カノムジャーク (ขนมจาก) のカノム (ขนม) は「お菓子」、ジャーク (จาก) は「ニッパヤシ」のこと。もち米粉とパームシュガーなどの砂糖をココナッツミルクで溶き、細く削ったココナッツの果肉を加えて練った生地をニッパヤシの葉 (バイジャーク:ใบจาก) で包んでから炭火で炙って蒸し焼きにしたお菓子。バイジャークで包んだお菓子なのでカノムジャークと呼ばれることになったのでしょう。
カノムジャークは、バンコクの隣のサムットプラーカーンの有名なお菓子。マングローブの林を構成するニッパヤシは、チャオプラヤー川の河口に位置するサムットプラーカーンでは身近な植物なのでしょう。その他にもマングローブの林があるサムットサコーン、サムットソンクラームなどでも伝統的なお菓子の一つです。ニッパヤシの葉は、弱火で焼くと香ばしい香りが立ち上り、さらに硬く丈夫で割れにくい特徴があります。
一般的には黒っぽい色のカノムジャークが多いと思いますが、この色は黒もち米粉が入っているからです。黒もち米粉のみのタイプ、黒もち米粉と白もち米粉のブレンドタイプもあります。さらに、白もち米粉のみのタイプもあります。
カノムジャークは、ココナッツミルクともち米粉が材料ですので、もっちりとした食感の甘く柔らかいもち米粉の餅のように仕上がります。バイジャーク自体とその焦げた香りが加わって何ともいえない風味のあるお菓子です。
バンコクの街中の屋台では、あまり見かけないかもしれませんが、フードフェスや特別なイベント会場などならカノムジャークを見つけることができると思います。その場で生地をバイジャークに包んでいる屋台を見かけたこともありますが、サムットプラーカーンなどで作ったカノムジャークを会場の屋台で焼いているのかな?と想像できる屋台もあります。屋台によりバイジャークを開いた中身の色やボリュームに違いがあります。例えば、4枚で 25バーツとか、5枚で 40バーツとか価格にも違いがあります。
もし見つけたら、是非、挑戦してみてください。美味しいカノムジャークに出会えたら最高ですよ。
こぼれ話
実は、まったく同じ材料の生地で作ったお菓子があります。そのお菓子とは、カノムバービンです。同じ材料の生地を油を引いた鉄板で直接焼いたものがカノムバービンなのです。食感に違いがありますね。カノムバービンが焼きたて餅?なら、カノムジャークは、つきたての餅のような食感かな? ところで、カノムジャークはガラメーに近い食感かも ...