ゲーンマッサマン (แกงมัสมั่น) とは「マッサマンカレー」のことで、イスラム教徒(ムスリム)の多いマレー料理の影響を受けたタイ南部地方の料理。ゲーン (แกง) とは「煮込み料理の総称」なのですが「カレー」と訳されることが多いですね。マッサマン (มัสมั่น) とはムスリムを意味するペルシャ語の「مسلمان : musalmān」が語源のようです。とのことで、ゲーンマッサマンとは「ムスリム風カレー」の意味なのです。イスラム教のハラールに従い鶏肉のマッサマンカレーが一般的ですが、豚肉のマッサマンカレーもあります。辛さ控えめでココナッツミルクの濃厚な風味と多くのスパイスの風味のハーモニー、そして甘く酸っぱい味付けのカレーです。辛味/甘味/酸味の加減は作り手次第ですが、一般的には辛味に耐性のない方でも食べることができます。柔らかく煮込んだ鶏肉や豚肉とじゃがいも、ローストしたピーナッツ、さらに、タマネギやタイの赤いエシャロットのホームデーンが入っていることもあります。見た目は日本のカレーに近い料理です。
マッサマンカレーは CNN Travel の「The world’s 50 best foods」に選ばれてから海外での知名度はアップしましたが、実はタイでは人気のある料理ではないのです。そのため、おかず屋台でもマッサマンカレーを見かけることは少ないと思います。定番メニューではないのですよ。同じようにココナッツミルクを使ったカレーの定番メニューと言えば、豚肉のパネーンカレーなのですね。ゲーンパネーンムーと言います。パネーンカレーは程良い辛味もありご飯のおかずには最適なのです。
以下の写真は、時々見かけるおかず屋台のマッサマンカレーの様子。赤く浮いているのは唐辛子の色素が溶けたココナッツミルクの油脂ですね。

おかず屋台で見つけるのが難しいので、マッサマンカレーが食べれる庶民感覚の店を紹介します。シーロム通りにあるクルア アロイ アロイ (krua aroy-aroy:ครัวอร่อย-อร่อย) です。豚肉のマッサマンカレーもあります。機会があったらお試しください。
Google Map:https://maps.app.goo.gl/EhR7vE5sCy9baoJm7



さてさて ...
マッサマンカレーペーストは、タイ語でプリックゲーンマッサマン (พริกแกงมัสมั่น) やナムプリックゲーンマッサマン (น้ำพริกแกงมัสมั่น) と言います。スーパーマーケットにはいろいろなメーカーのプリックゲーンマッサマンが売っています。とのことで、自分で作ってみるのも面白いでしょう。


以下の写真は Lobo ブランドのマッサマンカレーペースト。作り方が簡単なので紹介します。

Lobo の Webサイト Masman Curry Paste(日本語)には作り方も書いてありますが、以下の Lobo ブランドの Masman Curry Paste を使った作り方の動画を参考に自分で工夫した方が良いかもしれません。
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=hbNmWe-Xo3U&t=22s
【動画中の材料】
・マッサマンカレーペースト1袋
・鶏胸肉2枚
・ジャガイモ1個
・ココナッツミルク1箱(250ml)
・グラニュー糖
・ナンプラー
【動画中の作り方概要】
まず、ココナッツミルクの 1/4 〜 1/3 程度をフライパンに注ぎ入れ沸騰させてから適度な頃合いでマッサマンカレーペーストを加えてかき混ぜながらしっかり溶かします。その中に鶏胸肉とカットしたジャガイモ、残りのココナッツミルクを加えて煮込んでいきます。鶏胸肉とジャガイモに火が通ったら好みの甘さまでグラニュー糖を加え、必要があればナンプラーで味を調整して完成。もし、ルーの塩っけが強いようなら水やココナッツミルクを加えるのもあり。一度作ってみればイメージがつかめるので、次からは好みで調整してみてくだい。
マッサマンカレーペーストとココナッツミルクがあれば簡単に作れます。同胞諸君、一度マッサマンカレー作りに挑戦してみてください。以下の写真は、冷蔵庫にあった豚バラ肉と使いかけのタマネギで私が作ったマッサマンカレーの様子。塩ピーがあれば入れたかったのですが、この日は無し。


なお、平焼きパンのロティに付けて食べる方も多いですね。さらには食パンの上にかけて食べるもよし。

こぼれ話
見た目が似ているマッサマンカレーとパネーンカレーの違いはタイ人の間でもよく話題にあがるようです。まずは、マッサマンカレーペーストには、作り手により違いがあるかもしれませんが、他のタイのカレーペーストには使わないカルダモン、シナモン、クローブ、ナツメグなどが入ります。 更にマッサマンカレーには、酸味のあるタマリンドから作るナムマカームピアックが入ります。酸味、塩味、甘味のハーモニーに加え、複雑なスパイスの風味がありインドカレーのような味わいに仕上がります。そのため、ロティで食べることが多いのでしょう。
一方のパネーンカレーは甘味、塩味、辛味のバランスを大切にしているタイのカレーなのです。パネーンカレーに興味のある方は以下も読んでみてください。

