カオニャオマムアン (ข้าวเหนียวมะม่วง) は、今では世界的に有名なタイのデザートです。街中の果物屋台やお菓子屋の店先などでも皮を剥いてカットしたマムアン (มะม่วง) とカオニャオ (ข้าวเหนียว) をパック詰めして売っている光景をよく見かけます。観光客が多いエリアでは、色付けしたカオニャオを使ってオシャレにパック詰めしたスタイルも多いようです。なお、このカオニャオは、デザート用に作った特別なカオニャオで、カオニャオムーン (ข้าวเหนียวมูน) と言います。タイでは、いろいろなデザートに使われます。
フードコートやレストランでなら、その場で食べることができるし、デパートやショッピングモールには、カオニャオマムアンを提供するデザートショップもあります。有名になり過ぎて、バンコクなら至る所でカオニャオマムアンを食べることができます。
カオニャオマムアンの専門屋台
専門店、または朝市や屋台村などの専門屋台の場合、パック詰めも売っていますが、皮を剥いていないマムアンとカオニャオムーンを別々に買うことができます。
専門屋台で扱っているマムアンは、カオニャオマムアンに適したマムアンです。普通の果物屋台で売っているマムアンより値段が高いですよ。マムアンは量り売りです。品種違いのマムアンを置いてある店もあります。そうそう、自分で選んだマムアンや食べ頃のマムアンを選んでもらい、その場でカオニャオマムアンとしてパック詰めしてくれる店もあります。
カオニャオムーンは、量り売りもしています。我が家では、タイ語で「クンキロ」、1キログラムの半分の意味で 500 グラム単位で買う場合が多いです。皮を剥いていないマムアンとカオニャオムーンを別々に買って自宅で盛り付けるのです。
以下の写真は、とあるタラートの専門店で買ったカオニャオムーンです。カオニャオムーンのセット売りがあり、ココナッツミルクと緑豆も付いてきました。2皿分のカオニャオムーンで 50バーツ也。
もちろん、美味しそうな綺麗なマムアンも売っているのですが、非常に高いのでパス。他のマムアン屋台で安いマムアンを購入。完全に庶民感覚ですね。55555 ... 剥きたてのマムアン、さらに食べたい分だけ食べれます。なお、マムアンは皮を剥くと傷みが早いですよ。
カオニャオムーンについて
カオニャオムーンは、蒸したての「もち米」と砂糖を溶したココナッツミルクを混ぜて、もち米にココナッツミルクを吸わせて作るのです。カオニャオムーンの専門店もあったりします。日本の和菓子屋が「おこわ」を扱っているようにカオニャオムーンを扱っているタイ菓子屋もありますよ。今ではデリバリーサービスをしている店もあるようです。バンコクなら 500 グラムで 80 バーツ 〜 100 バーツで買えると思います。
ところで、食べ残したカオニャオムーンは「冷凍ごはん」と同じ要領で冷凍保存。ココナッツミルクの脂肪を含んでいるので電子レンジで様子をみながら上手に解凍し、冷めるまで待てば美味しく食べれます。そうそう、外で買ってきたパック詰めのカオニャオマムアンをそのまま冷蔵庫に入れてしまった場合、カオニャオムーンは固くなりますよね。その場合は、マムアンとカオニャオムーンを分けて、カオニャオムーンのみを電子レンジで程よく温め直してください。美味しくいただけると思います。
フードフェスや洒落たデザートショップなどでは、カオニャオムーンに色付けしていることがあります。チョウマメ (アンチャン:อัญชัน) の花の搾り汁で色付けすれば青色、パンダンの葉 (バイトゥーイ:ใบเตย) の搾り汁で色付けすれば緑色になります。洒落た感じにはなりますが、カオニャオムーン自体の風味はほどんど変わらないと思ってください。
マムアン(マンゴー)について
我が家では、見て美味しそうな街中の屋台で売っている安いマムアンで十分なのです。当然、熟したマムアンですから甘くて美味しいですよ。安いので多少の傷みがあるかもしれませんが、大目に見ることにしてください。スーパーマーケットやデパートにあるマムアンは傷みがなく綺麗なマムアンが多いのですが値段は高目です。専門店のマムアンほどではありませんが ... なお、スーパーマーケットは追熟が必要なマムアンが多いですね。追熟が必要なら食べ頃になるまで常温で放置してください。冷蔵庫で保存すると追熟が止まってしまうのです。タイ語では熟したマムアンはマムアンスック (มะม่วงสุก)、若くて硬いマムアンはマムアンディップ (มะม่วงดิบ) と言います。ところで、マムアンはうるし科の植物なので、体質によってはマムアンをさわった手で顔や体にふれるとかぶれる可能性があるとのことです。
タイのマムアンは素人には判断がつかないほど品種が多いですね。品種や産地によりそれぞれの収穫時期があると思いますが、バンコクなら一年を通していろいろな産地から食べ頃のマムアンが集まります。カオニャオマムアンに使われるマムアンでポピュラーな品種2種を紹介します。
マムアン・ナムドクマイ (มะม่วงน้ำดอกไม้)
今ではタイでもっとも生産されているマムアンで至る所で売っています。大きさもあり見た目も美しいです。ナムドクマイの中にも幾つかの品種がありますが、人気の品種は「ナムドクマイ・4号」と高級品の「ナムドクマイ・シートーン」のようです。成熟した果実はオレンジがかった黄色で香りが良い。なお、シートーンとは金色の意味ですが、成熟した果実はクリーミーな黄色です。果肉はオレンジ色で繊維質が少なく舌触りがなめらかで、とろけるような食感があります。味にクセがなくコクのあるまろやかな甘みと程よい酸味があります。我が家で買うのも「ナムドクマイ」が多いですね。
マムアン・オックロン(มะม่วงอกร่อง)
タイに古くからある在来種で、熟した果実を食べるために自宅の敷地内に植えられているのがこの品種。オックロンの中にも幾つかの品種があります。ナムドクマイと比べると果実は小さめの卵型です。オックロンの原種の果実には、ふっくらとし表面の中央に浅い縦溝があり胸に似ているので、胸の谷間という意味の「オックロン」と言うらしい。若い果実は薄緑色または黄緑色、成熟するとクリーミーな黄色またはオレンジがかった黄色になります。
果皮は薄く香りが強い。果肉は淡い黄色。完熟した果肉は果汁が豊富で、マムアンの中で一番甘いとのこと。そのため、傷みやすく熟すほどさらに傷み安くなります。
高級マムアン(オートーコー市場)
ところで、美しいマムアンを見たい、買いたい方は、オートーコー市場 (Or Tor Kor Market) へ行ってみてください。店先にカオニャオムーンを用意している店もあるのでカオニャオマムアンが食べれます。そうそう、高級ドリアンもありますよ。
オートーコー市場は、高級果物をはじめ、いろいろな高級食材があります。先日しばらくぶりでオートーコー市場に行ったのですが、例のパンデミックの影響なのか、パンデミック前のような元気がありませんでした。早く元気を取り戻して欲しいですね。チャトチャックウィークエンドマーケットの近く。MRT カムペーンペット駅3番出口を出ると直ぐに市場です。
カオニャオムーン作りに挑戦!
カオニャオムーンは、普通のカオニャオと比べると値段が高いですよね。そこで、カオニャオムーン作りに挑戦してみるのも面白いかも。日本の「おこわ」のように、プロの作る美味しいカオニャオムーンのようには行かないかもしれないが ...
以下、材料と全体の流れをざっくり説明します。
カオニャオ(もち米)
・タイのもち米:3カップ
もち米に吸わせるココナッツミルク
・ココナッツミルク:400 ml
・グラニュー糖:200 g 〜 250 g
・塩:小さじ1〜2
ココナッツミルクソース
・ココナッツミルク:100 ml
・塩:少々〜小さじ半分
まず、炊飯器でもち米を炊きます。
以下、炊飯器でもち米を炊いた経験談ですので参照願います。
もち米が炊きあがるまでの間に、カオニャオムーンを作るための大きな鍋やボールに常温のココナッツミルクに砂糖と少量の塩を加えて溶かします。もし、完全に溶けてなくても炊きたてのもち米を入れたタイミングで溶けると思います。ココナッツミルクには火入れはしません。炊きあがったもち米をそのココナッツミルクの中に入れます。もち米はココナッツミルクでひたひた状態なので、ヘラなどで米粒を壊さないように丁寧に優しく混ぜ合わせます。 そして、蓋やラップをしてココナッツミルクを吸わせるために 20分程度寝かせるのですが、途中 10分程のタイミングで、均一に吸わせるために優しく混ぜ直します。その後、さらに 10分程度寝かせたら適度に混ぜ合わせて、余分な水分が飛ぶように蓋やラップを外して冷めるまで待って完成です。
カオニャオマムアンの場合、カオニャオムーンの塩加減が大切です。マムアンの甘味や酸味とバランスですね。カオニャオムーンは、他のもち米のお菓子と違い甘さの中に塩気があるのです。
そして、塩気とココナッツミルクの風味やとろみが欲しい方のために、ココナッツミルクソースを作ります。ココナッツミルクの塩気を確認しながら少々の塩を加え、多少のとろみが付くまでゆっくり煮詰めて作ります。コーンスターチや米粉を加えてとろみを付けるのもありです。私はこのココナッツミルクソースが好きではないので嫁のために作ります。
注意点:
もち米に吸わせるココナッツミルクには火入れをしませんので殺菌処理をしてある Ampawa や AROY-D ブランドなどのココナッツミルク 500ml をオススメします。上述のレシピでは 500ml を1本を使い切ります。なお、ココナッツミルクはタイ語でガティ (กะทิ) です。
そうそう、カオニャオムーンは「カオニャオムーン・タンヤプート」への応用が利きますよ。以下、参照のこと。