おかず屋台やぶっかけ飯屋には、ゲーンキーレック (แกงขี้เหล็ก) と言うカレーがあります。見た目はあまり宜しくないのですが、人気のある料理の一つです。漢方薬のような風味と苦味があり、これがなかなか美味しいのですよ。タイ人の間では、体に良い薬と考えられている料理です。
ゲーン (แกง) とはカレーと訳されることが多いのですが「煮込み料理の総称」、キーレック (ขี้เหล็ก) とは、唐木三大銘木の「鉄刀木：タガヤサン」のこと。タイでは、このキーレックの若葉や花のつぼみを茹でてアク抜きしてから食べるのです。
ざっくり、ゲーンキーレックとは、このアク抜きしたキーレックの葉をふんだんに使った苦味のあるココナッツミルクのレッドカレーです。苦味のある大人のカレーですね。55555 ...
以下の写真は、おかず屋台で買ったゲーンキーレック。屋台の売り子によれば魚が入っているとのことだが、何の魚かまでは不明。中に入れる具材はキーレック以外に牛肉や豚肉、焼いた魚をほぐした身もあり。フライにしたプラートゥー・トート (ปลาทูทอด) も美味しいですね。実際のところ、カレーなので中に入れるものは何でもありです。おかず屋台の場合は、原価と売価の兼ね合いもあると思いますが、キーレック以外が入っていたとしてもお印程度が一般的。
地域性や作り手で、使うカレーペーストや辛味などの味付けが違うと思いますが、私の経験ではそれほど辛くなくて、ほんのり甘味がある味付けが多いようです。中部地方のレシピかな？ 南部地方だと辛いのかもしれないですね。そうそう、スープの煮汁とのバランスの違いもありますね。
以下の写真は、とあるおかず屋台のゲーンキーレックの様子。スープが少なくキーレックだらけ。ゲーンキーレックとは、キーレックを食べるための煮込み料理であることが分かりますよね。
以下の写真は、ご飯にゲーンキーレックをかけた様子。カノムジーンでも美味しいですよ。
タイでは昔から、食欲増進、不眠症、便秘の解消、血圧低下、喘息、糖尿病、脚気、寄生虫などなど ... いろいな効果があると言われているようです。「キーレックの医者いらず」かな？？
もし、おかず屋台やぶっかけ飯屋で見つけたら、医者いらずのゲーンキーレックに挑戦してみてください。ほろ苦さが癖になる美味しいタイカレーの一つです。
