リンチー タイのライチの話(たくさんの品種があるのです)

ライチのアイキャッチ タイの果物

タイでは雨季に入り5月の声を聞くと、多くの果物屋台にはライチが並び、朝市などでもライチの専門屋台を数多く見かけるようになります。6月末頃まで続くかな? ライチはタイ語でリンチー (ลิ้นจี่) ですね。中国語の「荔枝」の発音がタイ語化したのでしょう。ライチは涼しい気候を好むため、ほとんどの品種は北部地方で栽培されていますが、中部地方、特にサムットソンクラームで広く栽培されているコム (ค่อม) やサンパオゲーオ (สําเภาแก้ว) なる品種もあります。北部地方の品種より収穫時期が早いのですが、味は北部地方産に軍配が上がるとの評価が多いようです。北部地方の品種にはジャッグラパット (จักรพรรดิ์)、ホンフワイ (ฮงฮวย)、キムジェン (กิมเจ็ง)、オーヒア (โอวเฮียะ) などなど ... 多くの品種がありますが、どの品種も似たような赤い色、私には品種の区別がつきません。なお、粒が大きいライチは「ジャッグラパットかな?」とは思います。他の品種より一回り大きいのですよ。

最近はジャッグラパットを見かけることが増えました。ジャッグラパットとは「皇帝」の意味。粒が大きので食べ応えがある上に、甘味と酸味のバランスの良さに人気があるのでしょう。かつてはホンフアイが主流の品種だったのですが、他の品種に押されて見かけることが減ったと感じます。そうそう、このジャッグラパットですが、日本ではジャカパットの名称で紹介されているようですね。ジャカパットと発音するのもありのようです。

チェンマイ産のジャッグラパットを売っているライチ専門屋台
チェンマイ産のジャッグラパットを売っているライチ専門屋台
キロあたり 80バーツ

以下の写真はスーパーマーケットのジャッグラパットの様子。やぱり、スーパーマーケットは屋台より価格が高いですね。ディスカウントでもキロあたり 139バーツ也。

スーパーマーケットのジャッグラパットの様子
スーパーマーケットのジャッグラパットの様子

プライスカードを見ると「ลิ้นจี่จักรพรรดิ:Jakrapat Lychee」と書いてあります。

「Jakrapat Lychee」と書いてあるプライスカードの様子
「Jakrapat Lychee」と書いてあるプライスカードの様子

以下の写真の左がジャッグラパット、右がキムジェン。キムジェンは種が小さくて肉厚、さらに酸味が弱く甘味が強い品種。酸味のないライチがお好きな方にはオススメの品種ですね。

左はジャッグラパット、右はキムジェンのライチ
左はジャッグラパット、右はキムジェンのライチ

以下の写真はサノムイム (สนมยิ้ม) と呼ばれている中国産のグリーン種。中国種の「妃子笑」のこと。種が小さくて非常に甘いのですが、1パックで 100バーツ以上と値段が高い品種。「妃子」にあたるタイ語がサノム (สนม)、「笑」にあたるタイ語がイム (ยิ้ม) なのですよ。

中国産のグリーン種 サノムイム「妃子笑」
中国産のグリーン種 サノムイム「妃子笑」

さてさて ...
ライチには、枝付きの状態で枝を束ねて売っているスタイル、枝から外して果実のみを袋詰めで売っているスタイルがあります。枝付きは量り売り、袋詰めは1袋の価格設定が基本。なお、枝付きの方が日持ちが良いらしい。枝付きの場合は枝についている葉の元気度が鮮度の目安にもなりますよ。

枝付きと袋詰めのライチの様子
枝付きと袋詰めのライチの様子
葉が元気なライチの様子
葉が元気なライチの様子
葉の元気が無くなりつつあるライチの様子
葉の元気が無くなりつつあるライチの様子

以下の写真は、朝市で買ったチェンマイ産の大粒のジャッグラパット。1.5kgで 120バーツ也。

チェンマイ産のジャッグラパット 1.5kgで120バーツ
チェンマイ産のジャッグラパット 1.5kgで120バーツ

私は枝が付いていた突起部分をむしり取るようにすると皮が剥きやすいと思うのですが、貴方流のスタイルで剥いてください。なお、果肉に傷を付けると果汁が流れ出すので注意しましょう。

枝が付いていた突起部分をむしり取るようにしている様子
枝が付いていた突起部分をむしり取るようにしている様子
皮を剥いたライチの果肉の様子
皮を剥いたライチの果肉の様子

果肉の中には種があります。ジャッグラパットやホンフワイには大きな種がありますが、キムジェンやオーヒアの種は小さいですよ。

ライチ
ライチの種の様子(ジャッグラパット)

ライチの醍醐味は甘味と酸味のバランス。そして、上品な香りと滑らかな口当たりの良さ、さらに滴り落ちる果汁の多さ。楊貴妃がこよなく愛したことで有名な果物ですよね。機会があれば、いろいろな品種のリンチーをお試しください。

こぼれ話
ライチの季節は、同じムクロジ科のランブータンの季節でもあります。ライチとランブータンとの違いを問う方も多いようですね。最近のランブータンは酸味が無くライチより甘いですよ。果肉は白濁色で肉質が硬いのでそれなりの果汁はありますがジューシさは感じません。なお、ランブータンのキロ単価はライチの半分程度なのですが、食べれない果皮の重さはライチの軽く倍以上でしょう。それって、可食部の価格はそれほど変わらないのかもしれませんよ。

左 ランブータン、右 ライチ 皮を剥いた果肉の様子
左 ランブータン、右 ライチ 皮を剥いた果肉の様子
ライチとランブータンの様子
ライチとランブータンの様子
果物屋台のライチとランブータンの価格の様子
果物屋台のライチとランブータンの価格の様子