タイ語でカヌン (ขนุน) と言う名の非常に大きなフルーツ。世界最大のフルーツとも言われています。和名はパラミツ(波羅蜜)、英語でジャックフルーツ (Jackfruit) と言います。
バンコクの街中では、カヌンを専門に扱う引き売り屋台を良く見かけます。固定屋台の場合でもカヌンのみを専門的に扱うことが多いですね。カヌンの果実自体が非常に大きく、その重さが 10kg 超えは普通のことだからでしょう。さらに果肉を取り出すにも手間がかかるのです。そのような点からも専門色が強いのでしょう。
なお、タイでは幾つかの品種が栽培されているようですが、20kg 以上になる品種もあるらしい。
以下の写真は、街中で見かけたカヌンの引き売り屋台の様子。
一般的な引き売り屋台の構造は、売り台の下にカヌンを入れるスペースが用意されているのです。
カヌンの引き売り屋台では、その場で大きな果実を解体。一つの大きな果実の中に多数の小さな果肉が詰まっているのです。その小さな果肉を取り出し、さらにその中の種を取り出し完了。
以下の写真が、種を取り出したカヌンの果肉。
以下の写真は、赤い果肉のカヌン。カヌンデーンスリーヤ (ขนุนแดงสุริยา) と言います。味が良く、甘くてシャキシャキとした食感があり、普通のカヌンより美味しいと評判の品種。
カヌンは、雨季(6月〜10月)の果物と思っていたのですが、最近は一年中あるようです。カヌン特有の匂いがあるので苦手な方もいるかもしれませんね。甘味があり、ちょっと弾力のある果肉で食感もカヌン特有です。果汁たっぷりのジューシー系のフルーツではありませんが、このカヌン特有の匂いと食感の虜になっている方も多いのですよ。もし、街中でカヌン屋台を見つけたら、是非、挑戦してみてください。
ところで ...
以下の写真は、お菓子屋台のカヌンの甘露煮。カヌン・チュアム (ขนุนเชื่อม) と言います。チュアム (เชื่อม) が料理に付く場合は「甘露煮」を指します。ココナッツミルクに米粉などでとろみを付けた少し塩っけのあるココナッツミルクソースをかけて食べるデザートです。
他にも伝統的なカヌンの食べ方にカヌン・ローイゲーオ (ขนุนลอยแก้ว) があります。甘いシロップ(砂糖水)で煮てから、煮汁のシロップとカヌンを器に入れて氷を浮かべたデザートです。また、アイスクリームと合わせたり、色々なデザートと合わせたりして活用範囲の広い果物です。なお、完熟前のカヌンは野菜としてカレー系の煮物やスープの具材、または茹でてサラダなどにも使われます。
カヌンの種の話
以下の写真は、カヌンの種。タイ語でメットカヌン (เม็ดขนุน)、またはマレットカヌン (เมล็ดขนุน) と言います。このカヌンの種も塩茹でや油で揚げて食べることができるのです。カヌン屋台では、取り出した種だけを集めて、別売りで販売もしています。
以下の写真は、路上販売のカヌン屋台で見つけた塩茹でのカヌンの種の様子。一晩に水に浸してから塩茹でするようです。ナント ... 一袋 10バーツ也。
早速、一袋購入。例えば茹で落花生や茹で栗より食感も風味も柔らかいですね。カヌン特有の匂いは全くありません。薄い皮を剥くと渋皮がありますが、渋皮は気にならないと思います。
以下の写真は、種を割った様子。中はクリーム色なのですよ。
遠い昔のこと。カヌンは自宅で解体するのが当たり前。解体後の種は、当然、塩茹でや油で揚げて食べていたのですね。我が家の嫁は、子供時代を思い出すと言って食べるのですよ。55555 ...
もし、カヌンの種を見かける機会があったら挑戦してみてください。美味しいですよ。
こぼれ話
以下の写真は、嫁の実家にあるカヌンの木。果実は大きくならず、食べても美味しくないとのこと。
タイでは縁起の良い木をマイモンコン (ไม้มงคล) と言います。一般的には9種類ありその中の一つにカヌンの木があります。この縁起の良い木を自分の家に植えるのですよ。