タイのお菓子 カノムピン(ココナッツミルクとタピオカ粉のボーロ)

カノムピン タイのお菓子

カノムピン (ขนมผิง) なるタイの昔ながらのお菓子を紹介します。カノム (ขนม) は「お菓子」、ピン (ผิง) は「焼く」の意味。カノムピンは、一番絞りの脂肪分の多いココナッツミルク (フアガティ:หัวกะทิ) にグラニュー糖を入れて煮詰めたものと卵(全卵または卵黄)、タピオカ粉を捏ねた生地を小さく丸めてオーブンで炊いて作ります。カノムピンとは、ココナッツミルクとタピオカ粉で作った昔ながらのミニクッキーと言ったところでしょう。日本のボーロに似ているお菓子 ...

時はアユタヤ時代、ポルトガル料理を参考に幾つかの代表的なタイのデザートを創作したとされる女性がいました。タイデザートの女王と呼ばれている日系人のターオ・トーンキープマー (ท้าวทองกีบม้า) です。カノムピンは、彼女が関係しているお菓子の一つらしい。日本のボーロは、ポルトガル語の「お菓子」が語源とのことですからカノムピンと同じような生い立ちですよね。カノムピンは、タイのボーロなのですよ。

しっかりオバちゃんになった我が家の嫁は子供時分にはよく食べたとのことですが、最近では見つけることが難しいお菓子。若い世代は知らない方も多いとか? 時代の流れでしょうね。今回は引き売りのお菓子屋台で見つけ、嫁が懐かしいと言って買ったのでした。

引き売りのお菓子屋台で見つけたカノムピン
引き売りのお菓子屋台で見つけたカノムピン

作り手によると思いますが、このカノムピンはメロンパンのようですね。上手に焼くものです。

メロンパンのようなカノムピン
メロンパンのようなカノムピン

以下の写真はスプーンに乗せたカノムピン。カノムピンのサイズは非常に小さいのです。

スプーンの上のカノムピンの様子
スプーンの上のカノムピンの様子

以下の写真はカノムピンを割った様子。サクサク感が伝わりますか?

カノムピンを割った様子
カノムピンを割った様子

さて、そのお味の方は ...
ほんのり甘く、ココナッツミルクの風味がありサクサクの食感なのですが、口の中で直ぐに溶け出だす感じですね。多分、タピオカ粉とココナッツミルクの脂肪分が良い仕事をしているのでしょう。食べ始めると止まりませんね。

嫁の話によると、子供時代の田舎なら何処にでも売っていたお菓子だったとのこと。名前からして古いお菓子であることが分かりますよね。カノムピン、焼き菓子ですよ。タイで初めての焼き菓子かな??
同胞諸君、もし見つけたら、カノムピンに挑戦してみてください。ボーロであることが実感できると思います。

こぼれ話
以下の写真もカノムピン。前述のカノムピンより一回りサイズが小さいタイプ。街中で見かけるのはこの写真のようなカノムピンが多いかも。作り手次第で食感や口溶けなどに違いがあります。

一回りサイズが小さいカノムピン
一回りサイズが小さいカノムピン

ところで、ポルトガルのお菓子と言えば「かすていら」でしょう。カステラと同じルーツを持っているであろうタイのお菓子に興味のある方、参考まで。。。