください。
生食へのアドバイス
パッションフルーツを生食したいなら、朝市などの果物屋台がお薦めです。スーパーマーケットで売っている色ツヤの綺麗な状態ではないパッションフルーツがお得です。ざっくり、スーパーマーケットの半値。
以下の写真が果物屋台のお薦めのパッションフルーツ。綺麗な見た目ではありませんよ。
果皮の色は紫色に茶色が混ざり、表面にはシワが出ています。個体によっては深いシワ。
追熟無しで直ぐに食べれます。酸味が少なく、甘いですよ。
以下の写真の左側は、表面にハリがありますよね。個体差もあると思いますが、一般的にシワのある右側より酸っぱいですよ。
綺麗に水洗いして真ん中から縦半分にカットしますが、切れ味の良いナイフで切るように。思っている以上にナイフが入りません。果汁が溢れ出るのでなるべく果実を押しつ潰さないように注意してカットしてください。食べる時に塩を少々振るのも面白い。