カノムケン (ขนมเข่ง) なるお菓子。カノム (ขนม) は「お菓子」、ケン (เข่ง) は「手さげカゴのような入れ物」の意味。だから、カノムケンとは、ケンに入れて作るお菓子。もち米の粉とグラニュー糖またはパームシュガーを水で溶いた生地を乾燥させたバナナの葉の容器 (クラトン:กระทง) に流し入れ、蒸して作る非常にシンプルなお菓子です。レシピの原点は中国の「年糕:ねんこう」(甜年糕)と呼ばれているお菓子で、中華系のタイ人にとっては、春節(中華圏における旧暦の正月)には欠かせない食べ物です。[Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/年糕]
以下の写真は、ヤワラーに住んでいる嫁の中華系知人から頂いたカノムケン。知人の家の手作りのカノムケンとのこと。この写真のカノムケンは、ほんの一部。
たぶん作りたてはもう少し丸かったのだと思いますが、箱詰めされていたので、形が崩れています。白色は普通のもち米の粉、黒色は黒いもち米の粉から作られているとのこと。日本の外郎(ういろう)のような食感ですね。白いカノムケンも美味しいですが、黒いカノムケンは、とてもおいしゅうございました。
以下の写真は、カノムケンの専門店の様子。色付けしてあるカノムケンや大きさ違いのカノムケンもあります。
以下の写真もお菓子屋台のカノムケンの様子。2つのカノムケンの上側どうしを合わせ、積み重ねている光景もよく見かけます。
ところで ...
バナナの葉の容器(クラトン)から中身を取り出して食べるのですが、上手に取り出せない場合や手がベタベタになりたくない場合に有効な食べ方があります。クラトンのおしりを枝豆をつまみ出すようにしてみてください。中身が飛び出したらかぶりつくのです。55555 ...
そうそう ...
春節が近づくと至る所で Chinese New Year フードフェスが開催されます。その期間中なら簡単に買うことができるお菓子です。以下の写真は、春節の時期のスーパーマーケットの Chinese New Year コーナーのカノムケン。チョウマメ (アンチャン:อัญชัน) の花の搾り汁で青色に色付けしたカノムケンやパンダンの葉 (バイトゥーイ:ใบเตย) の搾り汁で緑色に色付けしたカノムケンまで並んでいます。
こぼれ話
以下の写真は、春節の時期にヤワラー(バンコクのチャイナタウン)で見かけた甜年糕です。
そして、カノムケンをタイ風にアレンジしたお菓子がカノムティアンです。
なお、もう一つ中華系の甘い餅があります。カノムガーオーンと言います。以下は参考まで...